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192センチの体躯に詰め込む特大のポテンシャル。名古屋グランパスU-18・オディケチソン太地が尖らせ続ける自分の武器 【NEXT TEENS FILE.】
土屋雅史コラム by 土屋 雅史名古屋グランパスU-18・オディケチソン太地
ひとたびピッチに立つと、192センチという極めて大きなサイズが目を引くが、そこばかりにフォーカスすると、この人の真価を見誤る。空中戦の高さは言うに及ばず、抜群のスピードを生かした守備範囲の広さも、周囲に的確な指示を飛ばすコーチングも、着実に進化を遂げていることは間違いない。
「自分がそういう役割を担うイメージはあまり持っていなかったこともあって、副キャプテンに指名されたのは意外だったんですけど、去年から試合にはずっと出続けてきたので、この役割を与えてもらった以上は、本当にチームのために働きたいと思っています」
特大のポテンシャルをその身体に目一杯詰め込んだ、名古屋グランパスU-18のディフェンスリーダー。オディケチソン太地は新たに任されたタスクを意気に感じ、個人とグループの成長をどちらも追い求めながら、勝負の1年を全速力で駆け抜けていく。
もともと岐阜出身のオディケは、中学進学時にJFAアカデミー福島へ入校し、ハイレベルな仲間たちと切磋琢磨する日々を過ごしたのち、名古屋U-18へと加入。1年時は新しい環境で頭角を現すまでには至らず、プレミアリーグデビューには届かなかったが、2年に進級した昨シーズンはプレミア開幕戦でスタメンに抜擢されると、あっという間に欠かせない戦力として、最終ラインの中央で存在感を放っていく。
備えている視点は実にクレバー。高い水準の日常を過ごす中で、目の前の課題と向き合うことにも余念がない。「去年は開幕戦から使ってもらって、そこから4連勝することができたので、自信がついた部分はありました。そこから少し勝てない試合が続いた中で、自分の課題について見つめ直した時期があって、特に夏のクラブユースは身体についていろいろ考える機会になりましたし、あとは技術のところにももっとこだわってやっていく必要があるなと感じました」
とりわけ身体作りの部分では、夏過ぎからウェイトトレーニングの重量をより重くしつつ、食事の面でも以前より補食の量を増やしたことで、確実に体重も増加。「そこからはトレーニング中でも、試合中でも、自分の身体の動きやすさを実感するところもあったので、そこは続けて良かったなと思います」とポジティブな変化も実感してきた。
昨秋には小さくない刺激を受ける出来事があった。自身もU-15とU-16年代の年代別代表で、チームメイトとしてしのぎを削った選手も複数含まれていたU-17日本代表が、FIFA U-17ワールドカップでベスト8まで進出。映像で彼らの躍動を眺めている中で、オディケはあることに気づいたという。
「やっぱりああいう舞台でやれる選手というのは、自分の中で自信のあるプレーを持っている選手がほとんどで、そういった自分の持っている特徴を、どんな場所でも、どんな環境でも発揮できる選手が、上のステージに行けるんだなということは、テレビで試合を見ていて凄く感じました」
「そこで自分の武器というのも改めて見つめ直したんです。自分だったらヘディングが得意なので、そこはこれからも続けて伸ばしていくべきところですし、あとは身長もスピードもある方だと思うので、1対1の対人能力というところも、もっとここから伸ばせるところなんじゃないかなと思いました」
もちろんいろいろなことができるに越したことはないけれど、明確な武器を圧倒的なレベルまで磨き、尖らせ、周囲に認めさせることが、より自分の評価を高めると信じ、課題の克服と同じか、それ以上に特徴を発揮することを念頭に置きながら、日々のトレーニングに取り組んでいる。
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オディケにはその背中を追い掛けてきた“先輩”がいる。その人とは、JFAアカデミー福島U-15EAST時代から同じチームでプレーし、名古屋U-18でも再びチームメイトになった森壮一朗。トップチームへと昇格を果たし、今季はファジアーノ岡山へと期限付き移籍することになった1つ年上の先輩は、常に意識すべき存在だ。
「壮一朗は去年の2月ぐらいにトップの活動へ本格的に参加して、その1か月後ぐらいにはもう昇格していたので、上のレベルに関わっていくメンタリティだったり、そういうレベルに合わせられる技術も、本当に見習わなきゃいけないなと感じますね」
「去年も一昨年も壮一朗とは一緒に練習していた中で、そこでも周りとの違いを見せるプレーを間近でしっかり見てきたので、自分も周囲との違いをこのチームで示す必要がありますし、試合でも相手と比べてより高いパフォーマンスを発揮できたらなと思っています」
今シーズンのプレミア前半戦は全11試合にスタメンで登場し、チームトップの出場時間を記録。加えて前述したように副キャプテンを務めているため、キャプテンマークを巻いてピッチに立つこともあり、絶対的な主力としての自覚が、その立ち姿からも漂っている。
トップチームへの昇格が懸かる今シーズンが、自らの未来を左右する1年になることは百も承知。オディケは力強い言葉で、不退転の覚悟を、こう語ってくれた。
「自分としてはトップ昇格がまず1つの大きな目標なので、そこに向かって頑張りたいですし、プレミアリーグでもチームとして日本一を掲げている中で、自分は副キャプテンに任命してもらったので、その責任を持って、トレーニングから積極的にやっていきたいです」
「今年に入ってからはトップの練習に参加させてもらっていますけど、そういうチャンスをどんどんモノにしていかないと、上には上がれない世界だと思いますし、たとえ能力を最大限に出して、それで自分の中では良いプレーができたと思っていても、周りの人に評価されなければ意味がないですし、他人からもしっかり認められるような選手になっていかなきゃなと思っています」
あくまでも目を向けるのは、いつものグラウンドで重ねていく自身の成長。そのうえでちゃんとした評価を勝ち獲って、望んだステージを手繰り寄せてみせる。名古屋U-18のディフェンスラインにそびえ立つ、さらなる飛躍に期待したくなるような、確かな才能。オディケチソン太地は伸びやかに、しなやかに、遥か高くに見据える世界の景色へと、軽やかなステップで翔け上がる。
文:土屋雅史
土屋 雅史
1979年生まれ。群馬県出身。群馬県立高崎高校3年時には全国総体でベスト8に入り、大会優秀選手に選出。早稲田大学法学部を卒業後、2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社し、「Foot!」ディレクターやJリーグ中継プロデューサーを歴任。2021年からフリーランスとして活動中。
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