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ラグビー コラム 2020年12月17日

慶應義塾大学vs.早稲田大学、対抗戦のライバルが再び激突!ラグビー全国大学選手権準々決勝

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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12月19日(土)、ラグビー大学選手権準々決勝が、東西で2試合ずつ計4試合が行われる。東京・秩父宮ラグビー場では11:35より、慶應義塾大学(関東大学対抗戦3位)と、連覇を狙う早稲田大学(同2位)の対抗戦の伝統校同士が対戦する。

対抗戦の「早慶戦」は97回の歴史を持ち、今年の対戦では早稲田大学のSO(スタンドオフ)吉村紘(2年)がハイパントキックを多用し、ペースをつかみ22-11で、早稲田大学が勝利している。

また、大学選手権で「早慶戦」が行われたのは過去11回で、早稲田大学が8勝2敗1分とリードしている。2年前もちょうど同じ、準々決勝の舞台で両者が激突し、早稲田大学がロスタイムに逆転、20-19で勝利した。

最終戦で帝京大学に勝って対抗戦3位の慶應義塾大学

対抗戦で3位となり、大学選手権は3回戦からの出場となった慶應義塾大学。先週は大阪で、京都産業大学(関西大学リーグ3位)と対戦。ディフェンス力、FWの決定力に勝り、47-14で勝って準々決勝へ駒を進めた。

まず、その慶應義塾大学のメンバーから見ていこう。快勝した京都産業大学戦から先発メンバーは変更なし。リザーブも1名のみの変更で、23番をWTB(ウィング)/FB(フルバック)小野田尚紀(4年)から、CTB(センター)鎌形正汰(4年)に替えただけだった。

FW(フォワード)はキャプテンLO(ロック)相部開哉(4年)を筆頭に、ジャッカルにトライにチームの中心の1人、FL(フランカー)山本凱(3年)、さらに対抗戦のトライ王であるHO(フッカー)原田衛(3年)、タックラーのLO北村裕輝(4年)、FL今野勇久(2年)とお馴染みの顔ぶれだ。

NO8(ナンバーエイト)には突破力のあるルーキーの福澤慎太郎(本郷出身)が入り、両PR(プロップ)はスクラムに定評のある竹内寛、大山祥平という4年生が務める。

BK(バックス)を見るとハーフ団は捌きに長けたSH(スクラムハーフ)上村龍舞(4年)、成長著しいSO(スタンドオフ)中楠一期(2年)がゲームをコントロール。CTB(センター)陣も能力の高いイサコ・エノサ(2年)タックルの要の三木亮弥(4年)がコンビを組む。

対抗戦開幕からスタメン起用された慶應のルーキー山田

バックスリーも、WTB(ウィング)にはスピードのある佐々木隼(2年)、沖洸成(4年)、そしてルーキーながらキッカーも務めるFB(フルバック)山田響(報徳学園出身)が入った。

慶應義塾大学としては伝統のディフェンスで粘り、ロースコアの試合展開に持っていきたい。対抗戦で対戦した時より、相手陣22m内に入ってからのFWのモールや近場の決定力が上がっているだけに、SO中楠の右足とFB山田の左足で、なるべく敵陣でのプレータイムを増やしたいところだ。

シーズン前、「この数年は正月を越えることができていないので、正月は越えたい。また、早稲田大学には入学してから勝つことができていないので勝ちたい」とLO相部主将は話していた。4年生を中心にチーム一丸となって、ライバルに勝利してベスト4進出なるか。

連覇を目指す早稲田大学

一方の早稲田大学は対抗戦の最終戦で、明治大学に14-34で敗れたものの対抗戦2位で大学選手権に進んだ。そのため3回戦がシードとなり、この準々決勝が大学選手権の初戦となる。

早稲田大学の先発メンバーを見ると、明治大学戦から控えだったFW1人、BK1人の計2人が先発になったのみで、残り13人のメンバーは同じとなった。

BKを見ると、12番のCTB中西亮太朗(3年)に替わり、ルーキーのCTB伊藤大祐(桐蔭学園出身)が今季初先発。スキルとフィジカルに長けた伊藤を大一番で起用してきた。

初先発となる早稲田のルーキー伊藤大祐

ハーフ団は好調のSH小西泰聖、SO吉村紘の2年生コンビ、アウトサイドCTBは攻守にわたり存在感を示す長田智希(3年)、WTBは4年の古賀由教に、今季、一番成長したとコーチも選手も声を揃える槇瑛人(2年)、そして決定力に長けたFB河瀬諒介(3年)が先発する。

FWはLOを大崎哲徳(3年)に替えて、桑田陽介(3年)を先発に回したのみで、他は同じメンバー。キャプテンNO8丸尾崇真(4年)、FL相良昌彦(2年)、ルーキー村田陣悟(京都成章)のバックロー3人が接点で働く。

FW第1列は不動のメンバーでPR久保優(4年)、小林賢太(3年)、HO宮武海人(3年)となった。控えの選手も加えて、スクラムを安定させたい。

早稲田大学としては対抗戦同様に、相手の得意なディフェンスの時間を減らすよう、キックも上手く使いながら敵陣に入り、BKの決定力で取り切りたい。

NO8丸尾主将は「(明治大学戦の)敗戦をを糧として、1日1日、積み重ねて、大学選手権の優勝目指して頑張りたい」と話していた。連覇に向けて、そして昨年度と同じストーリーを描くためにも負けられない相手だ。

ベスト4に進出するのは臙脂か、黒黄か。

文/写真:斉藤健仁

ラグビー 関東大学対抗戦2020

【ハイライト】慶應義塾大学 vs. 早稲田大学

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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