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新型コロナウィルスの影響で中断しているスーパーラグビー。日本を本拠地とするヒトコム サンウルブズにとって、今年が参入5年目でラストイヤーである。
そんな「太陽狼軍団」のメンバーの中で、新人賞間違いなしの活躍を見せていたのが、4月に天理大学4回生となったばかりの「サイア」こと、CTB(センター)/WTB(ウイング)シオサイア・フィフィタである。
トンガ出身のフィフィタは12歳からトンガ・カレッジでラグビーを始めた。「ずっと日本に来たかった」と高校1年から日本航空石川(石川)に留学し、そのまま日本の天理大学に入学。1年生から不動のCTBとして関西大学Aリーグ3連覇にも大きく貢献した。
昨年12月の第1次スコッド発表では、SH(スクラムハーフ)齋藤直人(当時、早稲田大学4年/現サントリー)とともに大学生ながらサンウルブズのメンバー入りした。
「小さい頃から試合を見ていたし、スーパーラグビーの舞台に立ちたいと思っていた」というフィフィタの背中を、天理大学の小松節夫監督も「本人や日本全体のことを考えたら出したほうがいいと思った」押した。
開幕前のプレシーズンマッチでは、本来のCTBではなく、身長187cm、体重103kgのフィジカルと、50m 6.2秒の快足が買われてWTBとして出場。
トンガ時代は110mハードルで国内1位の記録を持っていたというスピードを見せて4トライを挙げてハットトリックを達成し、その潜在能力の高さを披露。
コーチ陣もほかの選手たちも「貫禄がある」「大学生ということは忘れていた」という存在感を見せた。
2月1日、福岡で迎えたレベルズとの開幕戦、21歳のフィフィタはサンウルブズ史上2番目の若さで14番を背負いスーパーラグビーデビューを果たした。
そして、いきなり右サイドの力強いランでゲインしてチャンスメイクし、それが前半9分のCTB森谷圭介のトライにつながり、サンウルブズは5シーズン目にして36-27で開幕戦を白星で飾った。
その後もフィフィタは7節までの6試合でWTBとして5試合、CTBとして1試合に先発し、2トライを挙げるなどチームの中軸のひとりとして気を吐いた。
アタックではクリーンブレイク(相手に触られずゲインする)やディフェンダービートン(相手のタックルを破って前に出る)繰り返して、大いにチームの攻撃に寄与した。
だが、やはり普段プレーしていないWTBでの出場が多く、あまり周りの選手とのコミュニケーションも取れていないこともあり、タックル成功率が約60%と低迷してしまった。これに関しては今後の課題といえよう。
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