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ラグビー コラム 2025年2月23日

【ハイライト動画あり】難攻不落の『えどりく』。クボタスピアーズ船橋・東京ベイ、今季最多得点で不敗記録を更新

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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モールを押し込みトライを挙げるスピアーズFW陣

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25」のディビジョン1は、2月22日(土)23日(日)、リーグ戦の折り返しに差し掛かる第9節が行われた。

2月に入って異なるカンファレンスと戦う交流戦が行われており、22日、3位のクボタスピアーズ船橋・東京ベイは、ホストスタジアムの東京・スピアーズえどりくフィールドに、4位の静岡ブルーレヴズを迎えた。

ジャパンラグビー リーグワン2024-25

昨シーズン6位のスピアーズは、2025年に入って引き分けを挟んで5連勝中。『えどりく』での連勝記録を20に伸ばし、勝ち点28で3位につけていた。一方、開幕3連勝でスタートした昨季8位のブルーレヴズ。現在2連勝中で、6勝2敗の勝ち点26で4位につけていた。

存在感抜群だったスピアーズHOマークス

ホストのスピアーズは、前節からFW(フォワード)3名、BK(バックス)3名の計6名の先発を入れ替えた。HO(フッカー)は南アフリカ代表のマルコム・マークス、50キャップ目の日本代表の右PR(プロップ)オペティ・ヘルが先発。

SO(スタンドオフ)はバーナード・フォーリーが体調不良のため、急遽メンバー外だった押川敦治が10番を背負った。リザーブはFWに6人を入れ、出場すればリーグワンデビューとなるFL(フランカー)梁本旺義が名を連ねた。

ブルーレヴズはFW、BKそれぞれ1名の先発を変更した。右PRが伊藤平一郎に替わって郭ぶん慶(ぶんは王偏に文)が先発となり、BKはFB(フルバック)は山口楓斗に替わって、今季初先発の奥村翔が入った。

ブルーレヴズのSH北村

SH(スクラムハーフ)には新人ながら全試合に出場し、5トライを挙げているSH北村瞬太郎(立命館大学出身)がSOサム・グリーンとハーフ団を組んだ。

リーグワンになってからは、スピアーズが2勝1分1敗と1歩リードしているが、昨季は2度の対戦で、1戦目はブルーレヴズが23-19と逆転勝利。2戦目は31-31と引き分けだった。

ホストのスピアーズが昨季のリベンジを果たして、『えどりく』の不敗神話を伸ばすのか。それともブルーレヴズが、今季も勝利を挙げて順位を上げることができるか。快晴の中、3908人の観客が集い、試合は午後0:00にキックオフされた。

ジャパンラグビー リーグワン2024-25

【ハイライト動画】第9節 クボタスピアーズ船橋・東京ベイ vs. 静岡ブルーレヴズ

先手を取ったのはビジターのブルーレヴズだった。前半6分、ラインアウトから反則を得ると、CTB(センター)ヴィリアミ・タヒトゥアがクイックタップから飛び込んで右中間にトライ。SOグリーンのコンバージョンも決まり、7点を先制する。

トライを挙げたCTBプレトリアス

だが、「レレントレス」(relentless/容赦ない)をテーマに掲げたホストのスピアーズもすぐに反撃する。9分、相手の反則からゴール前のラインアウトのチャンスを得ると、CTBリカス・プレトリアスが個人技を見せて中央を突破しトライ。WTBヴァイレアのゴールですぐに7-7の同点に追いつく。

その後、ブルーレヴズは規律が乱れて10分にNO8(ナンバーエイト)マルジーン・イラウアがハイタックル、19分にFLヴェティ・トゥポウが、デリバレイトノックフォーワードの判定で、2人がイエローカードで一時退場となる。

2人の数的有利となったスピアーズは20分、ラインアウトからモールで前進し、HOマークスが左隅にトライを挙げて14-7と逆転。その後、ブルーレヴズも攻め込むが、スピアーズディフェンスの集中力が高くゴールラインを割らせなかった。

するとスピアーズは32分、相手陣でボールを奪い返し、右にパスをつないで、WTBヴァイレアが右隅にトライを挙げて19-7とリードを広げて前半を折り返した。

スピアーズNO8マキシ キャプテン

後半になっても『オレンジアーミー』の声援を背にしたスピアーズの勢いは変わらなかった。キックチェスから相手の反則を誘い、相手ゴール前のラインアウトのチャンスを得て、後半4分、FWが塊となって押し込み、NO8ファウルア・マキシが中央左にトライ。

さらに相手の武器であるスクラムで逆に反則を得て、9分にモールからのサインプレーで、PRヘルがブラインドサイドを突いてトライを挙げ、31-7と大きくリードした。

12分にはPRヘルがハイタックルでイエローカードとなるが、スピアーズは数的不利を感じさせず、FW、BK一体となってボールを動かし、17分、FBショーン・スティーブンソンが左隅にトライ。38-7と大きく突き放した。

ブルーレヴズも22分に、日本代表WTBマロ・ツイタマが自陣からランで迫り、最後はフォローしたSH北村のトライで38-14とした。

しかし、スピアーズの勢いは止まらず、33分に途中出場でリーグワンデビューを飾った梁本がモールからトライ。さらにペナルティトライに、WTBゲラード・ファンデンヒーファー、FBスティーブンソンがトライを挙げて、そのままノーサイド。

POMのLOヴァンジーランド

10トライを重ねたスピアーズが、今季最多得点となる62-14で大勝し、『えどりく』での連勝記録を21に伸ばした。POM(プレイヤー・オブ・ザ・マッチ)には、FWのハードワークの象徴としてLO(ロック)デーヴィッド・ヴァンジーランドが選ばれた。

3連勝とはならず、勝ち点も26から伸ばせなかったが、4位をキープしたブルーレヴズの藤井雄一郎監督は、「今日はイエローカードが3枚、それ以外でも反則が多く、14人で戦う時間が長くなった」。

「それが原因でストレスがたまり、オフェンスもそれが原因でなかなかうまくいかなかった。シーズンはまだまだ続くので、修正すべきところは修正していく」と前を向いた。

藤井監督(左)とスミス キャプテン

キャプテンのFLクワッガ・スミスは、「我々にとっては残念な試合になった。イエローカードはその要因になったし、自分たちのミスが原因で流れを持ってくることができなかった」。

「スピアーズはすごく良い戦いをしていたし、セットピースでも自分たちを上回っていた、そこがキーポイントになった」と相手を称えた。

ボーナスポイントを獲得、勝ち点5を加えて、総勝ち点33で2位の東芝ブレイブルーパス東京に1ポイント差と迫ったスピアーズのフラン・ルディケHC(ヘッドコーチ)は「モールとスクラムは激しいバトルになるので、大きなフォーカスだった」。

「両チームともフィジカルゲームや、セットピースゲームを強みとしているので、非常に重要な戦いに勝った。そこで勝てないと、相手にエネルギーを与え、エリアを奪われて、22mに入られてしまうが、私たちは止まらなかった。前回のブルーレヴズ戦との違いは、チャンスを今回はものにできたことだと思う」とFWの奮闘を称えた。

マキシ キャプテン(左)とルディケHC

キャプテンのNO8マキシは、「静岡という強い相手で、タフな試合だとわかっていたので、準備が大切だった。23人のメンバーだけでなく、全員の勝ちだと思うし、1日1日、積み上げてきたものが結果に出た。いつも通りオレンジアーミーの応援があって、自分たちの力になった」と笑顔を見せた。

今年に入って負け知らずのスピアーズは次節、3月1日(土)に鹿児島・白波スタジアムで、2位のブレイブルーパス東京にチャレンジする。ブルーレヴズは次節からホスト3連戦となり、3月2日(日)に静岡・ヤマハスタジアムに8位の三重ホンダヒートを迎える。

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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