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ラグビー コラム 2026年9月21日

ラグビー日本代表、エディー・ジョーンズHCが総括。夏の8試合で見えた手応えと課題

ラグビーレポート by 明石 尚之
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エディ・ジョーンズHC

実に7年ぶりとなるパシフィックネーションズカップ優勝から一夜明けた9月20日。日本代表のエディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)が都内で記者会見を開き、夏のテストマッチを総括した。

ここでは、フィジー戦後の記者会見で語られた内容も併せて指揮官の振り返りを紹介したい。

今夏は新たな大会『ネーションズチャンピオンシップ』がスタート。その初戦となるイタリア戦で27-10と快勝した。続くアイルランドにはオーストラリアの地で20-36と敗れ、国立でのフランス戦は15-42で大敗した。

8月にはオーストラリアとの2連戦に臨み、1戦目は32-35と肉薄する。しかし、アウェイでの2戦目は17-56と点差を離された。9月は疲労を抱えた中でカナダに大勝。パシフィックネーションズカップではアメリカ、フィジーと連勝で締めた。

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ジョーンズHCはこの結果を受け、「ランキングで日本より上位にいるイタリアとフィジーに勝つことができた。これはチームにとって大きな成果」と強調する。特にフィジー戦は、20-15と僅差での勝利だったこと、不慣れなポジションを担った選手が複数人いた中での勝利だったこともあり、「大きな一歩」と笑顔を浮かべる。

「この1年のうち、接戦に持ち込みながら最後に勝ち切れなかった試合が、オーストラリア戦で2試合、ウエールズ戦で1試合と3つあった。今日は試合の重要な局面で、勝利するために必要なプレーを遂行できた。様々な状況が起こる中でも、勝つ方法をチームとして見つけることができた」

そして、こうも言った。「この夏でスコッドの層を大きく、厚くすることができた。FW(フォワード)だけを見ても、PR(プロップ)紙森陽太、HO(フッカー)江良颯、PR為房慶次朗、LO(ロック)ワーナー・ディアンズと複数のキープレーヤーが負傷などで不在だった」

「FL(フランカー)タイラー・ポール、NO8(ナンバーエイト)ファカタヴァ アマトもスコッドにいない。そうした状況下で選手層を厚くし、各ポジションの競争を激しくすることができた」

一方で、「まだ層を厚くしなければならないポジションもある。それが今後12か月の課題」とし、「特に補強が必要なのはWTB(ウィング)」と明かした。指揮官はこの夏、先発WTBに7人を起用した。石田吉平、メイン平の負傷もあったが、固定できていないのが現状だ。

「先発出場の多い石田は今回参加できなかったが、植田和磨は非常に成長している。イノケ・ブルアも伸びていて、フィジー戦は素晴らしいパフォーマンスだった。長田智希もようやく試合に出られる状態まで戻ってきた」と語った上で、さらなる願望を口にする。

「ただ、彼らに加えて本物のスピードを持った選手をもう1人見つけたい。大学生を含めて。現在のチームにはない、際立ったスピードを持つ選手が必要。どこかにそのような選手がいれば、ぜひ教えてください」

『ラグビーワールドカップ2027オーストラリア大会』を1年後に控えているが、WTBに限らず門戸は開かれている。「新しい選手が入る余地がないわけではない。非常に良い選手であれば、1人か2人、入る余地がある」という。

これから代表資格をクリアする選手について、ジョーンズHCは「代表資格を得てから考えたいと思う」と明言を避けたが、永友洋司ナショナルチームディレクターいわく、複数名は候補リストに挙がっているそうだ。

ラグビー面では、6月の宮崎合宿から指導にあたってきたアタックを担当するグレン・ジャクソン アシスタントコーチについて、「多くのアイデアをもたらしてくれた」と評価する。「アタックはいくつか異なる実験をしてきた。おかげで複数のアタックオプションを持てている」

アサヒスーパードライ パシフィックネーションズカップ 2026

【ハイライト動画】決勝 日本 vs. フィジー(9月19日)

一方でアメリカ戦後に「アタックは上限額のないクレジットカードのようだ」と表現したように、さらなる成長を求める。

「フィジー戦では敵陣22m内に入ってからの決定力が課題となった。(雨が降った後で)難しいコンディションだったとはいえ、もっと良いアタックをしたい。トップ8とそれ以外のチームとの差は、そこで得点できるかどうかに表れる」

ハイボールキャッチは依然として大きな課題として残っている。「リーグワンではハイボールの競り合いがそれほど重要な要素ではない。集中的に練習できるのは代表活動中に限られる」と難しい現状を吐露しつつ、「スキルを向上させるため、まだまだ取り組まなければならないことがある。粘り強く取り組み続ける」と話した。

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日本代表は10月24日、秩父宮ラグビー場でフィジーと再戦。11月からはネーションズチャンピオンシップが再開され、欧州でウェールズ、イングランド、スコットランドと対戦後、ファイナルズ・ウィークエンドで北半球グループの同順位チームと対戦する。

同大会が終わり、リーグワンの2026-27シーズンが開幕すれば、ワールドカップはもう目の前だ。

幾度もこのサイクルを経験してきたジョーンズHCは、「ランキング上位の2チームに勝てたことは大きな成果」と繰り返しながら、「ただワールドカップに向けてはまだ長い道のりがある」と、試練に向かう覚悟を示した。

文/写真:明石尚之

明石 尚之

1997年生まれ、神奈川県出身。筑波大学新聞で筑波大学ラグビー部の取材を担当。2020年4月にベースボール・マガジン社に入社し、ラグビーマガジン編集部に配属。リーグワン、関西大学リーグ、高校、世代別代表(高校、U20)、女子日本代表を中心に精力的に取材している。

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