人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

ラグビー コラム 2023年10月27日

バトル・オブ・ザ・ジャイアント 4度目の頂点に立つのはどっちだ? 上り調子のNZに対し、南アはFW15名、BK8名編成で挑む

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
  • Line

スクラム、ラインアウトのセットプレー、フィジカルバトルで優位に立ち、デクラーク、ポラードのキックで前進、激しく圧力をかけるディフェンスでボールを再獲得し、WTBチェスリン・コルビ、カートリー・アレンゼを走らせる。そんなシーンが目に浮かぶ。専門職のSHに負傷者が出た場合は、コルビがカバーする可能性が高いが、BK陣は複数のポジションをこなせる選手が多く、FWの控えのクワッガ・スミスはBKでもプレーできる。

SAの戦い方は明確。対するNZはフィジカルバトルでも負けていないが、SAの激しいコンタクトをできるだけ避けたい。SOリッチー・モウンガ、CTBジョーディー・バレット、FBボーデン・バレットのキックを上手く使って地域を進め、できるかぎりSA陣で戦おうとするだろう。キックの精度は勝つために重要だ。

単純に言えば、パワーとスピードの対決だが、焦点の一つはスクラム。SAは準決勝でイングランドのスクラムの成功率を60%に抑えることで勝利した。決勝点もスクラムで圧力をかけることで得た反則からのPGだった。NZは決勝トーナメントに入ってから、スクラムの成功率は100%と安定している。ここで優位に立てば南アフリカに勝機が出てくる。逆にNZはスクラムで対等以上に戦い、南アフリカから反則を誘うことができれば試合運びも優位になる。大一番では、お互いに意図通りにできないプレーも多くなるだろう。そこで我慢しつつ、勝利への鍵を探す戦いになる。

個々の選手に光を当てると、NZが優勝した場合、サム・ホワイトロックは2011年、2015年大会に続いて、3度の優勝を経験する史上初の選手になる。NZのWTBウィル・ジョーダンは、ここまで8トライをあげてRWCの個人トライ記録に並んでいる。ジョナ・ロムー(NZ)、ブライアン・ハバナ(南ア)、ジュリアン・サヴェア(NZ)が保持する記録だ。あと1トライで史上最多となり、同時にトライ王にも輝く。NZのもう一人のWTBマーク・テレアと、控えのPRタマティ・ウィリアムズは、ワールドラグビーアワードの年間最優秀新人賞にノミネートされている。決勝で活躍すれば受賞する可能性が出てくる。

このほかワールドラグビーアワードでは、年間最優秀コーチに、NZのイアン・フォスター、SAのジャック・ニーナバー、年間最優秀選手賞に、NZのアーディ・サヴェア、SAのエベン・エツベスがノミネートされている。他チームの候補者もいるので、決勝を戦うチーム以外からの選出もあり得るが、個人賞争いも注目点のひとつだ。さまざまな角度から楽しめる決勝戦である。緊迫感ある時間が続くことは間違いない。主導権を握ろうとせめぎ合う最初の20分は息をのむ展開になるだろう。キックオフが待ち遠しい。

文:村上 晃一
村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

人気ランキング(オンデマンド番組)

J SPORTSで
ラグビーを応援しよう!

ラグビーの放送・配信ページへ