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モータースポーツ コラム 2026年4月27日

ゴールデンウィークの一戦は、3時間の持久戦

SUPER GT by 島村 元子
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第1戦で盤石のパフォーマンスを見せたNo.36 au TOM'S GR Supra(坪井翔/山下健太)

シーズン開幕戦からわずか3週間。早くも週明けには静岡・富士スピードウェイにおいて第2戦の戦いを迎える。初戦の岡山大会は春の陽気を通り越し、初夏のような天候のなかでノーウェイトでのガチ勝負を繰り広げた。大型連休真っ只中の5月3〜4日に開催される今大会「FUJI GT 3Hours RACE GW SPECIAL」は、シーズン初の3時間レース。セミ耐久の要素が強いだけに、いっそうドライバーとチームが結束して挑む一戦になりそうだ。

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カーナンバーが変わっても、”1番”の強さは変わらず!?

岡山でポールポジションを手にしたのは、No.38 KeePer CERUMO GR Supra大湯都史樹小林利徠斗)。大湯と小林の新コンビはオフシーズンから関心を集めていただけに、早々に頭角を現して開幕戦における話題の中心となった。惜しくも、決勝では”試合巧者”のNo.36 au TOM'S GR Supra坪井翔山下健太)が逆転勝利。38号車は2位に甘んじたが、ルーキー小林の今後の覚醒に期待を寄せるファンも多かっただろう。一方、36号車の戦いは去年の岡山戦を彷彿させるものだった。予選Q2でポールポジションを僅差で逃した坪井はその悔しさを決勝で見事に晴らし、岡山3連覇を達成。自身のシリーズタイトル4連覇(山下とのコンビとしては3連覇)達成という前人未到の目標に向け、最高のスタートを切ることになった。チームでは、今年、「初心に戻る」という気持ちからチャピオンゼッケンの「1」をつけずに敢えて「36」を選択したというが、”勝って兜の緒を締める”という、盤石のパフォーマンスだった。

台頭するライバル勢は?

岡山の結果からしても、もはや「打倒36号車」がGT500クラスにおける合言葉になっていることは認めざるを得ない。36号車に限らず、岡山では引き続きトヨタ陣営の速さが目立っていたことも事実だ。とはいえ、富士大会では虎視眈々と好機を狙っているライバル勢にも注目して欲しい。

なかでも、今シーズンを前に新車を投入したホンダ陣営のプレリュードGTは、初の3時間レースに向けて粛々と準備を進めていることだろう。開幕戦では、ルーキーを迎えたNo.17 Astemo HRC PRELUDE-GT塚越広大野村勇斗)の予選4番手、No.16 #16 ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GT(野尻智紀佐藤蓮)による決勝6位が布陣としての最高位だったが、富士ではそれを上回る結果を残せるかどうか、見どころになる。また、2シーズン連続でランキング2位であるNo.100 STANLEY HRC PRELUDE-GT山本尚貴牧野任祐)は、岡山で思うような結果を残せず終わった悔しさを、この富士で一掃したいはず。プレリュードGTとしては、開幕戦を前にした富士での公式テストでトップタイムをマークしたセッションもあり、相性としては悪くないと思われる。今シーズンからホンダ陣営の全5チームには、HRCからスタッフが積極的に”加勢”していると聞く。データ共有による総体的な底上げを推進し、プレリュードGTを進化させてくるに違いない。

これに対するニッサン陣営はどうか。今シーズンから3台体制となり、やや寂しさは否めないが、岡山では予選7番手スタートのNo. 12 TRS IMPUL with SDG Z(平峰一貴ベルトラン・バゲット)が序盤から果敢な攻めの走りを貫徹。決勝では3位に入り、GRスープラによる表彰台の独占を阻止する活躍を見せた。また、今シーズンから新コンビでブリヂストンタイヤを装着することになったNo.24 リアライズコーポレーション Z名取鉄平三宅淳詞)も、9位入賞で初レースを終えている。オフシーズンのテストでは解禁された車両の空力アップデートに尽力。ダウンフォース重視型のデザインとなり、どのサーキットにおいても安定した強さを発揮できるようなクルマ作りを目指してきたという。岡山の予選では3台とも思うような速さを披露できなかっただけに、富士では予選はもとより、決勝でも粘り強さと安定感を存分に見せつけたい。2024年の第2戦では、ワン・ツーフィニッシュを飾った陣営の大健闘が待たれる。

あらためて、36号車以外のGRスープラ勢の存在も侮るなかれ。富士スピードウェイがお膝元である以上、勝利は至上命令のようなもの。岡山で勢いづいた38号車を筆頭に、安定感が強みのNo.14 ENEOS X PRIME GR Supra福住仁嶺大嶋和也)や、戦略でライバルを出し抜くNo.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra関口雄飛サッシャ・フェネストラズ)らが控えていることを、お忘れなく。

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マレーシア戦延期で、今大会がシーズン序盤のヤマ場に

岡山大会では、6月20、21日に開催予定だったマレーシア・セパンインターナショナルサーキットでの第3戦が中東情勢の問題等で延期されたことが発表された。代替戦は予定しておらず、次は第4戦富士となる。その開催は8月初旬につき、今大会が終わると、SUPER GTは約3ヶ月のインターバルへと突入する。年間8戦から1戦削減して7戦になったことで、例年以上に1戦にかかる”重み”も違ってくる。各チームは残り6戦の戦いに向けてさまざまな変更に対処していることだろう。

また、インターバル明けでも同じ富士が舞台になるため、まずは今大会をしっかりと戦い抜き、そのデータを活かして次戦に繋げたいという思いも強い。気候もレースフォーマットも異なるなかでの開催ではあるが、今回の一戦で優勢に立つことでライバルにプレッシャーを与えることも可能なだけに、大きな強みとなるはずだ。

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実力チームが繰り広げる激戦に期待

バラエティに富む車両がそれぞれのストロングポイントを活かし、好戦を見せるGT300クラス。岡山では、ポールポジションからスタートを切ったNo.777 D'station Vantage GT3(藤井誠暢/チャーリー・ファグ)が隙のないレース運びで優勝。過去2年、岡山ではトラブルに見舞われ、持ち前の速さが結果に結びつかなかったが、今回、ポール・トゥ・ウィンという形でようやく不運に決別することになった。昨年の第2戦富士では予選でポール、決勝で2位と結果も残しているだけに、その存在はどのチームにとっても脅威となるだろう。ただ、前回の優勝によってサクセスウェイトは52kg(実ウェイトは上限の50kg)に。早速、サクセス給油リストリクターが適用される唯一の車両になったため、3時間という時間をうまく味方につけた戦略で、上位を目指すことになる。

そして、開幕戦のプレビューでも取り上げたNo.88 VENTENY Lamborghini GT3(小暮卓史/ダニール・クビアト)のパフォーマンスにも注目したい。元F1ドライバーらしからぬ(!?)フレンドリーなキャラクターのクビアトは、岡山で「自分の力を最大限引き出せすことが大事」と謙虚な発言をしていたが、後半スティントを担当した決勝ではコース上で鋭い走りを見せ、百戦錬磨のライバルたちと実にクリーンなバトルを繰り広げてみせた。結果は予選14位から大きくジャンプアップし、見事6位入賞。ベテラン小暮とのコンビは、今シーズンにおけるGT300クラスの台風の目になりそうだ。

新緑まぶしい季節のなかで迎える富士大会。恒例のゴールデンウィーク開催のレースには、毎年大勢のファンが足を運ぶ。現地では、まだ雪化粧の残る富士山の雄大な姿を眺めながら、300km超のスピードで疾走するGTマシンの迫力をたっぷりと体感してほしい。

文:島村元子

島村元子

島村 元子

日本モータースポーツ記者会所属、大阪府出身。モータースポーツとの出会いはオートバイレース。大学在籍中に自動車関係の広告代理店でアルバイトを始め、サンデーレースを取材したのが原点となり次第に活動の場を広げる。現在はSUPER GT、スーパーフォーミュラを中心に、ル・マン24時間レースでも現地取材を行う。

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