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ラグビー コラム 2025年4月28日

【ハイライト動画あり】両軍計11トライの激闘!「トヨタヴェルブリッツ×東京サントリーサンゴリアス」。ジャパンラグビーリーグワン2024-25ディビジョン1第16節

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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両軍合わせて11本のトライが生まれた激闘だった。

「両チームにとって非常にフィジカルな試合で、多くの選手が倒れている姿もありました」
トヨタヴェルブリッツ、スティーブ・ハンセンHC)

4月27日(日)、東大阪市花園ラグビー場で行われた第16節。先制トライを挙げたのは、6位の東京サントリーサンゴリアスだった。

序盤、10位トヨタヴェルブリッツはオフロードパスの連携ミスから落球。サンゴリアスがキックを蹴り返すと、相手が処理にもたつく間にターンオーバー。勢いそのままにFLサム・ケインが先制トライ(前半3分)を挙げた。

2度のターンオーバーから失点したヴェルブリッツだったが、すぐに反撃。

リーグ初出場・初先発で指揮官も「良いプレーにつなげていた」(ハンセンHC)と評したSH田村魁世が、テンポよくゲームを組み立てていく。

敵陣ゴール前に侵入すると、NO8姫野和樹主将のパスから左隅へ数的優位を作る。と、ここでサンゴリアスWTB尾崎晟也がデリバレイト・ノックフォワード。

パスが通っていればトライは確実だったと認定され、ヴェルブリッツにペナルティトライ(7点)。尾崎はイエローカードで10分間の一時退出となった。

数的有利となったヴェルブリッツだが、ラックでのペナルティなので自陣から脱出できず。

逆にサンゴリアスはゴール前ラインアウトから準備していたプレーを繰り出す。展開からSH流大が順目にパスアウトと見せかけ、CTBイザヤ・プニヴァイが逆目をピック&ゴー。14人の時間帯に逆転トライを奪ってみせた。(7-14)

ヴェルブリッツは前半29分、ハイパントからのカウンターラックを起点にトライ(ゴール)を挙げ、14-14の同点に追いつく。

しかし前半36分、サンゴリアスが魅せた。

HO堀越康介、PR森川由起乙、PR中野幹を先発フロントローに据えたサンゴリアスが、スクラムでペナルティを誘発。このペナルティから、2022-23シーズン以来の先発10番となった森谷圭介が、得意の右足で敵陣5m付近に迫るスーパータッチキックを決める。

ジャパンラグビー リーグワン2024-25 D1(4月27日)

【第16節 ハイライト動画】トヨタヴェルブリッツ vs. 東京サンゴリアス

そして、ここからドライビングモールで3本目のトライを奪取。スクラム→好タッチ→モールと効率よく得点したサンゴリアスが、5点リード(19-14)で前半を終えた。

後半、巻き返しを狙うヴェルブリッツは開始早々トライ寸前まで迫ったものの、直前ラックでのオブストラクションでノートライ判定。

逆に勢いを掴んだサンゴリアスは、後半急増したヴェルブリッツのペナルティを活かしてゴール前へ侵入。第7節以来の復帰となるタマティ・イオアネがトライを決め、リードを10点(24-14)に広げた。

「今日はプレーの強度がとても高く、インテンシティも素晴らしかった。ただ、ある時間帯ではエネルギーが有り余ってペナルティを犯してしまいました」
(ヴェルブリッツ NO8姫野主将)

消耗戦で両軍の体力が厳しくなるなか、後半10分以降、さらに試合が動く。

サンゴリアスはCTBプニヴァイが敵陣でスティール成功。ヴェルブリッツの守備が後手に回ると、ペナルティからのラインアウトモールでHO堀越主将が5本目のトライ。(31-14)

一方のヴェルブリッツはプレーの精度が落ち始め、ミスにミスを重ねてしまう。

後半14分には敵陣ラインアウトのボール確保ミスに続いて、自陣22mへのキックがダイレクトに。サンゴリアスに再びアタックチャンスを与え、そこからLOサム・ジェフリーズが6本目のトライを挙げた。

それでもヴェルブリッツは勝負を諦めない。

後半26分、CTBシオサイア・フィフィタがレッグドライブでゴール前に迫ると、直後にPR加藤竜聖がグラウンディングして1本を返す。

しかし直後、ヴェルブリッツを不運が襲う。リザーブ全員を使い切った後に先発FLウィリアム・トゥポウが負傷。14人での戦いを強いられたのだ。

それでもヴェルブリッツは後半35分に自陣ゴール前でサンゴリアスの得意とするモールを止めるなど、奮戦を続ける。

17点ビハインド(21-38)のままで粘ると、自陣スクラムから途中出場ブレア・ライアルがロングゲイン。ペナルティから敵陣ラインアウトを得ると、WTBヴィリアメ・ツイドラキが2人のディフェンダーを突破し、ファンを沸かせるトライ(ゴール)。(28-38)

これで点差は10点。サンゴリアスはトライ差4以上で得られるボーナス点を一時失った。

残り時間は約1分。ヴェルブリッツにも勝点を獲るチャンスはあったが、ここでヴェルブリッツはリスタートのキックオフボールをクリーンキャッチされる痛恨のプレー。ここからサンゴリアスはハイテンポな展開攻撃を繰り出す。

FB松島幸太朗、途中出場のPR細木康太郎らがキャリアーとなり左右にボールを動かすと、元ヴェルブリッツで途中出場の福田健太が、殊勲のトライ。ボーナスポイントを取り返すと共に、古巣ヴェルブリッツのプレーオフ進出の望みを断つ、会心の一撃となった。

最終スコアは45-28。サンゴリアスは7勝目(2分7敗)を挙げ、勝点36として7位横浜キヤノンイーグルスとの勝点差を「6」に広げた。

指揮官の小野晃征HCは「自分たちのラグビーを見せることができた」と満足感のこもったコメント。

チームは前半からエンジン全開で戦い、後半もハードワークを続けた。小野HCは「前半の圧力が後半にボディーブローのように効いて、勝利につながった」と勝因を語った。

これでサンゴリアスは4季連続のプレーオフ進出へ前進。次節は、勝点8差の8位リコーブラックラムズ東京を、5月3日に味の素スタジアムで迎え撃つ。

一方、ヴェルブリッツは3連敗で3勝1分12敗。ハンセンHCは「非常に良いゲームで、試合の大半で競い合うことができました」としながら、後半の戦い方についての課題感を口にした。

「後半10分から15分の間にチームは勢いを失いました。メンタルスイッチが切れてしまうことは今シーズンのチームの課題です」

そんなヴェルブリッツは次節、11位三重ホンダヒートとの入替戦回避をかけた大一番に臨む。

ハンセンHCは「敗戦が多いと連帯感を失ったり、方向性の不一致も起きがちですが、全員が同じ方向を向いていて信頼感があります」とチーム状況について語った。

大注目の一戦はビジターゲームだ。連帯を保ったまま三重・鈴鹿で強い三重ホンダヒートから今季4勝目を奪い、入替戦回避へ前進できるか。運命の分かれ道となりうるビッグマッチだ。

文:多羅 正崇

多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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