人気ランキング
コラム一覧
後半40分を過ぎてからだった。
自陣22メートル付近でオフロードパスを受けた東芝ブレイブルーパス東京のSO、リッチー・モウンガは、ハーフスピードでディフェンスの裏に出る。近づいてきたディフェンダーとの間合いを見て、急加速で抜きにかかった。
J SPORTS オンデマンド番組情報
リーグワン2023-24シーズンから日本でプレーするこの10番は、スペース感覚と緩急の使い方でプレーの幅が広がるシーンをいつも見せてくれるワールドクラスの選手だった。
そのプレーの約20秒後、山内昂輝レフリーがフルタイムを告げる笛を吹く。
5月24日におこなわれたリーグワン2025-26シーズンのプレーオフトーナメント準々決勝、クボタスピアーズ船橋・東京ベイ×東芝ブレイブルーパス東京は26-3で前者が勝利し、準決勝進出を決めた。
その結果、今季限りでブレイブルーパスを退団してニュージーランドへ帰国、オールブラックス復帰を目指すモウンガのプレーは、この日が見納めとなった。
この試合へ向けての日々の途中、本人はレギュラーシーズンを6位で通過したことに触れ、「これまでよりタフなシーズンでしたが、そこで学ぶことが多かった」。そして、「トーナメントを戦う時、それ以前の結果は関係ない。目の前の新しい試合でどちらが勝つか、だけ」と話していた。しかし、レギュラーシーズンで3位だった相手からトライを挙げることはできず、シーズン終了を迎えた。2大会続けて優勝していたブレイブルーパスの連覇も途切れた。
試合の入りは悪くなかった。
先制点は前半4分。ブレイブルーパスはディフェンダー間などのスペースにうまく入り込んで食い込み、フェーズを重ねる。真正面からのコリジョンを避けながらも強く前に出て得たPGをFB松永拓朗が決め、ほしかったリードを早々に得た。
ブレイブルーパスは力強くプレーするスピアーズに対し、ハードタックルとボールを動かすスタイルで対抗した。
SH高橋昴平の働きもあった。ピンチになりそうなところでのインターセプトや密集でのスティールで相手の勢いを止めた。
ジャパンラグビー リーグワン2025-26 (5月24日)
【D1 プレーオフトーナメント ハイライト】クボタスピアーズ船橋・東京ベイ vs. 東芝ブレイブルーパス東京|ジャパンラグビー リーグワン2025-26 (5月24日)
それでも試合を優勢に進めていたのはスピアーズだった。接点で押し込むだけでなく、オフロードパスなどを使い、パワーを増幅させる。モールでの前進もあり、攻め手が多かった。
なかなか攻め切れなかったオレンジのジャージーが、ついにトライラインを越えたのは前半15分だった。敵陣でのラインアウトから攻めた。
ライン際をHOマルコム・マークスが前進。右に攻める。LOルアン・ボタがクラッシュ。相手の2番と3番、アンドリュー・マカリオと小鍜治悠太のダブルタックルも素晴らしかったものの、さらに攻撃を継続すると山内レフリーが笛を吹いた。
PKからSH岡田一平がすぐに仕掛ける。インゴールに入った。SOバーナード・フォーリーのコンバージョンキックも決まり、逆転した。
J SPORTS 放送情報
-
【45分ハイライト】ジャパンラグビー リーグワン2025-26 D1 プレーオフトーナメント 準々決勝-2 クボタスピアーズ船橋・東京ベイ vs. 東芝ブレイブルーパス東京
放送日時:2026年5月25日(月)午後 9:15 ~ J SPORTS 1
-
放送日時:2026年5月25日(月)午後 10:00 ~ J SPORTS 1
両チームの前半の得点はそれだけ。7-3とスピアーズのリードでハーフタイムを迎える。
そして後半はリードしていた側が3トライを挙げて19点を加える。最終的にスピアーズの完勝に終わった。
勝者のトライシーンは、いずれも力技ではなかった。後半3分にWTBハラトア・ヴァイレアがインゴールに入ったものはキックパスから。11分のNO8マキシ ファウルア主将のトライは、ブレイブルーパスにとっては不運なもの。ライン際で内に返したパスがインゴールに転がって、オレンジの8番が押さえた。39分のリカス・プレトリアスのトライも、ハンドリングエラーのボールを拾い、蹴って奪ったものだった。
ブレイブルーパスは体を張ったプレーを80分続けた。それは勝者の得点シーンと、試合を通してオレンジのジャージーが前に出続けていたことからも伝わる。
一方でスピアーズがディフェンスでも前へ出続け、相手が決定機を迎えそうになる芽を摘んでいたことも見逃してはいけない。
試合後スピアーズのフラン・ルディケ ヘッドコーチ(以下、HC)は、東芝に対して「過去2年、リーグのスタンダードを引き上げてくれた」とリスペクトする気持ちを述べた後、「きょうはワークレートと、動き続ける(ステイアライブする)ことが大事だった」とし、選手たちが実践したディフェンスを評価した。
マキシ主将は、家族に不幸があったチームメート2人のために勝ちたかったと伝え、「自分たちの強みを出せばいいディフェンスができると自信になった」と話した。
脳震とうで後半18分にピッチの外へ退いたブレイブルーパスのリーチ マイケル主将は、「前半から後半まで自分たちのスタイルでやり切ったかな、とは思っています。ただやり切った中で足りなかった」、「自分たちの(いまの)精一杯は出せた」と話した。
連覇は途切れた。しかし来季への意欲は失っていない。
文: 田村 一博
田村一博
前ラグビーマガジン編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライターとして活動。
あわせて読みたい
J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題
ジャンル一覧
人気ランキング(オンデマンド番組)
-
ジャパンラグビー リーグワン2025-26 D1 プレーオフトーナメント 準々決勝-1 東京サンゴリアス vs. ブラックラムズ東京
5月23日 午後2:20〜
-
慶應義塾大学 vs. 明治大学 関東大学ラグビー春季特別招待試合2026 【限定】
5月17日 午後12:55〜
-
【先行】ジャパンラグビー リーグワン2025-26 D1/D2 入替戦-1 第1戦 清水建設江東ブルーシャークス vs. 浦安D-Rocks
5月23日 午後2:20〜
-
東海大学 vs. 早稲田大学 Aグループ ラグビー 関東大学春季交流大会2026【先行】
5月17日 午後12:50〜
-
日本選抜 vs. ホンコン・チャイナ選抜(05/22) ラグビー日本選抜 トレーニングマッチ 2026【先行】
5月22日 午後4:50〜
-
【先行】ジャパンラグビー リーグワン2025-26 D1/D2 入替戦-2 第1戦 豊田自動織機シャトルズ愛知 vs. 三菱重工相模原ダイナボアーズ
5月23日 午後2:20〜
-
流通経済大学 vs. 帝京大学 Bグループ ラグビー 関東大学春季交流大会2026 【限定】
5月17日 午後12:55〜
-
ジャパンラグビー リーグワン2025-26 D1 プレーオフトーナメント 準々決勝-2 クボタスピアーズ船橋・東京ベイ vs. 東芝ブレイブルーパス東京
5月24日 午後2:20〜
J SPORTSで
ラグビーを応援しよう!

