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モータースポーツ コラム 2026年10月30日

F1のコストキャップは、競争を公平にしたのか

F1コラム by J SPORTS 編集部
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ウィリアムズのチーム代表ジェームス・ボウルズ

ウィリアムズのチーム代表ジェームス・ボウルズ

ウィリアムズのチーム代表ジェームス・ボウルズが今月初め、2021年に導入されたF1の予算制限制度であるコストキャップを批判した。チーム間の資金力による競争格差を抑えるはずの仕組みが、むしろその差を広げているのではないかと指摘した。

『ロイター』が伝えたところによると、ボウルズは、制度の下で戦った過去5年間に、メルセデス、レッドブル、マクラーレン、フェラーリの4チームが、獲得可能なポイントの83%を占めたと指摘した。

「上位4チームは上位4チームのままで、われわれを含む他のチームが残りの17%のポイントを争っている」

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ただ、撤廃を求めているわけではない。資金力のあるチームの支出を抑え、各チームが長く参戦を続けられるようにすることも、この制度の目的だ。ボウルズも、チームの経営が安定した点は評価している。

ボウルズはメルセデスで戦略部門を率い、連覇を支えた後、2023年にウィリアムズへ移籍した。豊富な資金を持つチームと、そうでないチームの双方の事情を知っている。

年間の基本上限額は約333億円

コストキャップの対象は、研究開発や新しい空力パーツの製造など、マシンの性能に関わる費用だ。ドライバーの給与・契約報酬、広告宣伝費、輸送費などは対象外。通常はチーム代表と最高技術責任者を含む、報酬が上位3名のスタッフも、ドライバーとは別に除外される。2026年の基本上限額は2億1,500万ドル。1ドル155円で換算すると約333億円になる。

ただ、同じ上限が適用されても、各チームがすでに持つ設備やシステムには差がある。

追いつくための投資が、開発予算を圧迫する

ボウルズによれば、ウィリアムズでは、ファクトリー内の部品の所在を把握する仕組みなど、日々の業務に欠かせないシステムにも多額の投資が必要だ。他チームがすでに持つ仕組みを整えるために、マシン開発に回せる予算が圧迫されているという。

2026年からは、対象となる機械や設備の減価償却費も年間の上限に含まれる。購入費を複数年に分けて計上する場合も、各年の減価償却費は開発予算と同じ枠に収めなければならない。強豪にも設備更新は必要だが、ウィリアムズには過去の投資不足を埋める負担もある。

『GrandPrix247』が伝えたところによると、アメリカGPの会見でも、ボウルズの提案が話題に上った。アストンマーティンのエイドリアン・ニューウェイ代表は、下位チームにより多くの風洞試験時間などを認める仕組みに触れ、予算にも追加枠を設ける考えを示した。キャデラックのマルチン・ブコウスキー代表も、制度が強豪の「それまで持っていた一定の優位性を固定した」との見方を示している。

2027年からはF1部門と非F1部門を分離

費用をどこまでコストキャップに算入するかをめぐっては、F1以外の技術開発を手がける部門も問題視されるようになった。

『The Race』によると、非F1部門のスタッフの知見をF1活動に活用しているにもかかわらず、その費用をコストキャップに算入していないのではないかという疑念は、以前からあった。ヨットや自転車などの技術開発を担う特別プロジェクト部門が、その経路になり得るとみられていたという。ただし、同媒体は、こうした疑いが立証されたわけではないとも伝えている。

FIAは2027年から、規制対象となるF1部門と非F1部門について、スタッフが仕事をする場所と使用するIT環境を分けることを義務づける。立ち入りが制限されるエリアへの入室記録などは3年間保存。食堂をはじめとする共用スペースは引き続き利用できるが、そこで担当業務を行うことは認められなくなる。

ボウルズらが望むのは、制度を維持しながら、追いつくための投資にも余地を持たせることだ。

文:J SPORTS編集部

J SPORTS編集部

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