人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

ラグビー コラム 2025年1月20日

【ハイライト動画あり】10番ペレナラ躍動も、後半にスピアーズがギアを上げて今季『えどりく』初勝利。

ラグビーレポート by 田村一博
  • Line

TJ・ペレナラ(リコーブラックラムズ東京)

4484人の観客数とは思えない熱気が感じられる試合だった。
1月18日、スピアーズえどりくフィールドでおこなわれたクボタスピア―ズ船橋・東京ベイ×リコーブラックラムズ東京は、試合前から注目された選手たちが期待通りのプレーを見せ、両チームの実力は伯仲と、終始スタンドを沸かせた。

この試合、戦前から注目されたトピックのひとつが、ブラックラムズの10番のジャージーをTJ・ペレナラが着ることだった。
SHとして世界の舞台で戦ってきたTJは、オールブラックスの試合中にSOの位置でプレーしたことはあっても、その背番号でピッチに立つことはなかった。

そんな背景があるのに、ニュージーランド代表キャップを89も持つ人は、アスリートとして高い才能を持っていることを証明した。前半12分に挙げた先制トライは、相手ゴール前のラックから出たボールがCTB池田悠希、WTBロトアヘアアマナキ大洋と渡って前進した横に走り込む。オフロードパスを受けてインゴールに入った(ゴールキックも決まり7-0)。

この日のブラックラムズは、特に前半に見せたパフォーマンスが素晴らしかった。
風上のスピアーズに2つのPGを決められて7-6とされるも、前半29分にもペレナラが輝いた。左ラインアウトから攻め、振り戻しのアタックの時だった。ラックから出たボールを受けたCTB礒田凌平の外に周り込んだ背番号10がパスを受けて前に出る。防御を崩した後、外につないでWTBロトアヘアがインゴールに入った(12-6)。

ペレナラは、ほとんどの時間を淡々とプレーしながら、チャンスと見るや瞬間的な加速を見せた。
後半24分、ゲラード・ファンデンヒーファーに見舞った強烈なタックルも見てほしい。

この試合、ブラックラムズではスクラムで奮闘したフロントローの働きも目立った。
前半34分には1番の津村大志がタックルエリアに素早く頭を突っ込み、見事なボールスティールにも成功している。
池田、礒田のCTBコンビの息も合っていた。チームの持つ潜在能力の高さを毎試合発揮する。

ジャパンラグビー リーグワン2024-25 D1(1月18日)

【第5節 ハイライト動画】クボタスピアーズ船橋・東京ベイ vs. ブラックラムズ東京

それでも黒いジャージーは勝利に届かなかった。
12-6とリードした後、前半32分にキックパスからファンデンヒーファーにトライを許すも、39分にFB伊藤耕太郎がPGを決めて15-11としてハーフタイムを迎えた。
ブラックラムズの得点はその後、後半23分に伊藤が決めたPGだけとなった。

ファウルア・マキシ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)

スピアーズは後半11分、ベンチからいっきに6人を投入。ギアを上げた。
その成果はすぐに出た。
2分後、敵陣深い位置でのラインアウトからのモールで爆発的な押しを見せた。ブラックラムズFWの塊を引きちぎって前進し、NO8ファウルア・マキシ主将がトライ。逆転した(スピアーズ/16点、ブラックラムズ/15点)。

18分のCTBリカス・プレトリアスのトライは、高速展開で奪った。
ラインアウトからの攻撃は、防御裏へのショートパントからチャンスが広がる。左右に大きくボールを動かす中で、途中投入のSH藤原忍の素早い動きが光った。
SOバーナード・フォーリーのゴールキックも決まり得点は23点に。さらに、相手が3点を加点した後の27分にもPGを追加。ファイナルスコアはスピアーズ26点、ブラックラムズ18点だった。

 

試合後、スピアーズのフラン・ルディケ ヘッドコーチ(以下、HC)は、今季初めての本拠地『えどりく』での勝利を「ファンの前で自分たちのスタイルを見せることができた。選手、そしてリーダー陣を褒めたい」と喜んだ。

試合内容については、前半に見せたブラックラムズの高いパフォーマンスをリスペクトした。
「前半は接点で相手に負けていました。しかし後半、コンタクト面で修正した。それが結果につながりました」

ゲームキャプテンも務めたブラックラムズのペレナラは、「(今回も)いい入りができた。得点も重ねられました。エフォートしてきたことを出せた。しかし、ディシプリンの乱れから、相手に圧力をかけられるきっかけを作ってしまった」と試合を総括した。

ただペレナラは、「いいところもたくさんあった」と話し、仲間への誇りも示した。
敗れた側からも前向きな言葉が出る好ゲームだった。

文: 田村 一博

田村一博

前ラグビーマガジン編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライターとして活動。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

人気ランキング(オンデマンド番組)

J SPORTSで
ラグビーを応援しよう!

ラグビーの放送・配信ページへ