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初戦、アルゼンチンとの激闘を制したフランスとイングランドに完敗したアメリカとの一戦が、10月2日、福岡県・東平尾公園博多の森球技場、通称レベルファイブ スタジアムで行われた。
台風18号が日本列島に近づき開催が危ぶまれたが、試合前には雨も上がり予定通りキックオフ。ただ、たっぷり水分を含んだグラウンドと高い湿度のせいか、両チームともハンドリングエラーが目立つ試合になった。
この日の主役は、アルゼンチン戦で決勝のドロップゴールを決めたフランスの司令塔、SOカミュー・ロペズだった。
前半5分、アメリカ陣22m付近でパスを受けるや、フワッとした弾道のボールをディフェンスの背後に落とす。それをWTBヨアン・ユジェがワンバンドで処理し中央にトライ。ゴールも成功して7-0とリードする。
その後、PKで3点を奪われたが、前半23分、アメリカ陣22m付近でパスを受けたロペズが、左にワンフェイクを入れたあと、右サイドにキックパス。このボールが走り込んできたWTBアリベルティ・ラカの胸にすっぽり収まり、フランスは2本目のトライを奪った(ゴール失敗で12-3)。
しかし、この日のフランスはハンドリングエラーに加え、規律を乱す場面もしばしば。ボールを持てば分厚いサポート陣がパスを繋ぐというフランスらしいラグビーを見せるが、大事なところでノックオン。そして、攻め込まれると簡単に反則を犯してしまう。
前半30分には自陣のゴール前で再びアメリカにPKを与えてしまい、アメリカのSO、AJ・マギンティにこの日2本目のPGを決められて12-6と詰め寄られた。
前半は12-6のまま終了。
前半だけで8つの反則を犯したフランスは、試合を落ち着かせるために後半のスタートからキャプテンのHOギエム・ギラドを投入。これが功を奏したのかその後は反則も減り、アメリカ陣に攻め込む時間も多くなったが、なかなかフィニッシュまで持ち込めない。後半が始まって25分間は、アメリカ選手の頑張りもあって、一進一退の攻防が続いた。
そんな中で、再びフランスが自陣で反則を犯す。これをマギンティが難なく決めて12-9の3点差。レベルファイブにも、「もしかしたら…」の空気が流れ始めた。
しかし、ここからフランスが流れを引き寄せる。疲れが出始めたアメリカに対し、フランスは後半になって投入された本来のレギュラー陣が躍動し始めたからだ。
まずは後半26分、FW、BKが短いパスを繋いで前進。アメリカ陣のゴール前にボールを運ぶと、最後はCTBガエル・フィクーが飛び込んで19-9(ゴール成功)とする。
そして仕上げのトライは、再びロペズが演出。後半29分、センターライン付近からロペズが高い精度のキックパスを右サイドに送り、そのボールを処理したラカからFLヤクバ・カマラ、途中出場のSHバティスト・セランと繋いでトライ(ゴール成功で26-7)。試合の行方を決めると同時にボーナスポイントも獲得した。
フランスは、後半38分にもラインアウトモールを押し込んで7点を追加。最終的には33-7でアメリカを一蹴した。
ただ、スコアだけを見るとフランスの完勝にみえるが、格上のフランスを「あわや」というところまで追い込み、試合が決まってからも最後まで諦めずに足を止めなかったアメリカの戦いぶりは評価に値する。9日のアルゼンチン戦、13日のトンガ戦が楽しみになってきた。
フランスは次戦、中3日(6日開催)でトンガと相まみえる。さらに上を目指すためには、ハンドリングや規律面などこの試合で見つかった課題の修正は必至。しかしその一方で、自由奔放なパス回しは他チームにとって脅威となるに違いない。今後の修正次第では、今大会の台風の目になるかもしれない。
文:真鍋 雅彦
【ハイライト】ラグビーワールドカップ2019 プールC フランス vs. アメリカ
(c) Rugby World Cup Limited 2019
真鍋 雅彦
フリーライター。1957年大阪府生まれ。父の影響で小学生の頃からラグビーに親しむ。大学卒業後、ベースボール・マガジン社勤務を経てフリーランスに。主にラグビー、野球、ゴルフなどの原稿を執筆。2014~18年、キヤノンイーグルスWEBページのオフィシャルライターを務める。
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