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前半、試合の主導権を握ったのは早大。スクラムから流れを作り、BK(バックス)陣のスピード感ある展開で、相手を翻弄(ほんろう)する。1本1本確実にトライを重ね、17-0で試合を折り返した。
後半に入ると、日大に3度もラインアウトからのモールトライを許し、連続失点してしまう。それでも、80分間強いスクラムを組み続け、戦い続けた早大。31-17で今シーズン公式戦初勝利を手にした。
早大が流れを引き寄せる鍵となったのはスクラムだった。試合開始直後、日大ボールで迎えたファーストスクラムで相手のミスを誘い、マイボールに。ここでFW(フォワード)陣は勢いづく。
すると前半8分、WTB(ウィング)槇瑛人(スポ3=東京・国学院久我山)が相手をかわし、大きくゲインしてアドバンテージを得る。ゴール前の混戦の中、最後はLO(ロック)鏡鈴之介(法3=東京・早大学院)が押し込みトライ。
さらに、前半16分にはCTB岡崎颯馬(スポ2=長崎北陽台)から槇へとつなぎ、ラストパスを受けたPR(プロップ)小林賢太副将(スポ4=東福岡)がインゴールを駆け抜ける。
ラインアウトでオーバースローや反則などが目立ったものの、スクラムでは押し負けることなく相手に得点を許さない。前半終了間際にはペナルティを得た早大がPG(ペナルティゴール)を選択し、SO(スタンドオフ)吉村紘(スポ3=東福岡)が冷静に決め、17-0で前半を終えた。
後半は日大に攻め込まれる時間が続く。早大はゴール前までボールを持ち込むが、トライに結びつけることができない。また、相手のフィジカルが強くコンタクトで当たり負ける場面も見られた。
後半12分、槇のトライ
「接点とコンタクトの部分がやはり強くて」とPR木村陽季(社4=東京・早実)は話す。後半9分には日大のラインアウトからモールトライを献上し、失点。槇のトライで点を返すものの、再三組まれたモールを止めきれず、連続で得点を許してしまう。
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それでも、スクラムでは相手を圧倒した早大。そこで得たアドバンテージを生かしながら、後半27分にはHO(フッカー)川崎太雅(スポ2=東福岡)がモールトライを決める。そこから試合終了までは敵陣に攻め込み続け、ここでノーサイド。31-17で白星を勝ち取った。
今試合での収穫は初勝利という結果だけではない。FWのスクラムから流れをつくり、BKのスピードのある展開ラグビーでトライを取ることができた。
「本年度、スクラムにとても力を入れているという意味では、スクラムの結果が出た」という小林副将の言葉通り、これまでの練習の結果を再現できたという内容の部分も収穫だ。
課題にはラインアウトとゴール前の正確性が挙げられるが、ラインアウトの成功率は上がり、前回も好調だったスクラムはさらに磨きがかかっていたのもまた事実。早大ラグビー部は確実に成長している。
春季大会も残すところあと1試合となった。次の流通経済大学戦でも、また1つ成長した姿を見せてくれるに違いない。どのようなラグビーを見せてくれるのか。次戦も目が離せない。
文:内海日和/写真:早稲田大学ラグビー蹴球部提供
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