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サッカー&フットサル コラム 2026年6月19日

目指すのは今季初勝利のみ!若雉が紫熊を迎え撃つ中国ダービー!ファジアーノ岡山U-18×サンフレッチェ広島F.Cユースマッチプレビュー【高円宮杯プレミアリーグWEST第10節】

土屋雅史コラム by 土屋 雅史
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ファジアーノ岡山U-18・向井涼太

新指揮官を招聘したファジアーノ岡山U-18が苦しんでいる。昨季のプレミアリーグWEST王者のヴィッセル神戸U-18を率いていた安部雄大監督が今季から就任したものの、ここまで8試合を終えて2分け6敗と、まだ初勝利が付いてきていない状況だ。

1か月弱の中断に入る直前の第9節・米子北高校戦は、開始早々のゴールがオフサイドという判定で取り消され、前半の内に先制点を献上。後半に入って松本優輝のゴールで追いついたが、試合は1-1でドロー決着。今節は勝利だけが求められる90分間となる。

一方、沢田謙太郎監督が7年ぶりに指揮を執っているサンフレッチェ広島F.Cユースも、開幕3戦は1分け2敗と厳しいスタートに。とはいえ、第4節のジュビロ磐田U-18戦で今季白星を手にしてからは、以降の5試合で2勝2分け1敗と持ち直した感がある。

ホームで戦った前節のサガン鳥栖U-18戦は、スコアレスドローという形になったが、実に6試合ぶりとなるクリーンシートを達成。ここまで全試合にスタメン出場している1年生GKの林和広もプレミアの水に慣れ始め、チーム全体に安定感が出てきていることは間違いない。

岡山U-18の攻撃を牽引するのは、左利きの右ウイングとしてチームに推進力をもたらす行友翔音だ。本人も「サイドで時間を作ること、クロスからアシストしたり、点を決めること、スピードにも自信を持っているので、背後をどんどん取ることは自分のやるべき役割なのかなと思っています」と話しており、アタック全般を担う覚悟も窺える。

ここまでのリーグ戦では8試合に出場して、まだ無得点が続いているが、昨年のクラブユース選手権でも強烈なゴールを沈めており、左足の一発は大きな武器。中学時代はプラシア山口ジュニアユースでプレーしながら、「チームの温かさと全員の団結力」に魅力を感じ、岡山にやってきたこの人が右サイドをどれだけ切り裂けるかは、そのまま勝敗に直結するはずだ。

右サイドバックの位置でアグレッシブなプレーを見せてきた向井涼太も、今季は好パフォーマンスが目立っている。昨シーズンは同じポジションに、プロ契約締結済みだった千田遼がいたため、なかなかスタメン出場は叶わなかった一方で、「千田くんは守備も強くて、ミドルシュートでゴールも決めているので、意識はしています」とその背中を見ながら、研鑽を積んできた。

好きな選手は「得点も獲れますし、アシストも多いですし、攻撃もできて、守備もできるので、参考にしています」と評するモロッコ代表のアクラフ・ハキミ。7節まではスタメン起用されてきた中で、8節からの2試合は欠場。その間に先発に指名された森光英斗も年代別代表に招集される実力者であり、彼らの熾烈なポジション争いは、きっとチーム全体を活性化させるはずだ。

広島ユースの背番号10とキャプテンを託されている野口蓮斗には、今回の一戦でも注目しないわけにはいかない。昨シーズンはFIFA U-17ワールドカップにも出場し、世界での経験も積み重ねた俊英は、「自分のパフォーマンスがチームの勝利に関わってくると思うので、もっと守備も攻撃も両方で信頼される選手になりたいなと思います」と口にするなど、今季に入ってより責任感も増している。

とりわけ第6節の神戸U-18戦で終了間際に沈めた決勝点は、右足で絶妙のコースに打ち込んだ、まさにゴラッソ。「今年の1年はこれからのサッカー人生を変える1年になるというか、それが懸かっている年だと思うので、全部自分がやるぐらいの気持ちでやっていきたいなと思います」と言い切る世代屈指のプレーメイカーから目が離せない。

そんな野口とソレッソ熊本時代からチームメイトだった太田大翔も、広島ユースに欠かせないメインキャストとして、存在感を放っている。昨季はボランチを務めることが多かったが、今季は3バックの中央で奮闘中。「自分の良さが出せるポジションでもあるので、余裕を持ってできていると思います」と現状に手応えを感じつつあるようだ。

参考にしている選手を問われると、ボランチではデクラン・ライス、ディフェンダーではウィリアン・サリバを挙げるなど、かなりの“グーナー”という側面も。182センチというサイズにも十分な魅力があるだけに、新たなポジションで才能を解き放ちつつある太田の躍動が、このゲームに与える影響は決して小さくない。

今回の会場は、岡山のトップチームがJリーグの公式戦で使用している『JFE晴れの国スタジアム』ということで、おそらくいつも以上に観衆の数も多いはず。果たして若雉たちはホームで今季初勝利を引き寄せられるのか。プレミア版中国ダービー、激戦必至。

サンフレッチェ広島F.Cユース・太田大翔

文:土屋雅史

土屋 雅史

土屋 雅史

1979年生まれ。群馬県出身。群馬県立高崎高校3年時には全国総体でベスト8に入り、大会優秀選手に選出。早稲田大学法学部を卒業後、2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社し、「Foot!」ディレクターやJリーグ中継プロデューサーを歴任。2021年からフリーランスとして活動中。

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