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三菱重工相模原ダイナボアーズ vs. 東京サンゴリアス
ディビジョン1昇格初年度の昨季、三菱重工相模原ダイナボアーズはどこよりも早い7月に始動して最上位カテゴリーで戦うための心身を整え、序盤の5試合で勝ち点15(3勝1敗1分け)を挙げるスタートダッシュを決めた。入替戦での残留を経て迎えた今シーズン。さらにたくましさを増したチームは、格段に高まった周囲のマークを受けながらも印象的な戦いぶりを見せ、ふたたびリーグに旋風を巻き起こそうとしている。
5節を終えた時点での順位は、2勝3敗勝ち点9の9位。開幕から花園近鉄ライナーズに30-29、リコーブラックラムズ東京に25-17と連勝し、トヨタヴェルブリッツ(40-54)、横浜キヤノンイーグルス(35-40)という実力者にも食い下がった。前節は埼玉パナソニックワイルドナイツに大敗(21-81)し、ディビジョン1で戦う厳しさをあらためて突きつけられたが、伸び盛りのチームにとってはそれもまた貴重な教訓だろう。
そのダイナボアーズが今節対峙するのは、トップリーグで5度の優勝を誇る国内屈指の強豪、東京サントリーサンゴリアスだ(1月20日14時キックオフ@相模原ギオンスタジアム)。2017-18シーズンを最後に遠ざかる覇権奪回に向け、今季は南アフリカ代表の切り札チェスリン・コルビ(WTB)、ニュージーランド代表のキャプテン、サム・ケイン(FL)という国際ラグビー界のビッグネームが加入。ここまで4勝1敗の勝ち点19を挙げ、3位につけている。
鮮烈だったのは開幕節のクボタスピアーズ船橋・東京ベイ戦だ。FBに入ったコルビの驚異的なパフォーマンスに引っ張られて各メンバーが存分に持ち味を発揮し、昨季チャンピオンから52-26の快勝を収めた。続く東芝ブレイブルーパス東京との“府中ダービー”は19-26で競り負けたものの、三重ホンダヒートとのビジターゲームには危なげなく勝利し、コベルコ神戸スティーラーズ、静岡ブルーレヴズと今季好調の難敵との熱戦も制して3連勝。相手の渾身のチャレンジを受けながらも最後は勝ち切るところに、チームとしての確かな底力を感じさせる。
キックオフ48時間前に発表された両チームの登録メンバーを見ていこう。ホストのダイナボアーズの前節ワイルドナイツ戦からの先発変更は5人。左PRに蜂谷元紹、右FLに今季初登場の佐藤弘樹が入り、ニュージーランド代表5キャップのジャクソン・ヘモポがNO8に復帰した。前節8番をつけたエピネリ・ウルイヴァイティは5番に上がる。
BKでは両CTBがカーティス・ロナと岩下丈一郎のコンビにチェンジ。岩下もこれが今季初出場だ。これに伴い、アライアサ空ローランドがFBから右WTBに、マット・ヴァエガがアウトサイドCTBからFBにシフトする。
対するサンゴリアスは、前週のブルーレヴズ戦からスターター6人を入れ替えた。両PRが小林賢太と細木康太郎の2年目2人に替わり、203センチのトレヴァ・ホゼアが4番にイン。206センチのハリー・ホッキングスと形成するツインタワーは、相手の脅威になりそうだ。
BKではSH齋藤直人が3節ヒート戦以来の先発。またケガからの復帰戦となる12番の中野将伍が、久々の公式戦でどんなパフォーマンスを見せるかも楽しみだ。バックスリーは右WTBに尾崎晟也が戻り、コルビが前節の14番から11番に移る。
なおディビジョン1は今節から別カンファレンスのチームと対戦する交流戦に入る。ホスト&ビジターの2回戦で行われる同一カンファレンス内のゲームと異なり、シーズン一度きりの勝負だからこそ生まれる独特の緊張感は、交流戦ならではの醍醐味だ。それぞれがどんな準備でこの一戦に臨んでくるかが注目される。
また今節が終わると、クロスボーダーマッチに出場する4チーム(スピアーズ、ワイルドナイツ、イーグルス、サンゴリアス/2月3、4、10日に開催)以外は、ゲーム間隔が4週開くことになる。この試合に存分に力を注ぎ込める状況であり、いい流れでブレイクに入るためにしっかりと結果を残しておきたいという思いもあるだろう。気持ちのこもった熱戦を期待したい。
直江 光信
スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。
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