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モーター スポーツ コラム 2018年6月19日

トヨタ、20回目の挑戦で悲願のル・マン制覇!

モータースポーツコラム by 皆越 和也
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「第86回ル・マン24時間」は、6月16~17日に、フランスのル・マン市サルト・サーキットにおいて開催され、ポールポジションからスタートしたTOYOTA Gazoo Racingの#8 トヨタTS050ハイブリッド(クリスチャン・ブエミ/中嶋一貴/フェルナンド・アロンソ)が優勝。1985年の初挑戦以来20回目の参戦で、ついに優勝を果たした。また日本車の優勝は1991年のマツダ787B以来27年ぶり、日本人の優勝は2004年の荒聖治以来14年ぶり3人目。また2位にも同チームの#7 トヨタTS050ハイブリッド(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ-マリア・ロペス)がゴールして、TGRは1-2フィニッシュを飾った。日本車の1-2フィニッシュはもちろん初の快挙だった。

例年より涼しい天候となったル・マンだったが、雨でコースが濡れることもなく最後まで大きな波乱の起きない大会となった。スタート直後から2台のトヨタは後続を引き離して逃げ、最終的には#8トヨタが#7トヨタを2周差とし、3位以下を13周差としての圧勝だった。特に朝以降は、7号車にコースオフやピットインのタイミングを間違えてスロー走行を強いられるなどのミスもあり、8号車の独走となった。また世界三大レース制覇を狙い初出場となったアロンソにとっては、モナコGPと今回で2つは達成。残すはインディ500優勝と制覇にリーチをかけた。

一昨年限りでアウディが、昨年限りでポルシェがLM P1から撤退。しかしトヨタはライバル不在でもル・マンに残った。ライバル不在だから楽勝だろうという見方もあったが、自分たちに勝ち同じトヨタがライバルという状況で388周を走破したことは素晴らしい。たとえアウディやポルシェが残っていたとしても、今年のトヨタであれば優勝したのではないだろうか? 今シーズンは”スーパーシーズン”として変則的に来年のルマン24時間が最終戦となり、ルールの変更はない。多少のハンディキャップでノンハイブリッド車との性能差は縮められるかもしれないが、この信頼性高くなったマシンで連覇を狙ってほしいものだ。

大量20台のエントリーがあったLM P2クラスは、WECに年間エントリーしていない#26 G-ドライブレーシングが抜け出して独走優勝を遂げた(ただしWECのポイントは与えられず)。

LM GT Proでは、創立70周年ということで4台の911 RSRを投入し気合の入っていたポルシェは、豚の部位をデザインした92号車が抜け出して優勝。それにしても序盤の91号車とのバトル、そしてフォードとの激しい2位争いはエキサイトだった。このクラスではポルシェが1-2フィニッシュを遂げた。またLM GTE AMクラスでも#77デンプシー・プロトン・レーシングが優勝しポルシェはGTEの両クラスを制覇した。初参戦のBMW M8や新型バンテージを投入したアストンマーチンは苦戦を強いられたが、今後の車両の改良によってはトップ争いに食い込む可能性を見せた。

F1経験のあるアロンソ、ジェンソン・バトン、ファン-パブロ・モントーヤといったドライバーの参戦も増え、また62歳のヤン・ラマースといった懐かしい顔もあったドライバー陣。ジャンカルロ・フィジケラやロイック・デュバル、セバスチャン・ブルデーらも元気に走っていたし、今後フォーミュラ系のドライバーたちが耐久レースの楽しさを覚え、参戦することも増えるかもしれない。

J SPORTSの中継もコメンタリー陣が豪華で、また現地レポートの通信状況も向上し、日本にいながら現地の様子が手に取るように分かり素晴らしかった。

2020年シーズン以降のトップカテゴリーの概要が発表されるなど、時代の変化を迎えたル・マン24時間の今後に注目したい。またWECは8月第3週のシルバーストンまで2か月のインターバル期間となる。

皆越 和也

皆越 和也

1961年熊本県出身。1980年代後半に富士スピードウェイで観戦した「WEC in JAPAN」で四輪モータースポーツに目覚め、モータースポーツ専門誌編集部等を経てフリーランスのフォトライターに。SUPER GTは全日本GT選手権がスタートした1993年より、ほとんどのレースを現場で取材している。

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