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ラグビー コラム 2025年5月13日

リーグワン、今年秋の新大会開催と、2026-27シーズンからの選手カテゴリ変更を発表

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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リーグワン東海林一 専務理事

5月13日(火)、ジャパンラグビー リーグワンは、今秋から新たな大会の創設と、2026-27シーズンからの選手登録区分に新たなカテゴリが追加されることを発表。専務理事の東海林一氏が会見を開いた。

まず、今年の9月から10月にかけて、選手育成、新たな有望選手発掘を目的とする新大会の開催が決定した。リーグワン所属の20チームが、ディビジョンではなく、それぞれのチームの拠点をもとに、東・中・西のエリアに分かれて対戦する。

「リーグワンは2026-27シーズンから、新たに導入予定のカテゴリ制度と併せて、ラグビーの普及、育成に寄与し、リーグの発展、そして日本ラグビーのレベル向上に貢献できるよう、引き続き尽力してまいります」と東海林専務理事。

参加しなかった6チームはすでに合宿や練習試合の予定が入っており、今年は参加できなかったという。ただ、東海林専務理事は「今後、チーム数を増やし、順位が付くような形を含めて進化させていきたい」と先を見据えた。

ジャパンラグビー リーグワン2024-25 D1 プレーオフトーナメント

新たに新設された大会は、1試合あたりの出場選手登録枠は最大30名とし、うち、リーグワン公式戦出場回数が、15試合以下の選手を原則5名以上登録すること、カテゴリによる登録や出場の制限を設けない。また、両チームの最優秀選手は対戦相手のキャプテンが決めることも予定している。

今年は各チーム、東・中・西エリアでそれぞれ2試合ずつ行う予定で、現在は観戦無料を予定している。今年のエリア分けは下記の通り。

東:NECグリーンロケッツ東葛、クボタスピアーズ船橋・東京ベイ、クリタウォーターガッシュ昭島、狭山セコムラガッツ、清水建設江東ブルーシャークス、日本製鉄釜石シーウェイブス、日野レッドドルフィンズ、三菱重工相模原ダイナボアーズ、ヤクルトレビンズ戸田、リコーブラックラムズ東京

中:静岡ブルーレヴズ、トヨタヴェルブリッツ、豊田自動織機シャトルズ愛知、三重ホンダヒート

西:九州電力キューデンヴォルテクス、中国電力レッドレグリオンズ、花園近鉄ライナーズ、マツダスカイアクティブズ広島、ルリーロ福岡、レッドハリケーンズ大阪

続いて、2026-27シーズンから新たなカテゴリを追加することが決定されたことも発表された(来季のカテゴリは現行のまま)。

昨年から、義務教育枠を追加することが発表されていたが、リーグだけでなく、リーグワンの各チームとも半年間ほど話し合った結果、詳細が決定した。「普及育成と多様性の確保、日本代表への貢献のバランスを考えた制度となった」(東海林専務理事)。

今季、そして来季までのカテゴリ分けは下記の通り(前提としてチーム登録の80%がカテゴリA。B&Cは合計で10名以下、Cは3名以下という条件がある)。

来季までのカテゴリ分け

・カテゴリA(日本代表実績あり/資格あり)
→試合登録23人中17人以上、オンザピッチは11人以上

・カテゴリB(日本代表資格見込み)
→任意(試合登録はカテゴリB、Cの合計が6名以下)

・カテゴリC(各国代表歴ありなど上記以外)
→登録もオンザピッチも3名以下

2026-27シーズンからはカテゴリAが、A-1とA-2のカテゴリの2つに分かれて、下記の通りに変更になる(BとCには大きな変更はないという)。

2026-27シーズンからのカテゴリ

・カテゴリA-1:小中学校の義務教育9年間のうち、6年以上を日本で過ごした選手。試合における登録数は(23名中)14名以上、同時出場数を8名以上

・カテゴリA-2:上記以外で、他協会の代表歴がなく、日本協会における48カ月以上の継続登録がある選手(なお、A-2の選手のうち、日本代表キャップを30以上持つ選手は、優遇措置としてA-1に分類される)が分類される

・カテゴリA-2・B・Cの合計での試合における登録数は9名以下(カテゴリBは7名以下、Cは3名以下)、同時出場数を7名以下(カテゴリCの同時出場は3名以下)とする

東海林専務理事は「大学から先、将来のプレーを考えたとき、リーグワンでの活躍の場が減っており、それが小学生、中学生にも波及しているという声を聞くことがあった。また多様性を維持するという観点から、今回の制度(A-1、A-2、B、C)になった」とのこと。とにかく、普及、育成の観点からの今回のカテゴリ制度を導入したことを強調した。

カテゴリA-1のピッチでの同時出場数は、7から10名までのさまざまなパターンを考えたが8名に落ち着いた。今季のディビジョン1のある節での概数を数えてみると、カテゴリA-1が7.7人、A-2が3.6人、Bが1.7人、Cが2.1人だったという。

カテゴリA-2から、A-1になれる条件である日本代表キャップ30は少々高いハードルのように感じるが、今後も30キャップになる選手が出てくることも想定しつつ、各チームと話し合った結果によるとのこと。

東海林専務理事は、「日本代表に一定の貢献し、普及育成に大きな役割を果たしている選手に特別枠を設けるのが基本的な考え。ただ、あまり(基準となる)キャップ数が少ないと特別枠が増えて制度をゆがめることになる」と説明した。

現役選手で考えると、87キャップのFL(フランカー)リーチ マイケル(ブレイブルーパス東京)ら3選手ほどしか条件を満たしていていないが、今シーズン、LOワーナー・ディアンズ(21キャップ/ブレイブルーパス東京)、CTBディラン・ライリー(28キャップ/埼玉ワイルドナイツ)らがクリアすると予想される。

リーグワンのレベルが落ちてしまうのでは……という質問もあったが、東海林専務理事は「今回のA-2というカテゴリでも十分な出場枠がある。カテゴリB、Cは従前と変わらない」。

「カテゴリA-2、B、Cの選手で、どういう形でチームを編成するかは、チームの裁量。一方でA-1カテゴリの選手の実力アップも進んでいるので、各チームとの議論の中で、レベルが下がるという懸念は提示されていないし、我々も思っていない」と話した。

今回の新たなカテゴリ制度の導入は2026-27シーズン、つまり2シーズン先からであり、来シーズン(2025-26シーズン)は今シーズンとカテゴリ分けは変わらない。

ただ、導入された後は、2年は変更しない予定だという。東海林専務理事は「(新たなカテゴリ制度は)チーム編成、選手のキャリアなどに一定の影響がある話なので、頻繁に変えることは考えていない。2シーズンはしっかりやりたい。(カテゴリの)枠自体は大きく変えることはなく、人数の見直しは改めて協議する」と説明した。

いずれにせよ、今秋から若手の育成と普及、新たな選手を発掘することを目的とした新たな大会が創設され、2026-27シーズンから、普及、育成に重きを置いた新たなカテゴリ制度の下、リーグワンが行われることに決まった。

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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