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昨夜は、元日本代表スコッド、日本A代表のフランカー、キム・ヨンデさんと、大阪・北浜のラグビー部マーラーでトークライブだった。小学校時代の猛勉強。「東大に入って、弁護士になろうと思ってました」。中学ではラグビーに出会って転校するほどに惚れ込み、高校では厳しい指導を受け、そして、大学では自由奔放にプレー。「野生が目覚めました」。1年生の時にはプロ選手を目指したという。
その時って2000年あたりということは、トップリーグはまだないですよね?
「はい。そのときは、野球とかサッカーみたいにプロになれると思っていたんです(笑)」
それでもプロになるために身体を作り、大学を卒業するころにはトップリーグができていた。そして、プロ選手として近鉄へ(※主にラグビーをする契約社員)。そこからいったんオーストラリアに渡って、ホンダ、リコー、ドコモと渡り歩く。その決断の速さ、考え方の面白さが微笑ましくてお客さんも爆笑の連続だった。最後にドコモに行ったのは、地元(寝屋川)が同じでジムで一緒にトレーニングなどしていた平瀬健志選手がキャプテンをしていたからだという。「平瀬と一緒にやりたかったのです」。
今回のトークをするにあたって、ヨンデさんの過去の記事など調べたのだが、ラグビーマガジンの「解体心書」があって、その中のアンケート「好きな食べ物」欄に、「肉、肉、肉」とあった。
「好きなことで食べて行きたいと思って、僕にとってはラグビーと肉だったので」と。現役引退後、大阪・京橋に「ステーキ食堂BECO」を開いた。「いい肉を、美味しく焼いて、安く出したら、失敗しないだろうって思ったんです」。考え方はいたってシンプル。いろんな人に相談するうちに賛同する仲間が増えて、引退決意から半年もかからずに店をオープンさせた。その決断力、周到な準備に驚かされたが、プロラグビー選手のセカンドキャリアには考えさせられる面も。ラグビーに関わって生きようとすると、なかなか上手くいかずに苦しんでいる選手が多いという。
「最後に選手として契約を更新してもらえないと聞かされたとき、雇われているうちはどうにもならない。雇う側になろうと思ったんです。その場で、引退します、と言いました」。そして、このお店を成功させていってプロ選手の支援もできればと話す。逞しい。
それにしても、痩せたね? 「はい、現役時代から、16㎏痩せました。僕、お酒、めちゃくちゃ飲むんですけどね」。トレーニングで体重を増やしていたってことやね。

村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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