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ラグビー コラム 2020年7月31日

2位の古豪ブルーズが重大局面。優勝へ絶対に負けられないハイランダーズ戦。SRアオテアロア第8節

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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17年ぶりの栄冠をめざすブルーズが、絶対に落とせない一戦に臨む。


コロナ禍を乗り越えて開幕したニュージーランド(NZ)版スーパーラグビー「アオテアロア」は第8節。


8月2日(日)は、4勝2敗の2位ブルーズが、2勝3敗の4位ハイランダーズの本拠地(フォーサイスバー・スタジアム)に乗り込む。


優勝争いは3節を残し、4勝2敗で3チーム(クルセイダーズ、ブルーズ、ハリケーンズ)がひしめく混戦となっている。

優勝すれば2003年以来17年ぶりのタイトルになる2位ブルーズ(勝ち点17)は、勝ち点2差で首位クルセイダーズ(勝ち点19)を追いかけている。

プレーオフがないため、ブルーズの残り試合は、今週のハイランダーズ戦と、BYE(休養週)を挟んで迎える最終節クルセイダーズ戦のみ。逆転優勝へひとつも落とせない状況が続く。

ブルーズ2年目のレオン・マクドナルドHC(ヘッドコーチ)は、地元紙に意気込みをこう語っている。

「今週はハイランダーズ戦へ向けて、いつものようにハードワークし、正確性とブレイクダウンの規律に焦点を当てました」

「私たちは(本拠地の)オークランドに優勝トロフィーを持ち帰りたいと思っています。そのためにはベストを尽くす必要があると全員が分かっています」

ブルーズは先週のチーフス戦で4勝目(21-17)を挙げて連敗を止めた。勢いは持続しているだろう。

今週の先発メンバーは、そのチーフス戦から1名を変更した。

先週は途中出場から軽快な動きを見せたNZ代表キャップ保持者のPRカール・トゥイヌクアフェが、1番の先発を託された。得意のスクラムでも見せ場をつくれるか。

その他のスタメンは変わらず、プロップ離れした運動量でビッグタックルも放つPRオファ・トゥウンガファシ。

LOパトリック・トゥイプロトゥ主将に、「TACKLES WON」(タックル)が72回でリーグ1位のFLダルトン・パパリィ。

そしてバックスは、2戦連続で10番を背負うSOボーデン・バレット。そして大型センターとして成長を続ける189センチの23歳、CTBリーコ・イオアネ。

両翼は、ディフェンス突破数リーグ4位(23回)のマーク・テレアと、同7位タイ(15回)のキャレブ・クラーク。今季の躍進を支える強力ウイングが元気に先発する。

積極的に守備に立つ運動量豊富なフォワードと、決定力ある強力バックス――。ブルーズの活躍を支えているメンバーの多くが顔を揃え、敵地での歓喜を狙う。

迎え撃つハイランダーズは、休養週を挟んでリフレッシュしただろう。

しかも前戦のチーフス戦はロスタイムでのサヨナラ勝利(33-31)だった。派手さはないが愚直なフォワードはハイランダーズの文化。今季2勝とはいえ、簡単に勝てる相手では決してない。

しかもハイランダーズのアシスタントコーチは、日本代表アタックコーチも務めるトニー・ブラウン。

日本代表選手が「天才。器が違う」(田中史朗)「よくこんな発想ができるなと思う」(松島幸太朗)などと賛辞を惜しまない戦術家は、一体どんな仕掛けを用意しているのか。

ハイランダーズの先発メンバーは、2人の共同主将が今週も揃った。

スローイングにも定評のあるHOアッシュ・ディクソン、不動の9番であるSHアーロン・スミスだ。

フォワードでは、ジャンパーとしても魅力的なLOパリパリ・パーキンソン、優れたアタッカーでありオフロードパスの名手であるFLシャノン・フリゼル。

司令塔10番は、NZ代表1キャップを持つ25歳のジョシュ・イオアネ。スタンドオフとしても経験豊富な好ランナー、ミッチ・ハントは15番(フルバック)に入っている。

試合会場となるフォーサイスバー・スタジアムは屋内施設。ボールやピッチが雨に濡れることもなく、ハイテンポなラグビーが期待できそうだ。

はたしてブルーズは逆転優勝への夢を繋げるか。ハイランダーズが本拠地で気概を見せるか。今週日曜のお昼は、ハイレベルなNZラグビーを堪能したい。

見逃せない「ハイランダーズ×ブルーズ」は、8月2日(日)午後0:25からJ SPORTS 1で生放送、J SPORTSオンデマンドでLIVE配信される。


文:多羅正崇

多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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