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WRC歴代一回でも開催した国は31か国ありました。ここで32か国目の新規登場です。一昨年あたりからラリー・ジャパン復活の際にはサファリの復活やコルシカの脱落の可能性など種々噂されていましたが、今年新規参入のチリは当時それほど話題には上がっていなかったのです。しかし、昨年秋のカレンダー発表で開催を実現したのはチリでした。
南米ではアルゼンチン、ブラジル、パラグアイそしてチリなどがモータースポーツに熱心な国です。先回のアルゼンチンではチリの選手が2名(兄弟の様ですが)WRC2で上位を占めました。その他パラグアイは昔からトランス・チャコという過酷なラリーで有名です。アルゼンチンのWRC2クラスで上位に入ったガランティ選手のコ・ドライバーはトヨトシさんという日本からの移住者ファミリーで、トヨタのパラグアイ代理店のオーナーです。私もドイツでお目にかかったことがあります。南米大陸のこの地域はアフリカから移動してきたダカールラリーのコースになっており人々の関心が高いのです。
今回WRC開催にこぎつけた主催者は2000年からスタートしRally Mobil Championshipがベースになっています。主催者の広報資料にはWRC獲得までの道のりが紹介されています。(主催者の資料ですから美しい表現になっていますが)
・ローカルラリーをFIA方式に変える努力を継続したこと。(車両規定及び開催規両面で)
・WRC2やJunior等のカテゴリーの積極導入。
・他国で開催されるWRCを積極的に視察し、それぞれの主催者からの意見聴取。
・FIAとの関係強化。
・州政府、警察、消防等に積極的協力体制を作る。
・2017年にFIA“候補イベント”申請。
・2018年候補イベントはR2,R3,R5などの参加を得て成功裏に終了。FIAも高評価。
このような経過でWRC開催が決定したと主催者はPRしています。
私にはWRC新規参入の模範的プロセスのように見えますが、一方でほぼ同じ時期にWRC開催運動を行っている日本の出遅れが目立ちます。未だに正式発表されていない主催者、愛知・岐阜周辺という以外に場所の確定がないこと、11月頃テストイベントという曖昧な表現などはっきりとしたイメージが掴めません。今後を注目したいと思います。
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