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ラグビー コラム 2020年12月12日

2年ぶり出場の慶應義塾大学、花園で京都産業大学と対戦。ラグビー全国大学選手権3回戦

ラグビーレポート by 慶應スポーツ新聞会
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黒黄が2年ぶりに選手権の舞台に帰ってくる。慶應義塾大学は関東大学対抗戦を5勝2敗の3位で締め括り、37回目の全国大学ラグビー選手権大会出場を決めた。

大学選手権初戦の相手は、一昨年の大学選手権でも競り合った京都産業大学。ここでは対抗戦での慶大の戦いぶりを振り返りつつ、週末に花園で行われる京産大との一戦のみどころを紹介したい。

「挑戦者」として挑んだ今季も、決して順風満帆な滑り出しではなかった。今年度初の公式戦となった筑波大学との開幕ゲームでは、ミスを連発し敗戦。まさかの黒星発進に周囲からは不安の声も広がった。

それでも選手たちはすぐに前を向く。プレーにおける規律を正し結束力を高めると、2戦目から破竹の4連勝で一気に選手権の切符を手繰り寄せた。

特に昨年の対抗戦王者・明治大学との一戦は、終盤までもつれる展開となったが、最後は1年生FB(フルバック)山田響(総1・報徳学園)がPG(ペナルティゴール)を決め、辛くも勝利。

対抗戦最終戦を笑顔で終えた

早慶戦に敗れ、対抗戦優勝の夢こそ潰えたが、帝京大学との最終戦ではラストプレーでフェーズを重ね、逆転トライでシーソーゲームに終止符を打った。

ここまで大差をつけた戦いも多く、その得点力の高さには目を見張るものがあるが、失点数の少なさについても触れておきたい。対抗戦7試合を戦って、1試合あたりの平均失点数は13.7。並いる強豪を相手に、粘り強くゴールを守り抜いた姿勢がこの数字に表れている。

いよいよ今週末、花園で相見える慶大と京産大。この2校の共通点は何と言っても強力なFW(フォワード)陣にあるだろう。京産大はスクラムやモールを中心に試合を支配するプレースタイルを得意とするが、これは慶大も同様。

主将の相部開哉(政4・慶應)を筆頭に山本凱(経3・慶應)や原田衛(総3・桐蔭学園)など多くのタレントがその名を連ね、精度の高いセットプレーを披露し続けている。

トライを奪うHO原田

今回の京産大戦では、攻守のキーマンとして原田を注目選手に挙げたい。HO(フッカー)として攻撃の起点になることも多いが、対抗戦で挙げたトライ数は堂々の11でリーグトップ。

ラグビー 関東大学対抗戦2020

【ハイライト】慶應義塾大学 vs. 帝京大学

今季の慶大は敵陣でのラインアウトからモールを形成し、ゴールまでボールを押し込むという形でトライを量産しており、彼のフィニッシャーとしての働きにも期待がかかる。両校の伝統であるFW勝負を制することができれば、自ずと準々決勝進出への道は開かれよう。

慶大躍進の原動力にもなった1年生選手たちの活躍からも目が離せない。山田響は既にFBのポジションを不動のものとしており、これまでも数々の好機を演出してきた。

ここ数試合はコンバージョンキックの成功率が低下しているが、慶大の命運は彼の左足にかかっているといっても過言ではない。高校時代にその名を轟かせた花園の地で再び大輪の花を咲かせたいところだ。

花園出場経験ということで言えば、NO8(ナンバーエイト)福澤慎太郎(環1・本郷)や全国制覇の立役者となったPR(プロップ)岡広将(総1・桐蔭学園)らの名前も挙がる。

その他にも今季公式戦デビューを飾った選手は数多く、新戦力の台頭、ポジション争い激化の要因となった。大舞台で彼らが黒黄ジャージに袖を通す可能性は、極めて高い。

開幕前、指揮官は「日本一を目標に掲げるのは、日本一を目指せる(選手権に出場できる)ようになってから」と、あくまで挑戦者としての姿勢を強調した。

目の前の一戦一戦に全力を捧げて掴んだ選手権出場という結果は、もちろんゴールではない。栗原組初となる全国の舞台で、若虎たちの真の挑戦がついに始まる。

文:栗栖翔竜/写真:松嶋菜々美(慶應スポーツ新聞会)

慶應スポーツ新聞会

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慶應義塾大学文化団体連盟所属の公認サークル。通称ケイスポ。全40ある体育会の取材から記事の執筆、年7回の新聞製作まで全て学生の手で行う塾内唯一のスポーツ新聞サークル。部員数約50名、35年の歴史を持つ。»慶應スポーツWebサイト

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