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悲願の日本一へまた一歩前進した。全国大学選手権準々決勝の相手は関東リーグ戦を1位で通過した東海大学。ラインアウトモールと留学生選手のアタックを主体とする強豪だ。
掲げたテーマは〝Physical fight〟。「正面から勝負して相手を止める」(PR/プロップ安昌豪・営3=大阪朝鮮)ことを徹底し、高いフィジカルを持つ東海大に真正面から勝負をかけた。
立ち上がりは攻め込まれた。東海大のアタックに密集でペナルティーを犯し、先制PG(ペナルティゴール)を許す。得意のスクラムでも優位に立てず、東海大に主導権を握られたかに思われた。
しかし、15分に相手キックをSH(スクラムハーフ)福田健太主将(法4=茗溪学園)がチャージし、チャンスを広げる。その後、
FW(フォワード)のアタックで前進し、最後は安がゴールポストにボールをぶつけトライを取り切った。
33分には相手のキックを受けたFB(フルバック)山沢京平(政経2=深谷)はすぐさまカウンターに転じる。相手ディフェンス4人を抜きさり、WTB(ウイング)山埼洋之(法3=筑紫)のトライにつなげた。
このトライでスコアは12-3。前半は相手の得点をPGの1つのみに抑え込んだ。「キックを主体にブレークダウンでも優位に立てて良い時間帯だった」(NO8/ナンバーエイト坂和樹・政経3=明大中野八王子)。
好調の前半から一転。後半は東海大のFW中心のアタックに厳しい展開を強いられた。23分にトライを許すと、29分には東海大の『おはこ』であるラインアウトモールからのトライを決められ、15-15の同点に追い上げられてしまう。
しかし、「必ず取れるという意識は変わらなかった」(坂)。直後のキックオフから敵陣でのプレーを継続。FWのピックアンドゴーやBK(バッククス)の連続攻撃でペナルティをもぎ取った。
その後、山沢がPGを決め、勝ち越しに成功。最終的に18-15で試合終了となった。
「厳しいゲームに勝つことができて、さらに成長できた」(田中澄憲監督)。この勝利で明治は2年連続の年越しを達成し、準決勝に進出。1月2日、秩父宮で行われる試合への出場を決めた。
試合ではタフなディフェンス力が光った。顕著だったのは後半10分から20分の時間帯、東海大は明治陣に攻め入りフェーズを重ねる。
しかし、近場でのタックルでゲインを許さずに反則をもぎ取りピンチを脱した。「試合中にディフェンスにシフトチェンジして順応できたのが良かった」(福田健)。
対策したモールでのトライは1本許してしまったものの「東海大の強みの部分に対して許容範囲のディフェンスはできた」(LO/ロック片倉康瑛・法2=明大中野)。このディフェンスにさらなる磨きをかけ、準決勝でも進化を示す。
また、早稲田大学戦、立命館大学戦で欠場していた山沢は、復帰1試合目から躍動した。得意のキックが功を奏しエリア取りに貢献。
杉山祐太(東海大)ら高いキック力を誇る相手BKとの蹴り合いにも押し負けなかった。「序盤から明治らしいプレーをできるように」(山沢)と次戦もぶれずに挑む決意を示した。
同時刻、秩父宮で行われていた早慶戦は早稲田が制し、準決勝の対戦相手に決まった。「リベンジには最高の環境が整った。もう一度リフレッシュして準備していきたい」(福田健)。次こそ聖地で赤黒を撃破してみせる。
文:清水康佑/写真:鈴木貴裕(明大スポーツ)
◆ラグビー全国大学選手権 準決勝
・1月2日(水)午後4:30 明治大学 vs. 早稲田大学
※J SPORTS 1で放送、J SPORTSオンデマンドで配信

明大スポーツ新聞部
1953年(昭和28年)創部。現在明治大学において唯一の学生新聞部。明治大学体育会43部の競技成績や、学内外の話題を幅広く紙面・WEBサイト上にて掲載、発信。 現在の部員数は56名。
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