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先週のスーパーGT。ホンダNSXが6戦を終了して3勝目をマークしましたね。
今シーズンの大きな話題である、元F1チャンピオンのジェンソン・バトン選手が優勝したので、フィニッシュ直後のスポーツランドSUGOのグランドスタンドもこれまた盛り上がっていました。
今回から、NSXのウエイトは一律10kgプラスされています。それは、【好調】だから。それでも予選のQ2に5台参加しているNSXの4台が進出。決勝グリッドの3列目までに4台が位置して、ライバルメーカーに「なんだ!この速さ!!」と言わしめた。
分析します。あくまで個人的な分析です。
この時期にしては、予選日、土曜日気温が低かった。昨年まで夏場、気温が高いとNSXはパワーが出なかった。しかし、今シーズンにエンジン周りの補機類のレイアウトを変更し、インタークーラーの位置、容量も変更。それにプラスして気温が低かったので、エンジンへの吸気が適正な温度で供給できた。これが予選での活躍の所以。
そして、決勝。
ライバル達は、これまでNSXを苦しめてきたマーブル(タイヤかす)のピックアップ(タイヤの磨耗で出るタイヤカスがトレッドにくっついてしまって、グリップが低下する現象)が起こるだろうから決勝では予選の俊足が見られないと希望的な予測を立てていたのです。
決勝が始まって15周くらいでトップを快走していた100号車、山本尚貴選手のペースが落ち始めた<すわ、ピックアップが始まったか!>と、思いきや、ペースが落ちたのは、ソフトタイヤでスタートし、序盤に山本選手がかなりプッシュしたからだったのです。ピックアップは?ほとんどなかったそうです。
「おい、おい、そのピックなんとかは、何故起きなかったんだい」
「それはな、起きないタイヤを開発したっていうことでぇ。本田屋にタイヤを納入している石橋屋が考えたね。というか、本田屋の大番頭から<ピックアップしないタイヤを開発せい>と御達しがあったよ。江戸、八重洲の京橋のたもとにある石橋屋は武蔵野の工場で頑張った」
「ほうほう、それでどうしたね」
「お頭の中で考えを練って、ゴムも練った。奥州、菅生での一戦までに試し走りして、新しいゴムを開発したんだ」
「そいつは、すげえや!石橋屋の手柄だ」
「いや、石橋屋のようなタイヤの大店であっても威張らないよ。<本田屋さんのご協力を得て、開発できたのでございます>って常に控えめだよ」
「偉―じゃねーか、石橋屋。気に入った!」
以上、山本/牡丹、優勝の陰に石橋屋の大手柄ありの一席でした。
高橋 二朗
日本モータースポーツ記者会会長。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。
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