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コメント欄に試験的ルールについてのご質問がありました。トップレフリーの研修会などにも出席させてもらったので、改めて、ラックの5秒ルールについて書いてみます。質問が以下のようなものでした。
「ラックの5秒ルールですが、レフェリーがユーズ・イットの声をかけた後に、相手選手の手が伸びてきて出せないというケースが考えられると思います。この場合、どういうジャッジになるんでしょうか?」
ラックでレフリーが「ユーズ・イット」と声をかけるのは、明らかにボールを出せる状態になったときなので、ラックの終了という意味ではありません。ラックでは手を使えませんので、そのボールに相手チームが手をかけるなどの邪魔をすれば、ハンドやオフサイドの反則になるはずです。レフリーは、明らかにボールが利用できる状態でしか声をかけないので、そこからボールが出ないというのは、あまり起きない現象だと思います。もし、出さなければ、相手ボールのスクラムになります。相手ボールになったときのレフリーのジェスチャーもありません。レフリーは、ただ相手ボールのスクラムを命じるだけになります。
あえて言うなら、ユーズ・イットの声がかかった後に相手のプレーによってボールが出せなくなるのは、カウンターラックのときです。つまり、正当に押し込むことによって、ボールを乗り越えてターンオーバーする動きです。「ユーズ・イット」の声は、あくまでも、ボールを故意に停滞させたり、時間の空費を防ぐためのもので、声がかかったあとの正当なボールの奪い合いは、そのままプレー続行となります。
網走の夏合宿で行われていたトップリーグの練習試合を見る限り、5秒で出さずに相手ボールになった例はありませんでした。完全にボールが出せる状態になれば、普通はボールを出すからです。このルールが想定しているのは、ノーサイド間際に、リードしている側が故意に時間を使うときだと思いますので、このルールに関しては、ストレスなく観戦できると思います。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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