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笹原右京選手(No.16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT)「雨が降ってきたときの判断として、僕らの頭の中にはもうステイアウトしかなかった」
SUPER GT あの瞬間 by 島村 元子──さまざまな条件下でいろんな引き出しを作ることが重要になりますね。
笹原:はい。SUPER GTはふたりドライバーがいて、タイヤメーカーもそれぞれあるし、常に進化していく、変化していくので基準を作るのがすごく難しい状況なんです。その時その時で変わっちゃうと思うので。今回、決勝は3位でしたが、予選は予選として別に切り分けて(考えて)、分析が必要かなと思います。
──決勝では天気が急変。状況を気にかけた戦略が必要になったと思います。16号車としてはどのようなプランを組み立てていましたか?
笹原:基本的に、「もしかしたら雨が降るかも」というのは事前に頭の中にはありました。もちろん、どういうストラテジーで行くかは決まっていたんです。その中で「雨が降ったらどうする、こうする」っていうのもある程度幅を持たせようと話し合っていました。本当に雨が降ってきたときの判断としては、正直僕らの頭の中には基本もうステイアウトしかなかったんですよね。もちろんウェットタイヤがどういうパフォーマンスになるかっていうこともわからなかったし予想もつかなかったけれど、反面、そういったコンディションで走れるドライ(スリック)タイヤが、僕らにあったかなっていう感覚もあったので。あともうひとつは、“もう失うものが何もない”っていう……常に全開でチャレンジしていくっていうのが、この16号車の今のスタイルなので、とにかくチャレンジして……逆に言うと、表彰台だったり大量ポイントを獲得するのは今大会しかチャンスが限られたので。
今回、フルハンデ(ウェイト)での最後のレースになるし、次戦から(搭載ウェイトが)半分になってしまうので、やっぱり何かチャレンジをしていかないと、と思っていました。みんなと同じことをやっていても勝てないという感覚が公式練習のときからあったので、その点をチーム全員が共有して、かつそこでこのストラテジーを判断できたことがすごく良かったなと思います。常にコミュニケーションを取り続けられたことが正しい判断に繋がったのかなと思うので、そこはチーム力ですね。チーム全体の力っていうのが、大きかったと思います。
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