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モータースポーツ コラム 2026年10月20日

オートポリスの昔々

今日も今日とてプッシュ&ルーズ by 高橋 二朗
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筆者提供

3ヶ月前に再び大地震の被災地となった熊本県。SUPER GT第7戦は、【がんばろう熊本!〜熊本地震復興支援大会〜】と銘打って開催された。大分県との県境に位置するオートポリスは、阿蘇の外輪山にあるサーキット。予選の前夜からゲート前には熊本、大分、福岡、佐賀、宮崎、鹿児島のカーナンバーをつけた数多くのマイカーとレンタカーが並び、朝7時のゲートオープンと共に駐車場に入場し、近隣の県からやって来ていただいたモータースポーツファンが思い思いの観戦エリアに足を運んでいた。そして、久しぶりにグランドスタンドがほぼ満席となっていた。

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このサーキットは、バブル経済真っ只中の1990年にオープンした。阿蘇山麓の牧場をぬって一気にミルクロードを上がって外輪山を熊本県から大分県に入ったところに位置する。峠からメインゲートへ下る道から桜井淑敏氏(元HONDA F1監督)が基本設計したと言われているサーキットの全景が見ることができる。

ボクは、このサーキットのオープニングイベントのステージ司会の仕事をいただいて、東京羽田空港から熊本空港へ。その飛行機は、招待客で満席だった。熊本空港からはヘリコプターでサーキットに飛ぶ予定だった・・・の、だけれど、ラゲージクレームから荷物を待って指示された場所に行くとすでにヘリコプターは行ってしまっていた。しょうがないので、他の招待客と一緒にバスで約1時間半かけて当地に辿り着いてイベント事務局テントへ。テント内は、なにやらトラブル対応でてんやわんや。
「おい、どうするんだ!!MCはどこへ行ったんだ。ヘリで来る予定だろうが!!!」
と、叫んでいる責任者らしい方へ
「あのう。すみません」
と声をかけると。
「あんた。ちょっと待って、今大変なんだから」
「ボクが、そのMCの高橋です」
「ええっ!、どうしてヘリに乗らなかったのかっ!」
「荷物を持って出てきたらヘリはもう飛んで行ってしまってました」
「まあ、いい!もう直ぐステージでオープニングセレモニーが始まるから、ステージに上がって!、上がって!!!」
せき立てられてステージへ。
なんとか、間に合って良かったです。

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初日の仕事が終わり、宿泊の熊本市内へはヘリコプターでひとっ飛び。わずか15分ほど。ホテルで社長とVIPの会食に出席するように言われて、豪華レストランへ。
オープニング当時の株式会社日本オートポリス社長の鶴巻智徳氏とオートポリスがスポンサーとなっていたベネトンフォーミュラチームのドライバー、ネルソン・ピケ選手。アレッサンドロ・ナニーニ選手。そして、ものすごいヘビースモーカーのイタリア人男性。瞬く間に灰皿にはタバコの吸い殻が山となっていた。隣の席のその男性にお名前と役職を尋ねると
「オレは、ブリアトーレ。ベネトンのインターナショナルセールスマネージャーだよ」と。
そう、その人はフラビオ・ブリアトーレ氏だったのです。
昔々のお話です。

筆者提供

文:高橋 二朗

高橋 二朗

高橋 二朗

日本モータースポーツ記者会会長。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。

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