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ラグビー コラム 2020年9月10日

【楕円球のある光景】「Rugby is Back」1992年国立競技場

楕円球のある光景 by 井田 新輔
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写真:井田新輔

あなたが国立競技場で観た一番心に残るゲームはいつの試合ですか?

新日鉄釜石が前人未到の7連覇を果たし、名手松尾雄治の引退に花を添えた1984年度日本選手権。

日本各地を転戦し、その圧倒的な強さと存在感で多くのファンに強烈な印象を残した1987年オールブラックス来日ツアー。

試合終了間際に早稲田の同点劇を演じた今泉清、そして再戦となった大学選手権決勝で明治の勝利を導くトライを決め雪辱を果たした吉田義人ら90年代の日本ラグビーをリードする顔触れが名を連ねた1990年度早明戦と全国大学選手権大会決勝。

あまたの名勝負の舞台となった国立競技場、だが時の流れと共にかつて満員だったスタンドに空席が目立つようになり、そして多くのファンに惜しまれつつ改築のため2014年5月25日のテストマッチ・日本対香港戦を最後に国立競技場でのラグビーの開催はひとたびピリオドが打たれた。

「国立での試合ってなんか古代の剣闘士になったみたいな気がするんですよね」 早明戦の入場券がプラチナチケットと呼ばれていた頃、ある強豪大学の選手のインタビューで彼が漏らしたこの一言が印象に残った。

満員のスタンドから観戦していた時、歓声は空に向かって湧き上がるような感じだった。

だが撮影のため国立のピッチレベルに立つと、古代のコロシアムのような満員のスタンドが城壁のように自分を取り囲み、大歓声がスタジアムの底にいる自分に向かって降りかかってきて圧倒されそうになった。 その時彼のあの時の一言が脳裏に浮かんだ。

と同時に5万人以上の大観衆の視線と声援を受けて戦う彼らに対して改めてリスペクトの念が湧いた。

駅から新国立競技場に向かう道筋はすでに長蛇の列となっていて、周辺の人垣を縫って足早にゲートに向かった。

2020年1月11日、全国大学選手権決勝戦は前年に落成した新国立競技場が舞台となった。

決勝に進出したのは早稲田大学と明治大学。ともに国立でしのぎを削ってきた好敵手同士で選手権決勝では1996年以来の対戦で、新国立で初めて開催されるにふさわしいカードだ。

14時30分、久保修平レフリーのホイッスルで試合は始まった。

57、345人の大観衆が埋めたスタンドから、双方の好プレーの度に両校のファンから大歓声と応援の小旗が打ち振られる。

かつて秩父宮でそして国立で見慣れた光景。

試合は前半に4トライを挙げ主導権を握った早稲田が後半の明治の追撃を振り切って11年ぶり16度目の大学王座に輝いた。

国内12会場で開催され空前ともいわれる盛り上がりを見せたラグビーワールドカップ2019年日本大会、その熱気と余韻を残しながらここ新国立競技場でもラグビーの新しい時代の扉が確かに開かれた。

国立の歓声と興奮、再び。

文/写真:井田 新輔

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井田 新輔

フォトグラファー。1961年東京生まれ。明治大学政経学部卒。 4年間の会社員生活を経て1989年よりスポーツフォトグラファーとして活動を開始し、現在はラグビー、プロ・アマ野球を中心に撮影を行っている。 ラグビーワールドカップは1999年ウエールズ大会より6大会連続でフルカバー。日本スポーツプレス協会(AJPS)、国際スポーツプレス協会(AIPS)会員。

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