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心理戦でヒートアップ!超弩級ビッグマッチ「イングランド vs. ニュージーランド」ラグビーワールドカップ日本大会・準決勝プレビュー
ラグビーレポート by 多羅 正崇このカードが見たかった。そう感じているファンは少なくないのではないか。
北半球のラグビーの母国と、南半球のラグビー王国。最高の対決がラグビー・ワールドカップ(W杯)の準決勝で実現した。
10月26日(土)、神奈川・横浜国際総合競技場で、W杯2連覇を狙うニュージーランド(NZ、世界ランキング1位)と、イングランド(同2位)が相まみえる。
イングランドを率いるエディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)は、前回大会で日本代表を率いたのち、初の外国人監督(オーストラリア出身)としてイングランドの指揮官に就任。
2016、17年にシックスネーションズ(欧州6カ国対抗戦)を連覇するなど、前回大会で開催国初のプール戦敗退を喫したラグビー発祥国をV字復活させた。
そんなジョーンズHCが事あるごとに強敵として言及してきたのが、W杯2連覇王者のニュージーランド代表“オールブラックス”だった。
プール戦の組み分けが決まった2017年5月には、NZを最大の敵とした上で「勝利するチャンスを出すことは100%できる」と断言していた。
しかし通算対戦成績はNZが33勝1分7敗。イングランドの直近の勝利は2012年。聖地トゥイッケナムを舞台に38-21で勝っており、この勝利を先発10番で味わったオーウェン・ファレル主将、13番マヌ・トゥイランギら8人は現代表に参加している。
大舞台で6年ぶりのNZ撃破はなるか。W杯優勝と打倒NZを公言し、チームの燃料にしてきたジョーンズHCだが、大一番を前にして、メディアを介した心理戦を仕掛けた。
「こちらにプレッシャーはない。誰もわれわれが勝つとは思っていない。日本の1億2千万の国民が、日本代表の次に好きなのがオールブラックスだ。だからわれわれにはプレッシャーがない」
プレッシャーと戦っているのはオールブラックスの方だ――そんなメッセージを記者から伝えられたNZのスティーブ・ハンセンHCは、こう応じた。
「われわれは常にプレッシャーの中にいる。かつてはプレッシャーから逃れようとして、プレッシャーが追い掛けてきたけれども、最近はプレッシャーとともにあるという認識でいる」
オールブラックス流のプレッシャー論を展開した上で、やり返した。
「彼(ジョーンズHC)はプレッシャーについて皆がわれわれに話すように仕向け、そうすることで自分のチームからプレッシャーを取り除こうとしている」
「彼が取り組まなくてはならないことは、彼ら自身に掛かっているプレッシャーをどうするかだ。彼らには4年前の大会の記憶(プール戦敗退)がよみがえってくるはずだ。だから彼ら自身もとてつもないプレッシャーの中にいるはずだ」
場外で舌戦も展開され、いよいよボルテージは高まってきた。
王者として迎え撃つNZは、先発メンバー発表でサプライズがあった。
準々決勝アイルランド戦から先発は15人中1人が変更になった。その1人とは、本職がロックであるFL(フランカー)スコット・バレット。前の試合ではFLサム・ケインに代わり、後半から投入されていた。
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