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金曜日夜は、ABCラジオ「スポーツにぴたっと。」のムキムキ!ノーサイド劇場に出演。パーソナリティーの武田和歌子さん、井之上チャルさん、有田修三さん、特別参加の清水次郎アナウンサーとともに、楽しくラグビー談議。有田さんは大のラグビー好きだが、阪神タイガースのヘッドコーチ就任で、以前にも増してオーラ出ていた。僕が勝手に感じているだけかな。来年は、タイガースも応援しなあきまへんな。ニュージーランドの知人からも、「見たよ」と連絡あり。USTREAM、恐るべし。

土曜日は朝から近鉄花園ラグビー場へ。11時からのデフラグビー(聴覚障害者ラグビー)国際親善試合第2戦を取材。聴覚障害と言っても、レベルはさまざま。ほぼ聞こえない人もいれば、補聴器をつければなんとか普通に生活できる人もいる。試合中は、選手同士が顔を見合わせながら、手話でコミュニケーションをとったり、身振り手振りで支持を出していた。レフリーの笛が聞こえない人もいるので、プレーが止まった時には気づいた選手がまだ動いている選手の背中を叩き、タッチジャッジも大きく旗を振って合図を送る。そうした特徴はあるが、あとは普通のラグビーと何も変わらない。
試合は、体も大きく、スピードある選手が揃うオーストラリア選抜に、日本代表も懸命のディフェンスで食い下がったが、前半の30分を過ぎてからは、次々にトライを奪われた。オーストラリアのデフラグビーは約100名の選手がいるそうだが、今回はそこから20名が選抜されて来日している。数名は、健聴者のクラブでプレーしている人もいるようで、レベルは高かった。

最終スコアは、47-0。第1戦は、22-3(於:名古屋)だった。写真は会見の様子。日本手話とオーストラリア手話の両方で質問が伝えられていた。日本選抜の倉津圭太キャプテンは、「FWが頑張ってくれたのに、BKが機能しなかった」と敗因を語ったが、全国から集まったみんなと事前合宿を重ね、一丸と戦えたことが嬉しかったらしく、清々しい表情だった。矢部均監督は、「オーストラリアは強かった。努力するきっかけになります。多くの人にデフラグビーの存在を知ってもらい、将来のデフラグビーを担う人材を育てていきたいと思います」と将来を見据えた。
オーストラリア選抜のポール・ヤング主将は、「名古屋の試合は気候にもなれず、疲れていましたが、今回はいい試合ができました」と嬉しそう。「日本のチームは素早かった。そしてグラウンドも良かった」と花園のふかふかの芝生にも大満足のようだった。後ろから走り込む選手に次々にパスがつながったことについて質問すると、「聞こえない我々は見るしかない。常に周囲を見て、情報を集めるのです」との答え。どこに誰がいるかを把握したうえでプレーし、走り込んでくるはずのスペースにパスを出す。周囲を常に見ることは健聴者のラグビー選手にとっても大切なこと。試合を見ながら、情報収集やコミュニケーションの大切さについて考えさせられた。いいもの見せてもらいました。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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