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ラグビー コラム 2025年4月28日

【ハイライト動画あり】スティーラーズ、9トライでプレーオフ進出決める。ダイナボアーズから、先手先手の快勝

ラグビーレポート by 田村一博
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上位6チームに与えられるプレーオフ進出の権利。それを手にするのに苦労したことが、嘘のように思えるアタック力だった。
コベルコ神戸スティーラーズが、リーグワン2024-25シーズンのクライマックスの中へ足を踏み入れられることになった。

4月26日(土)、東大阪市花園ラグビー場でおこなわれた三菱重工相模原ダイナボアーズ戦で9トライを挙げて、59-33と快勝。勝ち点を46(9勝7敗)とし、レギュラーシーズンを2試合残した時点で6位以内を確定させた。

20度を超える初夏の日差しの中でおこなわれた戦いは、スティーラーズが終始先手を取り続けた。
開始8分にWTBイノケ・ブルアが挙げた先制トライは、相手トライラインドロップアウトのキックをレシーブしたところから始まった。
一人ひとりが力強く前に出てディフェンスを後退させ、最後に背番号14が仕留めた。

今季第4節に対戦した時は、26-34とダイナボアーズに敗れている。3か月半前のその試合では、試合序盤に3トライを先行された。
この日は敗れた80分の教訓から、立ち上がりの時間帯を引き締めた。

12分にもWTBブルアが再びトライラインを越えた。
相手ラインアウトをターンオーバ―した後、テンポよく外にボールを運んで敵陣深くに入り、ブレイクダウン後も休まず前へ出て攻め切った。アウトサイドのランナーがインゴールにボールを置くだけでいい得点シーンが続いたのは、インサイドの選手たちが激しく前に出た証明でもある。

 

この試合のスティーラーズでボールキャリーが目立ったのは、SOブリン・ガットランド、FB松永貫汰や、NO8のアマナキ・サウマキ、ルーキーのWTB植田和磨。インサイド、アウトサイドとも前に出て、ダイナボアーズを揺さぶった。

1トライを返された後、前半20分に奪ったトライは教科書通りのアタックだった。
右ラインアウトから左へ攻めてセンタークラッシュ(ピッチ中央で作る意図的なブレイクダウン)。ディフェンダーの意識と動きを集めておいて右に振り戻した。

ジャパンラグビー リーグワン2024-25 D1(4月26日)

【第16節 ハイライト動画】コベルコ神戸スティーラーズ vs. 三菱重工相模原ダイナボアーズ

アタッカーたちの遂行力が高かった。攻撃ラインの深さ、パスのテンポとも理想的で、ダイナボアーズFW陣の防御を翻弄。最後は右のエッジに立っていたFLティエナン・コストリーがトライラインを越えた。
スローインからフィニッシュまで、計算通りの15秒だった。

前半34分にはラインアウトからのモールを押し切り、24-7としてハーフタイムに入ったスティーラーズは、後半の先手を取られて24-14と差を詰められる。
しかし、そこから3連続トライを奪って勝負を決めた。

スティーラーズが支配したその時間帯には、真紅のジャージーをサポートするファンたちが見たいシーンが詰まっていた。
後半11分のSH日和佐篤のトライは、相手キックのレシーブから強気で仕掛けた後にボールを動かし続け、防御を突破。37歳、ベテランの9番は、忠実にサポートしていた。

同15分のWTB植田のトライは、チームが昔から大事にしているイメージの共有があってこそ生まれた。美しいパスワークの結果、背番号15は最後、目の前に誰もいない状況でボールをもらった。
サウマキが20分に挙げたトライは、自陣インゴール前から脱出したい相手のキックを受けて、休まず攻め立てて奪った。最後はキックパス。防御を振り回し、ダイナボアーズの心を折るものだった。

45-14とした後のラスト20分に3トライを許す展開をデイブ・レニー ヘッドコーチ(以下、HC)は、「競っているときのコネクションを保てていなかった」と指摘した。
しかし、序盤の集中力とプレーの精度を評価。チームが正しい方向に進んでいることを確認した。

敗れたダイナボアーズも、5トライを奪って今季6勝を積み上げてきた力の一部を見せたが、グレン・ディレーニーHCは、スティーラーズのテンポについていけず、ミスも出たことを悔やんだ。
この日ゲームキャプテンを務めたNO8吉田杏が後半12分にイエローカードを受け、数的不利の時間帯に失点を重ねたことも悔やまれる。

残る2試合、高いフィットネスを下地に築き上げてきた一体感のある攻防を発揮したい。
チームを支えるファンは、いつだって熱い。

文: 田村 一博

田村一博

前ラグビーマガジン編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライターとして活動。

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