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モータースポーツ コラム 2026年6月19日

トヨタ・レーシング、ル・マン24時間レース優勝おめでとうございます

今日も今日とてプッシュ&ルーズ by 高橋 二朗
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ル・マン24時間レース表彰台の様子

トヨタ・レーシング、FIA 世界耐久選手権(WEC 2026)第3戦ル・マン24時間レース優勝おめでとうございます。
今年から投入されたTR010のパフォーマンスの高さは、開幕戦のイモラ6時間レースで実証済み。しかし、今シーズンからブラックボックスとなったバランス・オブ・パフォーマンス(BoP)がどのように設定されるかは分からない。BoPは、レース内容やシリーズ展開がより拮抗することを目的としたものだ。第2戦のスパ・フランコルシャン6時間レースまでの流れを見るとハイパーカークラスにおけるBoPは、アメリカのIMSAシリーズに参戦しているル・マン・デイトナ・ハイブリッド(LMDh)がル・マン・ハイパーカー(LMH)よりも優勢な設定になっていると推測できた。それは、ル・マンの予選におけるタイム差で明らかになっていた。トヨタを含むLMH勢としては、決勝の作戦で逆転に持ち込むしかなかった。

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ボクらメディアは、予選が終了して決勝に向かうトヨタ・レーシングをリモートで取材をすることができている。小林可夢偉チーム代表兼選手は、「今回我々は予選を重視せずに、決勝に重きを置く作戦に振り切っています」と力強くコメントしていた。テストやフリープラクティスで、決勝を見据えた好調な結果を見れば、それが理解できた。一方、予選では、7号車、8号車ともにハイパーポール1の進出は果たしたが、同2への進出を逃した。もちろん悔しさはあったはずだが、これは、織り込み済みだったと見られる。

決勝を前にして、エンジニアリングを統括しているデイビッド・フィローリー氏が海外のデジタルメディアのインタビューに登場した。その際、同氏は「LMDhの優勢を打開するためには、ミスのないレースが不可欠」と答えていた。今回トヨタ・レーシングは、【For the Engineering Race】を標榜。可夢偉代表も、ドライバーの意見よりエンジニアたちのそれを重視して臨んでいるとコメントしている。

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結果としてミスはなかった。しかし、24時間のレースでは一筋縄でいかず試練があった。7号車は、スローパンクに加え、フルコースイエローの際にスイッチが作動せずスピードダウンできずにドライブスルーペナルティを受けるなどトラブルに見舞われた。さらにドライブシャフトのセンサーがトラブルを起こしたため、バックアップセンサーでの走行を強いられた。一方の8号車は、7号車とは異なる作戦を取り、早めのピットインで上位へと浮上。しかし、終盤に左フロントブレーキのボルトがゆるむトラブルが発生。それでもセーフティカーの導入で2台ともにロスがご破産となったのは幸いだった。勝利の神が味方してくれた。そして、可夢偉選手、平川選手共にクライマックスでベストタイムを連続で叩き出しゴールへ突き進んだ。燃料残量が心配だった、7号車がゴールライン直前には、ほぼゼロ。緊張のラスト1周だった。それでも燃料ギリギリまで攻められたのは、エンジニアさんの力によるものだったのでしょう。
一方で3位ゴールの8号車は、勝利を目指していたこともあり、悔しさを滲ませていた。

シリーズは、まだ3戦を終えただけ。チャンピオン争いに向けては、これからBoPという“茨の道”が待ち受けている。

文:高橋 二朗

高橋 二朗

高橋 二朗

日本モータースポーツ記者会会長。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。

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