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モータースポーツ コラム 2026年10月28日

ウインターラリーの湖へ

今日も今日とてプッシュ&ルーズ by 高橋 二朗
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筆者提供

10月も半ばを過ぎても真夏日となったりして、異常気象を感じつつ、遅めの秋の到来を感じようという家人の提案で都内から関越高速道を使って約2時間半の赤城山へ。赤城山は、八ヶ岳と同じ、幾つもの山の総称。前橋から赤城大沼へ。地元では昔からアカギオノと呼ぶそうです。そしてすぐ近くの赤城小沼は、アカギコノ。期待した紅葉は天候の影響でしょうか、あまり進んでいません。モータースポーツのエッセイを書かせていただいているのに観光案内か?

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ちょっと、お待ちを・・・。

小沼は、ボクにとっては、仕事を始めた当時取材で訪れた思い出の地、湖なのです。40数年前ボクは山海堂のauto technic誌でお世話になっていて、レーシングカートからF1までの仕事をさせていただいてました。その中にはラリーもあって、全日本ラリー選手権の開幕戦、DCCSウインターラリーの取材へ。同ラリーは、群馬から長野を約300キロ走破する。【ウインター】が示すように路面は、圧雪、アイスバーン。そして、名物の氷上SS(タイムトライアル)。前橋のドライブインに集合して受付してドライバーミーティングとタイヤのチェック。当時は、今や使用が禁止されているスパイク(スタッド)を装備したスノータイヤを使っていた。除雪されている区間のアスファルト路面をできるだけ傷めないようにスパイクの本数をタイヤの外周10センチ幅に10本以内と決められていた。参加ラリーカーと共に小沼へ。そしてボクは湖畔の山の斜面に腰まで雪に埋もれながらラッセルして登った。そこから氷上SSのタイム計測を担当。気温は氷点下。10分もしない内につま先は冷たさを通り越して何も感じなくなり、手の指先もかじかみ、デジタルのストップウォッチも表示がだんだんと薄くなってしまう始末だった。

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1980年代の参加車両のクラスは、1300cc以下のAクラスと1300cc以上のBクラス。Bクラスには、三菱ランサーターボ、トヨタ カローラTE71、いすゞジェミニZZ、日産ブルーバードターボ、富士重工スバルレオーネが参戦。氷上で豪快にドリフト、カウンターステアを当ててスパイクで削られた氷の粉を巻き上げながら走る様をカッコいいと雪に埋もれ震えながら思いながら計測していた。ウインターラリーでは、4WD車のレオーネがやはり勝った。現在の暖冬では小沼が結氷しても氷の厚さが薄くて車が乗ったら割れてしまう。それ以前に自治体と警察から氷上のSSは禁止されてしまった。
思い出の小沼は、静かに綺麗な水を湛えていた。

筆者提供

文:高橋 二朗

高橋 二朗

高橋 二朗

日本モータースポーツ記者会会長。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。

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