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ラグビー コラム 2025年5月13日

4年に1度編成される『ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ』、オーストラリア遠征スコッドを発表

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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発表されたライオンズのメンバー

6月末から7月にかけて、オーストラリア遠征を行う「ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ」のスコッドが発表された。

ライオンズとは、イングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランドの4つのユニオンに所属する選手で構成される混成チームで、1888年に初めて編成された。

その後、4年に1度結成し、南半球(ニュージーランド、南アフリカ、オーストラリア)に遠征しており、4つのユニオンのラグビー選手にとってライオンズに選ばれることは大きな栄誉となっている。

ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ2025

今回、チームを率いるのは、アイルランド代表HC(ヘッドコーチ)も務めるアンディ・ファレルHC。

「コーチとして何よりも求めているのは、バランスを取ることであり、それを調和させることであり、そして基準を定めることだ」と、5月8日(木)、ロンドンで遠征に参加する38名(FW:21名、BK:17名)を発表した。

キャプテンのイトジェ(左)とファレルHC

キャプテンにはイングランド代表LO(ロック)マロ・イトジェが指名され、2001年のマーティン・ジョンソン以来、イングランド代表選手がスキッパーを務めることになった。

ファレルHCはイトジェをキャプテンに任命したことについて、「これは、マロと彼の家族、そしてサラセンズからイングランド、そして2017年と2021年のライオンズまで、彼のキャリアを支えてきたすべての人々にとって大きな名誉だ」。

「(ライオンズ遠征で)2回の経験があるので、マロはライオンズとは何か、そして今夏のテストシリーズでの優勝(テストマッチでの勝ち越し)という目標を達成するための役割を十分に理解している」と話した。

イトジェ自身も「ライオンズのキャプテンに任命されたことは素晴らしい気分だ。とても光栄で、身の引き締まる思いだ。これからのチャレンジが楽しみで素晴らしいツアーになるだろう。選手たちの意欲は非常に高く、誰もがライオンズであることに飢えている。僕も自身の役割を果たすことが待ちきれない」と語気を強めた。

38人の選手のうち、15人がアイルランド代表、13人がイングランド代表、8人がスコットランド代表、そして2人がウェールズ代表選手となった。

また、38選手中26選手がライオンズ初招集となり、2度目の選手は8名、キャプテンのイトジェ、スコットランド代表SO(スタンドオフ)フィン・ラッセル、アイルランド代表PR(プロップ)タイグ・ファーロングと、イングランド代表FB(フルバック)エリオット・デーリーの4名は、今回のスコッドでは最多の3度目の選出となった。

また、「どれだけ若いかは問題ではない。ヘンリーは自信に満ち、強気だ。私たちは彼にそのすべてを見せてほしいと思っている」とファレルHCが話すように、今年のシックスネーションズで、イングランド代表デビューを果たし、急成長している20歳のFL(フランカー)ヘンリー・ポロックが、スコッド最年少での選出となった。

なお、ポロックは遠征に帯同するマスコットのライオン「BIL」(ビル)の『お世話係』を務めることになるはずだ。ちなみに最年長はアイルランド代表CTB(センター)バンディー・アキの35歳となっている。

スコッドには75名の選手が候補に上がったが、ファレルHCの息子で元イングランド代表キャプテンのSO(スタンドオフ)オーウェン・ファレルは選出されなかった。

指揮官は今回選出されなかった選手にも言及しており、「オーウェンは、4度目のツアーを目指せるような経験豊富な選手で、リーダーシップもある。しかし、他の何人かの選手と同じように、彼はまだフィットネスを取り戻している最中だ」。

「今、選ばれたのは38人で、必要であればこの先も2、3人の枠が空くことになる。オーウェンも他の数人と同様、その枠に入るだろう」と、招集の可能性を否定しなかった。

ライオンズは、6月20日(金)にアイルランド・ダブリンで開催される、2021年の南アフリカ遠征前では日本代表と対戦した『1888カップ』で、アルゼンチン代表と対戦する。

オーストラリアに渡ってからは、『ウェスタン・フォース』『クイーンズランド・レッズ』『NSWワラターズ』『ACTブランビーズ』と、スーパーラグビー・パシフィックのチームと対戦。

また、オーストラリアとニュージーランド代表の選抜チームからなる『ANZACインビテーショナルXV』、オーストラリアの先住民とアイランダーからなる『ファースト・ネーションズ&パシフィカXV』と対戦するほか、ジョー・シュミットHC率いる『ワラビーズ』こと、オーストラリア代表との3試合を含め、計10試合が予定されている。

世界中のラグビーファンが注目しているライオンズの今年の目標は、今まで成し遂げていないワラビーズ相手に2勝を挙げて勝ち越すことだ。ファレルHCが「永遠に記憶に残る」ことを願って選抜したチームが、南半球の地で歴史を塗りかえることができるか。

【ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ】FW:21名/BK:17名

◎はライオンズ遠征3度目、○は遠征2度目の参加
(年齢/所属ユニオン/所属チーム/各ユニオンでのキャップ数/★印はライオンズでのキャップ数)

◆PR
○ザンダー・ファーガソン(29歳/スコットランド/グラスゴー・ウォーリアーズ/75)
◎タイグ・ファーロング(32歳/アイルランド/レンスター/79 ★6)
・エリス・ゲンジ(30歳/イングランド/ブリストル・ベアーズ/71)
・アンドリュー・ポーター(29歳/アイルランド/レンスター/75)
・ピエール・スクーマン(31歳/スコットランド/エディンバラ/42)
・ウィル・スチュアート(28歳/イングランド/バース/50)

◆HO
○ルーク・カーワン=ディッキー(32歳/イングランド/セール・シャークス/49 ★3)
・ロナン・ケラハー(27歳/アイルランド/レンスター/38)
・ダン・シーハン(26歳/アイルランド/レンスター/32)

◆LO
○タイグ・バーン(33歳/アイルランド/マンスター/61 ★2)
・オリー・チェッサム(24歳/イングランド/レスター・タイガース/28)
・スコット・カミングス(28歳/スコットランド/グラスゴー・ウォーリアーズ/42)
◎マロ・イトジェ(30歳/イングランド/サラセンズ/93 ★6)
・ジョー・マッカーシー(24歳/アイルランド/レンスター/19)
・ジェームズ・ライアン(28歳/アイルランド/レンスター/72)

◆FL/NO8
○ジャック・コナン(32歳/アイルランド/レンスター/51 ★3)
○トム・カリー(27歳/イングランド/セール・シャークス/61 ★3)
・ベン・アール(27歳/イングランド/サラセンズ/42)
・ジャック・モーガン(25歳/ウェールズ/オスプリーズ/23)
・ヘンリー・ポロック(20歳/イングランド/ノーサンプトン・セインツ/1)
・ジョシュ・ファン=デル=フライアー(32歳/アイルランド/レンスター/73)

◆SH
・ジャミソン・ギブソン=パーク(33歳/アイルランド/レンスター/43)
・アレックス・ミッチェル(28歳/イングランド/ノーサンプトン・セインツ/23)
・トモス・ウィリアムズ(30歳/ウェールズ/グロスター〈イングランド〉/65)

◆SO
◎フィン・ラッセル(32歳/スコットランド/バース〈イングランド〉/87 ★1)
・フィン・スミス(23歳/イングランド/ノーサンプトン・セインツ/11)
○マーカス・スミス(26歳/イングランド/ハーレクインズ/44)

◆CTB
○バンディー・アキ(35歳/アイルランド/コナート/65 ★1)
・ヒュー・ジョーンズ(31歳/スコットランド/グラスゴー・ウォーリアーズ/58)
・ギャリー・リングローズ(30歳/アイルランド/レンスター/67)
・シオネ・トゥイプロトゥ(28歳/スコットランド/グラスゴー・ウォーリアーズ/30)

◆WTB
・トミー・フリーマン(24歳/イングランド/ノーサンプトン・セインツ/21)
・マック・ハンセン(27歳/アイルランド/コナート28)
・ジェームズ・ロウ(32歳/アイルランド/レンスター/88)
○ドゥーハン・ファン=デル・メルヴァ(30歳スコットランド/エディンバラ/49 ★3)

◆FB
◎エリオット・デーリー(32歳/イングランド・サラセンズ/73 ★5)
・ヒューゴ・キーナン(29歳/アイルランド/レンスター/46)
・ブレア・キングホーン(28歳/スコットランド/トゥールーズ[フランス]/60)

◆ライオンズ試合日程

・6月20日(金)vs. アルゼンチン代表 @アビバ・スタジアム(アイルランド・ダブリン)

・6月28日(土)vs. ウェスタン・フォース @パース・スタジアム(パース)
・7月02日(水)vs. クイーンズランド・レッズ @ランパーク(ブリスベン)
・7月05日(土)vs. NSWワラターズ @シドニー・フットボール・スタジアム(シドニー)
・7月09日(水)vs. ACTブランビーズ @キャンベラ・スタジアム(キャンベラ)
・7月12日(土)vs. ANZACインビテーショナルXV @アデレード・オーバル(アデレード)

・7月19日(土)vs. オーストラリア代表 @ランパーク(ブリスベン)
・7月22日(火)vs. ファースト・ネーションズ&パシフィカXV @ドックランズ・スタジアム(メルボルン)
・7月26日(土)vs. オーストラリア代表 @メルボルン・クリケットグラウンド(メルボルン)
・8月02日(土)vs. オーストラリア代表 @スタジアム・オーストラリア(シドニー)

文:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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