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モーター スポーツ コラム 2025年4月4日

SUPER GT、何が変わる!? 2025年開幕を前にレギュレーション変更をチェック!

SUPER GT by 島村 元子
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いよいよ2025年の開幕戦が近づくSUPER GT。公式テストも終わり、あとは岡山国際サーキットでのシーズン号砲を待つだけとなった。そんななか、今シーズンのSUPER GTでは、公式予選やタイヤの持ち込みセット数、さらにペナルティの内容等について、スポーティングレギュレーション(競技規則)を変更している。昨シーズンとはいったい何が変わったのか。開幕戦を前に改訂されたポイントをしっかりと把握して、岡山から始まる新シーズンをより楽しもう!

■予選はノックアウト方式が”復活”

昨シーズン、一番大きな変更と言われたのが予選の方式。Q1とQ2でのベストタイムを合算する方法が導入され、原則、”Q1落ち”がなくなった。一方、シーズン途中からは予選中のタイヤ装着本数に幅を持たせる方向へと改変。柔軟な対応を取りながら、よりよい形を模索し続けた。ファンにとっては、参戦する全チームのドライバーがQ1、Q2両セッションで出走する姿を目にできるというメリットは生まれたものの、合算タイムによって順位が変動するため、タイムリーに最新の順位を把握することが正直難しかった。結果、今シーズンはさまざまな反響を踏まえ、シンプルでわかりやすいこれまでの予選方式へと戻すことに。今シーズンは2023年以前同様、ノックアウト方式が復活することとなった。なお、その内容において一部が改められているので、大まかな変更点を紹介しよう。

【Q1およびQ2】
<GT300クラス>
・Q1は、前大会までの競技結果、つまりチーム順位に基づいてA組とB組に区分して行なうが、セッションは各組10分間で、それぞれ上位9台の計18台がQ2に進出できる。(2023年までは、各8台の計16台だった)
・Q2に進出できなかったチームは、Q1の結果をもとに19番以降のグリッドが決定する。(2024年は基本的に全チームが出走)
・Q2に進出した18台によりポールポジションを競う。10分間のセッションに変更はない。

<GT500クラス>
・Q1には全15台が出走、10分間のセッションに変更はなく、上位10台がQ2に進出できる。(2023年までは上位8台だった)
・Q2に進出できなかったチームは、Q1の結果をもとに11番手以降のグリッドが決定する。(2024年は基本的に全チームが出走)
・Q2に進出した10台によりポールポジションを競う。時間はこれまでと同じ10分間で実施される。

【予選結果に対する得点】
2024年は両クラスにおける予選結果に対し、1位に3点、2位に2点、3位に1点のポイントを付与していたが、2023年同様に戻り、各クラスのポールポジションに対して1点が授与される。

■ウエットタイヤに変化アリ

削減傾向にあったタイヤの持ち込み本数だが、2025年は1大会(300kmレース)1台当たりドライタイヤ4セットはそのままで、ウエットタイヤが1セット増えて6セットになった。加えてウエットタイヤに関しては、「少なくとも1セットはヘビーウエットコンディションでも機能するタイヤとすること」とスポーティングレギュレーションに記されている。昨シーズンの第6戦SUGO大会等、コンディショが激変し、激しい雨になった際に持ち込んでいるウエットタイヤでは走行できない状態に陥る場面を記憶するファンの方も多いと思うが、強いて言えば、これまでのウエットタイヤは、雨量に対応するタイヤというよりレース中にドライからレイン、あるいはレインからドライへと路面コンディションが変化するなかにおいて、しっかりとパフォーマンスを発揮できるようなタイヤを主体に用意されていた感がある。だが、今回の追記によって、昨シーズンまでとは異なるウエットタイヤが新たに用意されることは間違いなく、雨の中でのパフォーマンスにも変化が見られるようになるはずだ。また、各タイヤメーカーとしても、その準備に尽力していることだろう。

■GT300クラスに「サクセス給油リストリクター」を新導入

SUPER GTで導入されているサクセスウェイト。これは、レース結果によって獲得した通算ポイントに応じてウェイトを搭載し、各クルマの性能が均衡になるよう調整を行なうことで、シーズンを通じて限りなくイコールコンディションでの戦いができることを狙いとしている。GT500クラスでは、その上限を100kgに定めており、今シーズンも変更がない。一方で、GT300クラスにおいては、その上限が80kg(昨年の第4戦以降は上限50kgに改訂)から100kgへと引き上げられた。

さらに、課されたサクセスウェイトが50kgを超えた場合は、「サクセス給油リストリクター」と呼ばれる給油流量リストリクター径の調整を新たに併用する。もともとGT500クラスで採用されている「燃料流量リストリクター」はエンジン出力自体を絞るものだが、こちらは燃料を補給するときの流量そのものが絞られる。結果として、サクセスウェイト相当分がピットストップでの給油時間として調整されるというわけだ。実際の停止時間がどのくらい変化(延長)するのか、実戦で明らかになるだろう。

■競技結果に加算する「タイムペナルティ」を追加

SUPER GTでは、レース中における危険なドライブ行為はじめ違反に対して課すペナルティとして、ピットロードを通過する「ドライブスルーペナルティ」とピットレーンのペナルティストップエリアにおいて指定された時間の間、停止を課す「ペナルティストップ」のふたつを適用していた。今シーズンからは新たに「タイムペナルティ」が採用される。これまでドライブスルーペナルティの対象だった反則スタートや黄旗無視等、ピット作業違反やピットレーンの速度制限違反などの罰則に対し、タイムペナルティを適用する可能性があるようだが、レギュレーションには「タイムペナルティ、またはそれ以上」と記されており、実際にどのような形で運用されるかは、状況次第となりそうだ。

■GT300は、上位15台までが入賞扱いに

予選結果に対しては、今シーズンから再び各クラスのポールポジションのみポイントが授与されることになったと先に記したが、GT300クラスの決勝結果に対しては、優勝から上位15台までがポイントを獲得することができるようになった。ドライバーポイントおよびチームポイントの両方に適用される。なお、得点に関しては、レース距(700km以上)、時間(4時間以上)が異なる場合、GTAが都度授与するポイントを公示するという。11位から15位に対してもポイントを授与することで、さらにランキング争いが熱を帯びそうだ。

ノックアウト予選の復活、そしてサクセスウェイトの内容変更をはじめとしたレギュレーションの改訂によって、果たして今シーズンのSUPER GTはどのような”進化”を見せるのか。シーズンを通して、つねにドキドキワクワクのレース展開になることを願うのみだ。

J SPORTS オンデマンド番組情報

文:島村元子

島村元子

島村 元子

日本モータースポーツ記者会所属、大阪府出身。モータースポーツとの出会いはオートバイレース。大学在籍中に自動車関係の広告代理店でアルバイトを始め、サンデーレースを取材したのが原点となり次第に活動の場を広げる。現在はSUPER GT、スーパーフォーミュラを中心に、ル・マン24時間レースでも現地取材を行う。

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