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ラグビー コラム 2025年5月12日

【ハイライト動画あり】東芝ブレイブルーパス東京、リーグ戦を1位で終える。横浜キヤノンイーグルスは嶋田直人のラストゲームを飾れず

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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引退試合となった嶋田ゲームキャプテンとリーチ キャプテン

「NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25」も、いよいよリーグ戦の最終節を迎えた。ディビジョン1は、前節までにプレーオフトーナメントに進出する6チームが決まっていた。

5月10日(土)、昨シーズンの王者で現在首位に立つ東芝ブレイブルーパス東京は、7位でプレーオフ進出を逃した横浜キヤノンイーグルスを、東京・秩父宮ラグビー場に迎えた。

ジャパンラグビー リーグワン2024-25

前節、45-28で三菱重工相模原ダイナボアーズを下し、14勝1分2敗の勝ち点66で首位に立つブレイブルーパスは、ボーナスポイントに関係なく、勝てば2位以上となり、プレーオフ準決勝からの出場が決まる。また、3トライ差のボーナスポイントを得ての勝利で、他会場の結果に関係なく、1位通過が決まる試合だった。

一方、前節はコベルコ神戸スティーラーズに、29-47と敗れたキヤノンイーグルスは、6勝11敗で勝ち点30となり、3シーズン連続のプレーオフトーナメント進出はならなかった。それでも引退を表明していたゲームキャプテンのFL(フランカー)嶋田直人のためにも、勝利でシーズンを締めたかった。

ブレイブルーパスのトッド・ブラックアダーHC(ヘッドコーチ)は、前節からBK(バックス)1名のみを変更し、WTB(ウイング)森勇登が、ジョネ・ナイカブラに変わって14番に移動し、11番には、2試合目の先発となるWTB桑山聖生が入った。

開幕から全試合でキャプテンとして先発したNO8(ナンバーエイト)リーチ マイケルら、FW(フォワード)は全員が同じ顔ぶれとなった。

イーグルスのSO武藤、CTB田村のコンビ

一方、イーグルスの沢木敬介監督は、FW4人、BK2名の先発を入れ替えた。BKは、SO(スタンドオフ)武藤ゆらぎが先発、田村優が12番に移動した。ベンチには出場すればデビューとなる、SH土永旭(京都産業大学出身)らが入った。

午前中まで雨が降っていたコンディションの中、1万290人の観客を集め、試合は午後1:00にキックオフされた。序盤、主導権を握ったのは、「自分たちにフォーカスして勝ち点5を取りに行った」(リーチ)というブレイブルーパスだった。

9分、相手陣25m付近からのラインアウトのチャンスからボールを継続し、元オールブラックスのSOリッチー・モウンガのパスを受けた、CTBセタ・タマニバルが抜け出して左中間にトライ、モウンガがゴールを決めて7-0と先制に成功。

再び、相手ゴール前に攻め込んだブレイブルーパスは17分、相手の反則からスクラムを選択し、スクラムからSH(スクラムハーフ)杉山優平が持ち込んで中央にトライ(14-0)。

さらに相手の攻撃を防いだ後の27分、ゴール前のモールを起点に、最後はFWにこだわりPR(プロップ)タウファ・ラトゥが中央左にねじ込んでトライを挙げ、21-0とリードする。

しかし、イーグルスも負けていない。32分、クイックスローイングから右に大きく展開し、WTB松井千士が快足を活かして右隅にトライ。CTB田村のゴールも決まって、7点を返す。

トライを挙げるSO田村(イーグルス)

37分にも相手のこぼれ球をSO武藤が足にかけてチャンスを掴み、スクラムを起点にアタックを仕掛けて、SO田村が右中間に飛び込んでトライ、14-21と追い上げてハーフタイムを迎えた。

後半は開始から、再びブレイブルーパスの時間帯となる。3分、ラインアウトから攻撃を継続し、最後はFLシャノン・フリゼルが縦への強さを見せてトライ。13分には相手ミスから左に展開しベテランFB(フルバック)豊島翔平が左隅にトライを挙げて、35-14とリードを広げた。

ベテランFB豊島(ブレイブルーパス)のトライ

その後、イーグルスは相手陣で攻撃を仕掛ける。31分、相手反則からタップで仕掛けて左に展開し、南アフリカ代表CTBジェシー・クリエルが左中間に押さえて7点を返す。

2トライ差に迫られたブレイブルーパスは34分、ゴール前のラインアウトを起点にボールを動かし、最後は途中出場のSH小川高廣が中央左に押さえて、トライを挙げ、再び3トライ差の42-21とした。

2トライを挙げたWTB松井(イーグルス)

だが、ブレイブルーパスは、相手のキックオフ直後にミスをしてしまい、36分、再びイーグルスのWTB松井にトライを献上し、再び2トライ差とされてしまう。

ジャパンラグビー リーグワン2024-25

【ハイライト動画】第18節  東芝ブレイブルーパス東京 vs. 横浜キヤノンイーグルス

その後、ブレイブルーパスは相手のミスを、WTB森が足にかけて左隅にトライを挙げた、と思われたが、TMOの末、イーグルスのCTBクリエルがノーボールタックルの判定で、イエローカード。さらにトライの前にSOモウンガのノックフォワードがあったためにペナルティトライと認められず、ブレイブルーパスのボールで再開された。

ボーナスポイントを確定させるトライを挙げて喜ぶWTB桑山

試合終了のホーンが鳴る中、ブレイブルーパスはラインアウトからモールを押し込み、アドバンテージの中で、SOモウンガが右サイドにクロスキック、そのボールをWTB桑山がキャッチしてトライゾーンに押さえてトライ。

ブレイブルーパスがラストプレーで、3トライ差をつけて49-28で勝利。勝ち点5を得て、2010-11シーズン以来となるリーグ戦1位で、プレーオフトーナメントに進出を決めた。

POMのSOモウンガ(ブレイブルーパス)

POM(プレイヤー・オブ・ザ・マッチ)には2試合連続、攻守に渡って勝利に貢献した、ブレイブルーパスのSOモウンガが選出された。「目指していた結果が得られたのでとてもうれしかった。イーグルスはすごくいいチームなので、多くのプレッシャーをかけてきたが、自分たちのディフェンスにはとても満足しています」。

イーグルスらしいアタックを仕掛けたが、最終節の敗戦で8位となった沢木監督は「今シーズン、思うような結果が出なくて、チームとしてすごく残念。本当は今日も嶋田の引退試合だったから、勝ってみんなで送り出そうと言っていたが………」。

「1年間、細部にこだわって、毎回、毎回、トレーニングにもこだわって準備したのに崩れるのは本当早い。(プレーオフに進出できなかったのは)そういう環境をつくれなかった僕の責任だと思う」と淡々と話した。

この試合が現役最後の試合となった、ゲームキャプテンのFL嶋田は「今シーズン、優勝を目指してスタートしたが、目標しているところにもいけず、最後の試合も負けてしまってすごく残念」。

「ですが、イーグルスのスタイルというのは随所に出ていたと思うので、来シーズン残るメンバーが、必ずもっと良い景色の舞台にいってくれると思うので、僕はそれを応援したい」と、すがすがしい表情で話した。

しっかりと3トライ差をつけて勝利した、ブレイブルーパスのブラックアダーHCは「勝ち点5を取りにいくことを目指して、1週間準備してきたことが最終的にピッチに出させた」。

「レギュラーシーズン1位は長いシーズンで勝ち取ったものなので、1位で終われたことをしっかり噛みしめたい。ここからプレーオフがあり、まだ道のり続くので、まずは来週1週間、休む権利を勝ち得たので、リフレッシュしてプレーオフに向けて、エキサイティングなラグビーを見せたい」と先を見据えた。

18試合連続でキャプテンを務めたFLリーチ(ブレイブルーパス)

FLリーチ キャプテンは「今シーズン、最後に蹴って終わるという場面でも、トライを狙いにいくマインドを持ってやっている。最後、モールを組んで、キックでトライを取れたのは結果的には良かった」。

「(リーグ1位で)間違いなく強い東芝が復活したという感じがする。連覇がかかっているので、プレーオフは強いメンタリティーを持ってやりたい。今まで18ラウンド、たくさんの試合をやってきて、その積み重ねを全て、24日にぶつけたい」と語気を強めた。

18節に渡って行われたリーグ戦を、堂々の1位で通過したブレイブルーパスが駒を進めた準決勝1試合目は、5月24日(土)、東京秩父宮ラグビー場で行われる。相手は5月17日(土)の準々決勝1試合目、静岡ブルーレヴズ(4位)vs.コベルコ神戸スティーラーズ(5位)の勝者となった。

いよいよリーグワンディビジョン1は、リーグ戦が終わり、5月17日(土)から6チームが参加するプレーオフトーナメントが始まる。

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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