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初陣は3点差の熱闘となった。
2029年ワールドカップでの8強入りを目指す女子日本代表。
今年のターゲット大会である女子トップ12による国際大会「WXV Global Series」を目前に控え、9月4日(金)、北川俊澄HC体制の初陣となる女子フィジー代表戦に臨んだ。
FWの体格差は歴然だった。FW平均体重が75.8キロの日本に対し、フィジーは約14キロ差の「89.7キロ」。177センチのPRティアナ・ロバンナカダヴは体重119キロもあった。
だが日本は序盤、そんなフィジーのFW攻勢をしのいだ。
まずモールを止め、そこから始まった近場の縦突進を止め続けた。この日が「初80分間(出場)だった」という18歳のFL浅利那未がロータックルで片脚に刺さる。高い守備力のFL向來桜子も鋭い出足で流石のタックルを放った。
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すると突破口を開けぬフィジーは、SOヴァラニセセ・ンゴロがショートキック。しかしボールがデッドとなって、日本の粘り勝ちとなった。
ただ日本は自陣脱出に苦しんだ。
日本はこの日劣勢だったブレイクダウンでペナルティ(オーバー・ザ・トップ)。ここから自陣で再び防戦に回ると、フィジーがFWユニットの後方パスから相手10番が突破。前半9分にFBイヴァメレ・ロコワティに先制トライを奪われた。(0-5)
日本はさらに相手SOンゴロのトライゾーンへのショートパント&再獲得で、前半21分に1トライを失う。2連続のコンバージョン失敗となったが、スコアは10点差(0-10)に広がった。
なかなか攻撃機会が巡ってこない日本だったが、キャプテンが突破口を開いた。
前半26分。敵陣22メートル内でラックのボールアウトを察知したSH津久井萌主将がターンオーバー。敵陣アタックの好機を呼び込んだ。
ここから日本はテーマとして掲げた『ファストラグビー』を展開。
SH津久井主将の正確なパスで順目のギャップに仕掛けていく。2人でブレイクダウンを制しながらテンポよくゲインを重ねると、最後は18歳のFL浅利が低い姿勢でグラウンディングに成功。代表デビュー戦での初トライを記録した。
JAPAN RUGBY CHALLENGE MATCH 2026 女子日本代表テストマッチ 2026(9月4日)
【ハイライト】日本 vs. フィジー
「(自分の)キックオフ・キャッチは強みですが、今日は一本取れなかったところが課題でした。ただ強みのスピードは出せたので次につながるかなと思います」(FL浅利)
コンバージョンキックを成功させたのは、こちらもこの日が代表デビューのWTB西舞衣子。初キャップの先発コンビで7点を返し、ビハインドは一気に3点(7-10)となった。
日本は前半37分にLO佐藤優奈が敵陣でスティール成功。狙ったペナルティゴールは惜しくも外れて、3点ビハインドのまま後半へ入った。
すると後半、日本は前半に比べてアタック時間が増えた。
「前半はアタックしていいところでキックをしている場面があったので、後半は継続して思い切ってアタックしようという話をしました」(北川HC)
日本は複層的なラインを敷いてボールを大きく動かしていく。相手よりも複雑かつスピード感のあるアタックを繰り出していく。
ただフィジーはタックルの精度・強度が高かった。日本はエリアをアタックで押し込んでいくがロングゲインが生まれない。
するとフィジーは後半11分。
日本は鋭い出足でキャリアーに仕掛けるものの、フィジーがお家芸であるハンドリング技術で攻撃継続。日本のディフェンスをいなし、この日スティールもあった32歳のPRカラライニ・ナイセワがロングゲイン。
ノックフォワードに見えたボールは日本選手に当たっておりプレー続行。WTBアンゲラ・ライトゥブがグースステップを織り交ぜた快走で後半最初のトライ。日本は8点(7-15)を追う展開となった。
だが日本にもチーム2本目が生まれる。
体重では圧倒的な劣勢ながら、スクラムは低い姿勢で確実にボール供給。指揮官(北川HC)の専門領域であるラインアウトも安定させると、終盤に日本のハイテンポに苦しむフィジーが3連続のペナルティ。
ここで相手8番がシンビンとなって数的有利になると、大型FWが並ぶフィジーにモール勝負を挑む。
体格で圧倒しようとする相手に対し、日本は密度の高いモールを維持。FL浅利が気の利いた一押しをかけて、HO公家明日香が後半17分にグラウンディング成功。3点差(12―15)に迫った。
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ラグビー アサヒスーパードライ パシフィックネーションズカップ 2026 準決勝 日本 vs. アメリカ(09/12)
放送日時:2026年9月12日(土)午後 6:35 ~ J SPORTS 4
試合時間はラスト約20分。
しかし、ここからスコアは動かなかった。フィジーは疲労度が高くなる終盤になってオフロードパスが繋がらなくなった。
一方の日本は攻撃時のブレイクダウンで圧力を受けてしまい、なかなかトライラインを割ることができない。フィジーの両フランカー(ネイヴォサ、ダウニモアラ)の素晴らしい献身性にも苦しめられた。
「今日は敵陣のいいところまでアタックできていましたが、取りきることができませんでした。WXVでは何度もチャンスは来ないと思うので、取りきるところを修正したいです」(SH津久井主将)
日本は代表デビューの角川穂乃花も投入したが、敵陣でのブレイクダウンの劣勢が変わらず。日本も終盤はノックフォワードが増えて攻撃継続の機会が減った。
最後はフィジーが蹴り出してノーサイド。3点差(12-15)での惜敗となった初陣について、北川HCはこう振り返った。
「選手はすごく一生懸命にやってくれました。前半緊張していて思い通りのパフォーマンスが出せないところもありましたが、後半自分たちの力を出せている部分がたくさんあったのでよかったと思っています」
「『ファストラグビー』をやってゴール前まで行けることは分かりました。そこから獲り切るところを修正したいと思います」(北川HC)
ターゲット大会(WXV)の前に課題を抽出できたことはプラスだろう。体格(重さ・高さ)では圧倒的に劣勢だったが、密度と低さを感じるスクラム、スピード感のあるラインアウトで奮闘していた。
アタックでは、SH津久井主将がテンポを刻むスピード感のある連続攻撃、ピッチ幅いっぱいの展開も披露した。デビューした3人の新星も明るい材料だろう。
ボールキャリーの細かいスキル、アタック・ブレイクダウンなどを修正して決定力を高めれば、アイルランドなど格上に対しても良い勝負ができるはずだ。
日本の次戦は国際大会「WXV Global Series」(9月12日~10月31日)の初戦。女子イタリア代表と敵地で激突する。
文: 多羅 正崇
多羅 正崇
1980年2月1日生まれ、神奈川県出身。法政大学第二高校、法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻修了。スポーツジャーナリストとして『ラグビーマガジン』『Number』『J SPORTS』などに寄稿する傍ら、ユーモアコラムの執筆も行なっている。スポーツにおけるハラスメント防止を目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」理事。共著に『子どもがラグビーを始めたら読む本』(ベースボール・マガジン社)がある
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