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これを、手が震えながら記したことを……今でも鮮明に覚えている。
おそらく、関係者のみならず、サーキットで来ていたファン、自宅でテレビ観戦していたファンの中には“最悪の事態”が頭をよぎった人も少なくなかっただろう。
2回の赤旗中断が起きてしまったSUPER GT第2戦
幸い、ドライブしていた高星明誠は無事で、関係者らの話によるとマシンを降りた後、自力で歩いていたという。その後、場内のメディカルセンターに行き、骨折なども確認されなかったが、万が一のことを考えて、病院で精密検査を受けることに。そこでも、異常は見られず、事故の翌日には退院した。
その後、クラッシュした3号車はパドック脇のエリアにブルーシートに覆われた状態で、一時保管されていた。隣には38周目にクラッシュしたアールキューズ AMG GT3の車両も置かれていたのだが、3号車の大きさは約半分。エンジンとモノコックしか残っていないと、瞬時で察した。
それでも、ドライバーは怪我を負うことなく脱出できたということを考えると、今のGT500車両、そして今のレーシングカーは、これだけ大きなクラッシュがあってもドライバーの命が守られるほど、高い安全対策が取られているのだと、再認識させられた瞬間だった。
それと同時に、SUPER GTではFRO(ファースト・レスキュー・オペレーション)という独自の救助システムを確立しており、今回も事故が起きた数十秒後にFRO車両がかけつけてドライバーの救助が行われていたほか、富士スピードウェイ側も、すぐに救急車を用意するなど、緊急時の対応としては申し分のない動きだったと言えるだろう。
今回は、多くのファンが詰めかけたグランドスタンドの目の前で起きたということもあり、激しく動揺した方も少なくなかったかもしれない。ただ、今回の件で“モータースポーツというのは常に危険と隣り合わせである”ということを、あの場にいた全員が、身をもって再確認させられたと思う。
最近の、特にSUPER GTでは各ドライバーのスキルが向上し、アクシデントを回避するケースが多く、ここまで大きなクラッシュというのは起きていなかった。同カテゴリーのみならず、国内の主要モータースポーツで、ドライバーが命に関わるような事故というは、ここ数年起きていない。
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