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【ハイライト動画あり】華麗なる逆転劇!クボタスピアーズ船橋・東京ベイが6勝目。コベルコ神戸スティーラーズを下す。ジャパンラグビーリーグワン第8節交流戦
ラグビーレポート by 多羅 正崇立川理道(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)
「試合前に『一人ひとり個人のバトルで勝とう』というテーマがありました。前半はしっかり体現することが出来て、良いラグビーができたと思います」(コベルコ神戸スティーラーズ、CTB李承信共同キャプテン)
2月15日(土)の第8節交流戦で、ビジターとなった6位(3勝4敗)のコベルコ神戸スティーラーズは前半、3位(5勝1分1敗)のクボタスピアーズ船橋・東京ベイを圧倒した。
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3点を先制したスティーラーズ。前半3分、ヘッドコンタクトでNO8サウマキアマナキがシンビンとなってしまう。
が、この14人の10分間を無失点で終える。まずスクラムはナンバーエイトの経験があるWTBアタアタ・モエアキオラが穴を埋め、球出しに貢献。
前半10分に訪れた自陣ゴール前ラインアウトでは会心のモール・ディフェンスを見せてシャットダウン。スピアーズは序盤の数的優位を十分に活かせなかった。
「前半はミスが多く、ペナルティによってプレッシャーを受けました。逆にスティーラーズさんは完璧なスタートを切りました」(スピアーズ、フラン・ルディケHC)
スティーラーズは昨季躍進の立役者の一人、SOブリン・ガットランドが今季も絶好調。父ウォーレンは成績不振でウェールズ代表HCを辞任したが、息子はこの日も序盤にキック「50:22」を決め、チームを大きく前進させる。
すると、この敵陣ラインアウトからHO松岡賢太がスペースを突破してロングキャリー。勢いを活かしてLOジェラード・カウリートゥイオティの勝ち越しトライ(G)に繋げた。(3-10)
フィジカル自慢のスピアーズに対し、“個人のバトル”で真っ向勝負のスティーラーズ。さらに相手ラインアウトのミスから敵陣侵入。最後はWTBモエアキオラが直線的な豪快ランでグラウンディングを決めてみせた。
ここでリードを12点(3-15)に広げると、さらに前半38分だ。
23歳のWTB船曳涼太が、ワンステップで敵陣ラインブレイク。そのままトップスピードに乗って左隅へダイビング。船曳のリーグワン初トライでリードを17点(3-20)に広げた。
ジャパンラグビー リーグワン2024-25 D1(2月15日)
【第8節 ハイライト動画】クボタスピアーズ船橋・東京ベイ vs. コベルコ神戸スティーラーズ
ところが後半は展開が一変する。
安定したセットプレーからのサインプレーも決まった。
「『前半のことは忘れてゼロからしっかりスタートし、後半の入りに集中しよう』というメッセージを伝えました。それが上手くできたのかなと思います」(スピアーズ、NO8ファウルア・マキシ キャプテン)
まず後半最初のスクラム。ここからオープンに展開すると、CTB起用のハラトア・ヴァイレアから今季初先発のCTB立川理道へパス。
前主将のCTB立川からトップスピードで勝負できる絶妙パスをもらったWTBゲラード・ファンデンヒーファー。狙い通りに相手を外で振り切り、鮮やかなチーム1本目。
さらに直後の後半6分だ。
スピアーズはモールで前進すると、CTBヴァイレアが右隅の1対1で相手を撃破。フォローのSHブリン・ホールに繋げて連続トライ。一気に5点差(15-20)に詰め寄った。
「後半良かった点は、前半にできなかった『プレッシャーをかけて続けて点数に変える』ことが出来た点。それはお互いを信頼し、やるべきことをプロセスどおりにきっちりこなせたからです」(スピアーズ、ルディケHC)
ただスティーラーズは大きく崩れなかった。
スクラムでもフレッシュな相手フロントローにしっかり対抗。SOガットランドは2度目の「50:22」を決めるなど一進一退の攻防を繰り広げ、スコアは停滞した。
しかし後半25分、スピアーズは安定感のあるラインアウトからサインプレー。
FL末永健雄らのスティールから呼び込んだ敵陣ラインアウト。ここで、そのFL末永からフラットに走り込んだのはCTB立川。天理仕込みの接点勝負で最終ラインを突破し、本拠「えどりく」の歓喜を呼ぶ同点トライ。
先発復帰をみずから祝うと、さらにSOバーナード・フォーリーがコンバージョン成功。劣勢からカムバックし、ついに終盤に勝ち越してみせた。(22-20)
さらに後半32分にPG成功でリードを5点(25-20)とすると、同34分には大外でトライを狙った192センチの相手FLティエナン・コストリーに対し、CTB立川がタッチラインに押し出す猛タックル。
最後はスピアーズが優勢となったスクラムでペナルティを奪い、大勢が決着。5点のリードを守ったスピアーズが、17点をひっくり返す逆転劇で6勝目。「えどりく」での不敗神話は「20」に伸びた。
「ここ(スピアーズえどりくフィールド)は私たちのホームグラウンドであり、ファンのみなさんが作り出す雰囲気は最高です」とスピアーズの指揮官は言った。
「ただ最も重要なのは自分たちのプランを実行することで、前半はその精度が足りませんでしたが、そこから学びました」(スピアーズ、ルディケHC)
次戦はふたたび「えどりく」に今季躍進中の4位(6勝2敗)静岡ブルーレヴズを迎える。
5敗目を喫したスティーラーズのデイブ・レニーHCは「前半は本当に素晴らしいラグビーができました。ディフェンスも良かったですし、タックルも良かったです」とファースト・ハーフの出来を称えたが、後半に課題を残した。
「後半はボールを持っている時間が少なかったです。ペナルティカウントも17対7で苦戦しました。スピアーズさんは本当に素晴らしいチームなので、ペナルティやボールキープで優位に立たれると止めることが難しいです」
「(後半は)コンテストキックに関してもキッカーにもっとプレッシャーを掛ける必要がありました。そうすればキッカーに良い位置にボールを落とす時間を与えずに済んだはずです。スピアーズさんは一番キックを使ってくるチームだということは分かっていたので、対応力を上げなければいけません」
スティーラーズは5敗目を喫したものの、順位は変わらず6位のまま。トップ6圏外に弾かれたくない次節は、10位(1勝1分6敗)トヨタヴェルブリッツを東大阪市花園ラグビー場で迎え撃つ。
文:多羅 正崇
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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