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ラグビー コラム 2025年7月4日

母国に初めてアイルランドを迎えるジョージア、乾坤一擲の80分を実現できるか。

ラグビーレポート by 田村一博
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プロップが英雄。そんな、他に類を見ないラグビー国、ジョージアにトップレベルのチームが訪れるのは滅多にない。
シックスネーションズ参加国で言えば、過去にスコットランド、イタリアが彼の地に足を踏み入れたことがあるものの、今回同地を訪れるアイルランドはワールドランキングの3位。強豪国の来征に地元ファンは沸いている。

7月5日、ジョージアの首都・トビリシでジョージアとアイルランドがテストマッチを戦う。
アイルランドはオーストラリアに遠征中のブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズに主力の15選手とアンディ・ファレル ヘッドコーチ(HC)が参加しており最強メンバーが揃っているわけではない。

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しかし、将来性のある選手が含まれ、ヨーロッパと南アフリカのトップクラブで競い合うユナイテッド・ラグビー・チャンピオンシップを制したレンスターの選手たちも多数含まれている。
暫定HCのポール・オコンネルは、今回のツアーを通して代表スコッドの層を厚くし、将来ある選手たちに国際舞台での実戦経験を積ませたいと考えているようだ。

発表されたジョージア戦のメンバーの中でキャプテンを務めるのはSHのクレイグ・ケーシーだ。同選手は、翌週に敵地で戦うポルトガル戦を含む今回のツアーでチームを率いる責任を担っている。

18キャップの経験を持つケーシーは、アイルランド代表として112人目のテストマッチ主将となる。
ジョージア戦に向けての準備段階からリーダーシップを発揮しており、その姿を見たオコンネル暫定HCは、そのキャプテンシーを高く評価。「自身に託されたものを受け入れ、全力で務めています。母国を率いることを心から楽しみにしており、自身の存在感をチームの中で示したいという強い意志を感じる」と話している。

ケーシーとコンビを組むSOを任されるのはサム・プレンダーガストだ。
8キャップを持つ同選手は、2024年11月のアルゼンチン戦に途中出場してテストデビュー。その後は先発を任されることが多く、シックスネーションズ2025でも5試合中4戦で10番のジャージーを着た。

レンスターで好調さを見せた27キャップを持つFLのライアン・ベアード、38キャップのWTBジェイコブ・ストックデールは、先発に2人、ベンチに4人いるノンキャッパーを含む若いメンバーの中で頼りになる存在だ。
ストックデールはトライを獲る感覚が高く、テストマッチ通算トライは19。今回の試合でトライを決めれば代表通算得点が100に達する。

ホームで強豪を迎え撃つジョージア(ワールドランキング11位)は、リチャード・コックリルHCの指揮のもとアイルランド戦初勝利を狙う。
両チームが過去にテストマッチで戦ったのは5戦。直近では2020年11月29日に対峙し、そのときは10-23のスコアだった。

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シックスネーションズに加わりたいジョージアは実績を積み重ね続けている。
2025年のラグビーヨーロッパチャンピオンシップでは5戦全勝。準決勝でルーマニアに43-5と完勝し、決勝ではスペインに46-28と勝利。大会8連覇と安定している。

同チャンピオンシップの5試合で9トライを挙げたアカキ・タブツゼは今回のアイルランド戦でも14番のジャージーを着る。
2023年のワールドカップでも全4試合に出場した好ランナーが、同大会のポルトガル戦で見せたトライシーンを覚えている人は多いだろう。2024年には来日して日本代表戦にも出場。その1週間後におこなわれたオーストラリア戦で2トライを挙げた。

FBのダヴィト・ニニアシヴィリ はフランスのトップ14、リヨンで活躍中だ。バックスリーで出場試合も多く、22歳ながら経験値は高い。
その才能ある走りは、アイルランドにも通用するだろう。

コックリルHCは、アイルランド戦後に南アフリカへ渡り、チーターズ戦を経て同国代表とも戦う(7月19日)。今シリーズへのスコッドを発表した際、怪我や手術で選べない選手たちがいたと認めながらも、「力強いメンバーが揃った。非常に競争力のあるチームで戦いに臨めると思う」と話している。

アイルランド戦でキャプテンを任されるのはFLベカ・サギナゼ。こちらもニニアシヴィリ同様、リヨンに在籍し、FLとして頼りにされている。
強気のファイターでリーダー。タックルもボールキャリーも強烈な男が、無骨なフォワードとチームを束ねる。

熱狂的なジョージアのファンに涙を流させるような80分となる可能性はある。

文: 田村 一博

田村一博

前ラグビーマガジン編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライターとして活動。

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