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ラグビー コラム 2025年6月23日

【ハイライト動画あり】早稲田大学、終了間際の逆転劇で帝京大学に勝利。関東大学春季交流大会

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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スクラムは試合を通じて早稲田が優勢

大学選手権決勝の再戦は、最後まで勝負のわからない熱戦となった。

6月22日(土)、ラグビー関東大学春季交流大会Aグループの最終戦となった、2位タイにつけている早稲田大学と、首位で大会5連覇を狙う帝京大学が、早稲田大学グラウンドで激突した。

なお、両者は昨季の対抗戦では早稲田大学が48-17で快勝したが、大学選手権の決勝では帝京大学が33-15で勝利して4連覇を達成した。今年1月以来の試合であり、新チームとなって初の対戦となった。

ラグビー 関東大学春季交流大会2025

早稲田大学は6月8日(日)、明治大学との「早明戦」に12-45で敗れ、3勝1敗の2位タイ(勝ち点19)につけている。一方の帝京大学はルーキーを積極的に起用しながらも、開幕から4連勝を達成し、勝ち点24で首位に立っていた。

早稲田大学はメンバー発表時から1名、控え4名の先発を変更し、PR(プロップ)は杉本安伊朗(3年)に替わって、山口湧太郎(4年)が1番を背負った。キャプテンのCTB野中健吾(4年)はベンチスタートとなった。

ラグビー関東大学春季交流大会2025

FW(フォワード)はU23日本代表のHO(フッカー)清水健伸(3年)、LO栗田文介(4年)、FL(フランカー)は粟飯原謙(4年)と、ゲームキャプテンFL田中勇成(4年)、NO8(ナンバーエイト)には城央祐(2年)が先発。

BKはSH(スクラムハーフ)糸瀬真周(4年)と、SO(スタンドオフ)服部亮太(2年)、CTB(センター)は黒川和音と福島秀法の4年生コンビ、WTB田中健想(2年)、FB植木太一(2年)らがスターターとなった。

帝京のFWを引っ張る新人のフィジプナとダウナカマカマ

帝京大学も、キャプテンCTB大町佳生(4年)がベンチスタートとなったが、PR森山飛翔(3年)、LO福田大和(2年)、1年のFLアントニオ・フィシプナ(青森山田)、ゲームキャプテンFL河村ノエル(4年)、NO8にはカイサ・ダウナカマカマ(3年)が先発した。

BKは、1年生SO上田倭楓(大阪桐蔭)が公式戦初先発となり、兄のCTB上田倭士(3年)と一緒に出場した。他にもCTB佐藤楓斗(2年)、WTB吉田有佑(3年)、WTB生田弦己(4年)、新人のFB吉田琉生(東海大大阪仰星)らがスターターとなった。

関東大学春季交流大会2025

【ハイライト動画】Aグループ 早稲田大学 vs. 帝京大学

35度近い真夏の日差しの中、試合は午後2:00にキックオフされた。序盤、明治大学戦から、接点周りを改善したという早稲田大学がペースをつかむ。

前半10分にSO服部のPG(ペナルティゴール)で先制すると、12分、前に出るディフェンスから相手反則を誘い、ゴール前の連続攻撃から最後はNO8城が持ち出して中央にトライを挙げて、10-0とリードする。

すっかりFBとして定着した帝京1年の吉田

帝京大学の反撃はウォーターブレイクの後、22分だった。相手のキックからFB吉田が大きく外に振って、WTB吉田有佑(3年)がゲインし、最後はフォローした吉田が左隅にトライ、自身でゴールを決めて3点差とした。

さらに25分、相手陣のラインアウトからCTB佐藤が、アングルチェンジからラインブレイクし、最後は大外のWTB吉田有佑がトライを挙げて逆転に成功。

ロングキックで試合をリードした早稲田SO服部

ただ、早稲田大学も接点での反則を誘って、SO服部のロングキックで相手奥に攻め込む。モールは押し込めなかったが、FW戦で粘ってHO清水健伸がねじ込んで17-14と再びリードする。

帝京大学もすぐに反撃し、ディフェンスで相手の反則を誘うと、39分にFLフィシプナが強さを見せてトライ。さらにロスタイムにもSO上田のパスにPR清水栞太(3年)が抜けだし、最後はフォローしたPR森山が押さえて、28-17とリードして前半を折り返した。

後半に入っても帝京大学の勢い止まらず、2分、アタックを継続し、PR清水のショートパスから、PR森山がゲインし、最後はLO福田が押さえてトライ。FB吉田のゴールも決まり、リードを18点差とした。

しかし、ホームの早稲田大学の集中力が落ちることはなかった。7分、相手ハイパントキックのこぼれ球を、FB植木が足にかけて、そのままトライを挙げて22-35と13点差に迫った。

その後、帝京大学が相手陣まで攻め込むが、スクラム勝負で優勢だった早稲田大学が反則を誘い、さらに接点でも粘りを見せて失点を許さなかった。30分、途中交代で入ったSO田中大斗(2年)の打ち返しのパスに、FB植木が走り込んで中央にトライ。29-35とついに6点差に迫った。

ロスタイム、早稲田大学がモールを押し込んだ後、FB植木が押さえたかに見えたが、帝京大学のディフェンスもグラウンディングさせずノートライとなった。

ただ、直後の帝京大学のゴールラインドロップアウトから、早稲田大学がアタックし、SH糸瀬がラックサイドの隙を見逃さず、自らゲインしそのまま中央にトライ。SO田中のゴールも決まり、36-35と逆転に成功。

トライを挙げて喜ぶ早稲田SH糸瀬

「相手が後半疲れてくるときにラックサイドが気になっていた。まさに(今季のスローガンである)『ONE SHOT』という感じで、最後、取り切れて良かった」(糸瀬)。

残り1分ほど、守り切ってノーサイドとなり、早稲田大学が36-35で勝利し、大学選手権のリベンジを果たした。

ただし、帝京大学が7点差以内での敗戦で、ボーナスポイントを得たため春季大会Aグループは帝京大学が5連覇を達成。2位タイの明治大学も3トライ差で勝点したため、1位帝京大学、2位明治大学、3位早稲田大学という順位となった。

敗戦したものの優勝した帝京大学の相馬朋和監督は、「ゲーム序盤から常に自分たちが苦しい展開となった。(春、優勝できたことは)選手たちはよく頑張ったと思う。一貫性を持って戦うことができたことは成長できた部分」と話した。

帝京の大町キャプテン

CTB大町キャプテンは、「負けは負けだと思う。まだ自分たちに隙、成長できる部分があるということがわかった。自分たちの目標は大学選手権優勝なのでブレることなく、夏、秋に向けてチームとして成長していきたい」と前を向いた。

早稲田大学の大田尾竜彦監督は「前半の入りが良かった。風下だったので点は取られたが、前半(のスコア)はギリギリだった。セットプレーも後手を踏まなかったし、後半、選手のプレーの質が落ちなかった。リザーブメンバーも良かった」と後半の戦い方を称えた。

早稲田の野中主将

CTB野中キャプテンは「明治大学戦に負けて、自分たちに何が足りないか、練習からやってきた結果だと思う。1つ1つのサインプレーやブレイクダウンの仕事をまっとうしようとしてそれが出た。この勝利がきっかけになって、チームが1つになってどれだけ成長できるかだと思う」と先を見据えた。

春季大会は帝京大学の優勝で幕を閉じた。6月30日(日)の東西学生対抗、7月6日(日)の関東大学オールスターゲームもあるが、各チームは7月、しばしのオフの後、夏合宿を経て秋本番に備える。

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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