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MOTUL AUTECH GT-R、ライバルを圧倒し2年ぶりの勝利
新型コロナウイルスの影響により変則的なスケジュールとなり、駆け足のように進んでいる2020年のSUPER GTシリーズ。これまでの2戦は富士スピードウェイで開催されたが、第3戦は三重県の鈴鹿サーキットに舞台を移し、かつての鈴鹿1000kmを彷彿とさせるような灼熱のコンディションの中で激しいバトルが繰り広げられた。
今回もGTアソシエイションが出した方針に従い無観客での開催。特に鈴鹿サーキットはコースを囲むように大型の常設スタンドがあるため、今までにも増して“無観客でのレースをしている”と痛感する雰囲気だったが、その寂しさを掻き消すほどの熱いバトルがコース上では繰り広げられた。
ここまでトヨタGRスープラ、ホンダNSX-GTが速さをみせていたGT500クラスだが、第3戦で強さをみせたのは日産GT-R。なかでも予選2番グリッドを獲得した松田次生/ロニー・クインタレッリのNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rは決勝ではトヨタ勢、ホンダ勢を寄せ付けない走りを見せた。
ファンにとっては待ちに待ったニッサン勝利。ニッサンの巻き返しをファンは望んでいる。
特に圧巻だったのは前半スティントを担当したクインタレッリ。2周目にNo.38 ZENT GR Supra(立川祐路)の先行を許すものの“絶対に抜き返す”と諦めずに食らいついていき13周目のヘアピンでGT300に行く手を阻まれた38号車の隙をついて逆転に成功した。23号車の鈴木豊監督も「あのオーバーテイクがレースの流れを大きく変えた」と絶賛していた。
クインタレッリはそのままトップを走るNo.64 Modulo NSX-GT(伊沢拓也)にも迫り、16周目のダンロップコーナーでオーバーテイクしトップに浮上。そこから順調に後続を引き離していく走りをみせた。そして後半スティントを託された松田も、セーフティカーの導入やGT300との混走によるペースダウンで何度か窮地に立たされるも、トップのポジションをきっちりと守り、23号車としては2年ぶりとなる優勝を飾った。
レース後のパルクフェルメでマシンを降りた松田に駆け寄るクインタレッリの姿は、非常に印象的なものだった。2人ともガッツポーズをして喜びを爆発させるというよりは、今回の勝利を噛みしめているという様子だった。
パルクフェルメでは天を仰ぎ、涙をみせた松田(中央)。
日産勢は2015年を最後にタイトルから遠ざかっており、特にここ数年はライバルメーカーの台頭が目立っていた。その中でも陣営のエースチーム的な立場にある23号車は最低でもシーズン1勝をマークしてきたが、それが昨年はついに未勝利のまま終わることとなった。迎えた今シーズンは開幕戦からGRスープラとFR化したNSX-GTが上位を独占するレースが続いた。日産勢への風当たりが厳しかったが、それでも応援してくれるファンに早く1勝目を届けたいというドライバーやチームの力が、今回の鈴鹿で実った。
「ここまで苦戦してきましたが、今回はクルマのセットもぴったり決まりました。目標としていた“早い段階で1勝”を達成できたことが嬉しいです。次戦のもてぎでは(ウエイトハンデが)重くなりますが、今後もポイントをしっかり稼ぐレースをしたいです」(松田)
「2年ぶりに優勝することができて、すごく嬉しいです。シーズンの最初はまだまだ良いセッティングを見つけられなく開幕戦の時は色々テストをしているような状態でした。第2戦からやっと速さが見えてきたので、第3戦の鈴鹿でさらに微調整してきました。タイヤに関しても今回はアプローチを少し変えて、それが良い方向に働いてくれました」(クインタレッリ)
この2年間、勝利という結果を得られず我々が考える以上の苦労をしてきた23号車。彼らの表情をみれ「1勝の重み」というものを改めて感じたレースだった。
文:吉田 知弘
吉田 知弘
幼少の頃から父親の影響でF1をはじめ国内外のモータースポーツに興味を持ち始め、その魅力を多くの人に伝えるべく、モータースポーツジャーナリストになることを決断。大学卒業後から執筆活動をスタートし、2011年からレース現場での取材を開始。現在ではスーパーGT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久、全日本F3選手権など国内レースを中心に年間20戦以上を現地取材。webメディアを中心にニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載している。日本モータースポーツ記者会会員。石川県出身 1984年生まれ
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