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野尻智紀選手(No. 8 ARTA MUGEN NSX-GT)「浮き足立つことなく次に向かうことができる」 | SUPERGT 2023 第6戦 SUGO【SUPER GT あの瞬間】
モータースポーツコラム by 島村 元子── 32周を終えてピットイン。その翌周ピットインした17号車と比較しても、やや作業時間が長いようでしたが、この理由は?
ピットインする8号車
野尻:まだ100%の解析が出揃ってるわけでもないのですが、ただ、いくつか要因はあったかなと。タイヤ交換に少し時間がかかった部分もありましたし、あとは、(うしろを走っていた)17号車は(搭載するサクセスウェイトとの兼ね合いで)燃料(流量)リストリクター(調整)も入っているので、燃費が良くなって、余分な燃料を使わなくなる。そういった、“ちょっとの積み重ね”で給油時間の違いが出るんです。あとは、燃料給油タワーからクルマに燃料を注ぎ込むわけですが、その時のスピード……流速と言われてる、“1秒に何リッター、クルマに(燃料を)足せるか”っていうところが、多少違ったりしたのかなという感じがあります。また、見た目には、僕のスティントで10秒ぐらいギャップがあったように見えたんですけど、僕が(ピットに)入る直前は、GT300の車両が新品タイヤで続々とピットアウトしていて……。(タイヤが)冷えてる状況では(クルマが)どういう動きをするかわからないし、やっぱり、向こう……GT300の車両も、狭いSUGOで避けたくても避けられないっていう状況が発生してしまって、僕もだいぶタイムを落としたなというところはあります。なので、見た目というか、実は皆さんが思ってらっしゃるよりも、ギャップが少ない状態でピットインを迎えてしまったような状態でした。
── その後は17号車とのバトルが続く中、大きなアクシデントが発生し、セーフティカーランから赤旗中断に。再開後は、再び17号車との激しい攻防戦を展開しました。野尻選手はこの様子をどんな気持ちで見守っていましたか?
野尻:大湯選手のスティントでも、僕と同じソフト側のタイヤを選択したんです。なんでかって言うと、ソフトタイヤだと、確かにちょっと後半厳しくなると理解は全員がしてたんですが、ただ、レースウィークで、ハード側のタイヤをあんまり試してなかったんですね。実際、土曜日の時点で大湯選手も、『(硬めのタイヤの)フィーリングは良くないと』言ってたし。それなら、柔らかい側のタイヤをつけて、 確実にトップに出れるような戦略で……硬い側のタイヤをつけてしまうと(タイヤ交換後、アウトラップでのタイヤ)ウォームアップにすごく時間がかかったりだとか、そういった部分でトップに戻れない可能性も出てきてしまうようなところがあったので、確実に(トップでコースに)戻れるように、柔らかい側を選択したんです。ただ、(大湯のスティントでは)予想に反して2番手でレースを進めることになってしまったので、そこが、自分たちにとって大きな誤算だったところですね。でも、セーフティカー明けとか、そういったポイントポイントでは僕らの方が優勢だった状況もあったし、その中でなんとか大湯選手が17号車をオーバーテイクしてくれたんで、あの瞬間はかなりピットは盛り上がりましたね。
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