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モーター スポーツ コラム 2025年5月22日

日本のオフィシャルは世界一

今日も今日とてプッシュ&ルーズ by 高橋 二朗
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全国から集まった341名のオフィシャルの皆様(写真:筆者提供)

家は、三度建てなければ、思い通りに建てられないという話を聞いたことがあります。特に土台、基礎の部分で失敗していたのなら、快適生活云々どころではなくて安心して生活できなくなる。

ちょっと強引な結びつけになることをご容赦。
でも、かなり共通する点があると考えます。そう、先週行われた2回目のFIA フォーミュラE世界選手権 2024/25 Tokyo E-Prixは、ダブルヘッダーで行われて土曜日はウエットレース。日曜日は曇り空の下ドライレースが行われた。土曜日は、予選が中止される程の雨量でいきなりの決勝が行われた。

競技を支えるのは、オフィシャル。その存在は、一般的には目立たないけれど、それがしっかりしていなければ、その上に展開されるレースに大きく影響し、危険を伴ってしまうこともある。

土曜日はスリッピーなコースコンディションで接触などのアクシデントが多発。日曜日はドライだったけれど、今年コースの一部が変更されて、16コーナー=最終コーナー手前の直線の終わりに待ち構えている高速コーナーは、僅かなドライビングミスがクラッシュを免れない鬼門と皆が思っていた。そして、その予想は現実となった。

パーマネントコースではない特設コースでは、コースサイドに配属されているオフィシャル用の小さな建物は存在しないので、土曜日朝から雨天のコースサイドに散らばり、予選が中止になったので一旦は控えの建物に戻れたけれど、その後のウエットレースで再び雨の中へ出動してびしょ濡れになりながらレース運営に頑張った。レースコントロールを司るFIAの競技長がレース後に「Perfectだ!!」とのコメント。

日曜日は、予定通りに予選、決勝が行われ、決勝の終盤に発生したアクシデントによってセーフティカー(SC)が導入され、アクシデント処理がスムースに行われないとSCランのままレース終了かと思われたが、競技長はストップ車両を排除して競技を再開しレーシングスピードでチェッカードフラッグを振り下ろしたいという意思が強く、コースサイドのオフィシャルさん達へ檄が飛んだ。それに応え迅速な作業によってレースが見事に再開されて、地元日産のドライバーが優勝し、会場が盛り上がった。そして、競技長から「日本のオフィシャルは、世界一だ!!」との賛美。

全国から集まった341名のオフィシャルの皆様。2回目の開催とはいえ、パーマネントコースとは全く勝手が違う公道を用いたレース形態。FIAの外国人競技長からの指示も日本人競技長のそれとは若干異なる状況の中でそれを理解して指示に則した対応を瞬時に作業に移す行動力。混成チームながら誰もがモータースポーツが大好きという気持ち+自分がレースを支えるという強い意思と培ってきた経験値が2回目のTokyo E-Prixを成功に導いた。3回目の来年には、より素晴らしい縁の下の力持ち達が支えてくれることでしょう。

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文:高橋 二朗

高橋 二朗

高橋 二朗

日本モータースポーツ記者会。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。

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