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ラグビー コラム 2025年2月15日

将来のラグビー日本代表選手を育成する「JAPAN TALENT SQUADプログラム2025」、第2回合宿レポート

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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指導するエディ・ジョーンズHC

日本ラグビー協会は、将来の日本代表選手の育成を加速するためのプロジェクトである、「JAPAN TALENT SQUADプログラム2025」(JTS)の第2回合宿を、2月12日から14日の日程で実施した。

日本代表を率いるエディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)ら、日本代表のコーチ陣が参加し、13日(木)は強風の中、メディアに2時間ほど練習が公開されて、ジョーンズHC、選手たちがメディアに対応した。

強風の中での練習公開

2回目の合宿に参加したのはスコッド50名中(FW20名、BK12名)、下記の32名だった(BK3名は招集したが、試験や体調不良で不参加)。今後も合宿ごとにスコッド50名から35名前後を呼ぶという。

日本代表よろしく、朝6時から接点練習を行い、ウェイトトレーニング、ユニット練習、全体練習、夜にも座学を行った。今回の合宿を含めて国内7回の合宿を経て、4月にはU23日本代表を編成してオーストラリア遠征を行う予定だ。

先週の第1回合宿はジョーンズHCが不参加だったが、今回の合宿から参加した。手取り足取りジョーンズHCや、ニール・ハットリー コーチ、麻田一平コーチが指導した。

練習終了後、ジョーンズHCが報道陣に対応。あらためて今季のJTSプログラム開催の意図、目的などについて聞かれ、「JTSは恐らく日本代表が発足させた最も重要なプログラムの1つ」と話した。

そして、「現在の世界のラグビーを見ると、トップ4チームとそれ以外のチームとの差は広がっている。素晴らしい成績を残しているチームが若手選手の育成を推進して加速させているのは、決して偶然ではない」。

「高校日本代表は本当に強い。2年前はアイルランド代表に勝ったし、去年のイタリア代表戦は、最後の最後で敗戦したが、そのレベルでは互角に戦っている。しかし、その次の4年間は、選手たちにとってのエリート育成がない」。

「彼らは大学でラグビーをする。非常にいいコンペティションだが、エリート育成ではない。そこで私たちは、ジュニア日本代表チームの一員として、19歳から22歳までの若い選手たちに、オーストラリア、そして日本でも、ハイパフォーマンスなトレーニングとゲームを体験してもらうことを目指している」と説明した。

JTSの意義や目的について話すジョーンズHC

昨年は15名だったが、今年は大学3年生から高校生までの50名のスコッドを編成した。選考基準を聞くと、ジョーンズHCは「日本代表としてプレーできる可能性のある選手を選ぶようにしている。つまり、日本代表でプレーするには才能があり、ある程度のタフさがあり、適応力も必要。だから、そのような基準でメンバーを選んだ」と話した。

また、「私が彼らと過ごしたわずかこの2日間で、急速な改善が見らた。優秀な人材が不足しているわけではないし、問題は才能ではない。才能を安定したプレーに結びつける能力だ」。

「ここから日本代表でプレーできるだけの実力を持つ選手を、1人か2人輩出できれば、すぐにでも日本代表の選手層は厚くなる。通常、FW(フォワード)は成熟するのに時間がかかるが、BK(バックス)にはよりチャンスがある。良いSH(スクラムハーフ)が数人いるし、(ポテンシャルのある)10番の選手を何人か見た」と続けた。

昨年、U20日本代表活動に参加したPR(プロップ)山口匠(明治大2年)は「エディーさんの練習がタフだと聞いていたので、JTSに選ばれたときにちょっと覚悟した。噂以上だったのでビックリした」。

「正確さを求められるし、どれだけ貪欲にやっても、結果につながらなければやり直しさせられた。そういう部分は大学とナショナルレベルの違いだと思った。トップカテゴリーに入りたい気持ちもあるが、まずJTSでの集中を怠ったら崩れてしまうので、ここで集中して頑張って上にアピールしたい」と振り返った。

SO上ノ坊(左)とPR山口

日本代表関連の合宿に初めて参加したSO(スタンドオフ)上ノ坊駿介(天理大学3年)は、「初めから最後まで練習が入っているので、気を緩める隙間がないというか、常に緊張感持って練習に取り組んでいる」。

「エディーさんも常にアドバイスや、良いところを言ってくれるので、良い練習ができている。次のワールドカップに向けて、僕らが良いパフォーマンスをすれば絶対に見てくれているので、JTSの合宿でまずアピールしたい」と語気を強めた。

高校生で唯一参加のPR本山

高校生で唯一参加し、4月から静岡ブルーレヴズに入団するPR本山佳龍(長崎南山高校3年)は、「レベルの高い環境でやれて、日々成長できるのが良いところだと思う。エディーさんは自分のキャリー、スピードの部分について褒めてくれたり、アドバイスをしてくれた。フロントローでは体重はまだ軽い方なので、もっと身体を大きくしてスピードのある選手になりたい」と話した。

第1回・第2回の合宿で呼ばれなかった選手も、今後の合宿で呼ばれる可能性もあるという。4月にはオーストラリアで3試合行う予定だが、国内でも2試合ほどトップリーグのチームと戦うことも検討されている。選手たちはまずは国内合宿でアピールし、U23日本代表入りを目指す。

【ジャパン・タレント・スコッドプログラム日程】

・2月5日~2月8日:合宿・トレーニング
・2月12日~2月14日:合宿・トレーニング
・2月17~月18日:合宿・トレーニング
・2月26日~3月2日:合宿・トレーニング

・3月7日~3月8日:合宿・トレーニング
・3月17日~3月23日:合宿・トレーニング
・3月29日~4月1日:U23日本代表遠征事前合宿・トレーニング
・4月1日~4月16日:U23日本代表豪州遠征

【第2回合宿参加選手:32名】

◆PR1
・大塚壮二郎(関西学院大学2年)
・檜山蒼介(明治大学2年)
・弓部智希(近畿大学3年)

◆HO
・高比良恭介(明治大学1年)
・田中京也(立命館大学1年)
・西野帆平(明治大学3年)

◆PR3
・八田優太(京都産業大学2年)
・本山佳龍(長崎南山高校3年)
・山口 匠(明治大学2年)

◆LO
・石橋チューカ(京都産業大学2年)
・磯部俊太朗(筑波大学2年)
・栗原大地(東洋大学3年)
・能勢涼太郎(近畿大学3年)
・物部耀大朗(明治大学2年)

◆FL
・亀井秋穂(明治大学2年)
・太安善明(天理大学2年)
・利川桐生(明治大学3年)
・中森 翔(筑波大学1年)

◆NO8
・宮下晃毅(法政大学3年)
・森山海宇オスティン(東洋大学3年)

◆SH
・高木城治(京都産業大学2年)
・村田大和(京都産業大学2年)

◆SO
・伊藤龍之介(明治大学2年)
・上ノ坊駿介(天理大学3年)

◆CTB
・白井瑛人(明治大学1年)
・平 翔太(明治大学3年)
・李 智寿(朝鮮大学2年)

◆WTB
・海老澤琥珀(明治大学2年)
・田中健想(早稲田大学1年)
・武藤航生(関西学院大学3年)

◆FB
・竹之下仁吾(明治大学2年)
・増山 将(筑波大学2年)

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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