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ラグビー コラム 2021年6月7日

【日本ラグビーを支えるスペシャリスト】元はニュージーランドの警察官 異色の経歴もつラグビー日本代表・吉水通訳

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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──どうすれば警察官になれるのですか。
「永住権を持っていれば申請はできます。ポリスカレッジ(警察学校)に入学するためにさまざまなテストがあります。1年に2回しかタームがなく、限られた人数しか入学できないので、それに入るためのテストが何十コマもあるのですが、そういうステップを踏んで、入学できました。日常の英会話は問題がなかったのですが、専門用語など毎日勉強しましたね。警察学校の寮に入って5カ月学び、卒業して晴れて警察官になったというわけです」

──2011年のクライストチャーチ大地震の後は、警察官として現地に入られたそうですね。
「地震で崩壊した建物のなかに語学学校がたくさん入っているビルがあり、日本人も亡くなりました。僕はオークランドに住んでいたのですが、日本人警察官が一人しかいなかったので、翌日、すぐにクライストチャーチに向かいました。約1か月、日本の大使館、日本政府の間に入って情報を共有し、遺族が日本からいらっしゃったので、毎日行われる説明会の通訳をしながら、警察からのメッセージも伝えるという毎日でした」

──なぜサントリーサンゴリアスの通訳に転身することになるのですか。
「たまたまなのですが、NZで情報サイトを運営する知人がいて、日本のサントリーから通訳の求人があるんだけど誰か知りませんか?と、掲示板に載せる前に僕に相談があったんです。そこに僕が興味を持ってしまって、応募しちゃいました」

──警察は退職したのですか。
「2年間の休職制度があるので、最初は籍を警察に残したまま日本に来ました。ラグビーは幼い頃から携わっていたし、毎日が楽しくて、やりがいがあるし、自分を成長させてくれると思ったので、このまま続けて行こうと判断しました」

吉水奈翁さん

──警察官としての経験が通訳の仕事に生きた部分はありますか。
「通訳は人と人の間に入ってコミュニケーションを円滑にする役目です。警察官として被害者と加害者、あるいは被害者同士の間に入ることもあります。人と人をつなぐという意味では似ています。意外にすんなりとトランスファー(移行)できました。日本人警察官として日本人被害者の裁判資料を作るときは、被害者の気持ちを汲み取って伝えることが大切でした。警察官は生と死に向き合うこともあり、刑務所に行くか行かないという究極のところに立ち会います。言葉を選んで訳さなければならない。ただ訳すのではなく、熱量や気持ちを感じて訳すことは警察官の時に培ったものだと思います」

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