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チームを牽引するストライカーの苦悩と進化。ベガルタ仙台ユース・佐々木亮が整えるのは「9番」を背負う覚悟 【NEXT TEENS FILE.】
土屋雅史コラム by 土屋 雅史ベガルタ仙台ユース・佐々木亮
自分がどれだけボールを収められるかが、自分がどれだけゴールを決められるかが、チームの勝敗に直結することは、誰よりもよく理解している。だから、もっと上手くなりたい。もっと点を獲りたい。このリーグの中でも圧倒的な存在になって、後輩たちに最高のステージを残してみせる。
「個人としてはまだ得点王を狙っていますし、この中断期間でもっともっと怖い選手になるために、もう1つか2つぐらいは武器を身につけたいなと考えているので、そこを磨き続けて、チームを助けられる選手になりたいなと思っています」
ここまでプレミアリーグでフルタイム出場を続けている、ベガルタ仙台ユースの9番を背負った絶対的ストライカー。佐々木亮は自身の着実な進化を感じつつ、さらなる飛躍を遂げる明日を見据えて、1本のシュートに、1つのゴールに、こだわり続けていく。
「もう気持ちが高まりすぎて、逆に『ちょっと冷静にならなきゃな』って思っていました。でも、ピッチに入ったら凄く楽しかったですね。もうあんな声援が来る中でサッカーができるのは幸せでした」
終わったばかりの90分間を、佐々木は少しだけ興奮気味に思い出す。プレミアリーグEAST第11節。前半戦のラストゲームの舞台は、ベガルタ仙台のトップチームがホームとして使用するユアテックスタジアム仙台。クラブを取り巻く多くの方の尽力で、ユースの選手たちに最高のステージが用意される。
ただ、試合は前半の内に2点を先行される展開に。「守備のところは結構うまくプレスをかけていたんですけど、後ろがうまく付いてこれなかったりとか、収めて時間を作るのか、それとも前に行くのかという判断のところが、少し難しかったかなと思います」と話す佐々木も競り合いに勝ち、ボールを収めても、なかなか周囲が押し上げ切れない状況の中で、孤立するシーンが目立ってしまう。
このゲームにおける最大の決定機は、最後の最後にやってきた。1点を返し、スタジアムのボルテージも最高潮に達していた90分。石山葉琉のフィードに抜け出すと、巧みなトラップからそのままフィニッシュ。だが、ボールは飛び出したGKに弾かれ、同点ゴールには至らない。
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高円宮杯 JFA U-18 サッカープレミアリーグ 2026 前半戦セレクション
配信日時 : 2026年7月21日(火)午後2:00 ~
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ファイナルスコアは1-2。「自分がチームに『これ以上はもう失点するな。自分が絶対決めるから、そこは任せて』と言って後半に挑んで、本当にチームは無失点で抑えてくれたんですけど、自分は点を決められなかったので、悔しさはありますね」。ストライカーとして、約束を果たせなかった自分が、ただただ悔しかった。
一方で、このゲームがアカデミー全体に与える影響については、改めて思うところがあったという。「自分はベガルタのジュニア出身で、パークタウンでユースの試合のボールパーソンもしていて、そこで憧れを感じていたので、今日の試合を見たアカデミーの子が『カッコいいな』とか、『ああいうふうになりたいな』と思ってくれていれば、凄く良いことなんじゃないかなと思っています」。ジュニアの子どもたちに、ユースの9番の姿はどう映っていたのだろうか。
チームとしても初挑戦となるプレミアのステージ。前述したように佐々木はここまで全試合にスタメンで登場し、3得点を記録。ハイレベルな守備者たちを相手に、やれることの幅を広げ続けているが、あくまでも狙うのはゴール一択。その意味では、まだまだ自身の出来にも納得がいっていないようだ。
「やっぱり『このチームはオレが点を決めなきゃ』と感じていますし、試合中もずっとそう思ってプレーしています。だから、まだ全然物足りないですね」
一方で、昨シーズンのクラブユース選手権決勝に途中出場した時や、やはり昨夏に全国からBチームだけが集って行われる『COPA SEIRITZ』という大会に参加していた時に比べると、ピッチ上の立ち姿から自信のようなものが立ち上っていることは間違いない。そのことについて本人に水を向けると、力強い答えが返ってきた。
「自分が3年生として試合に出ている以上、自信がなさそうにやっていたら、もうチームなんて絶対勝てるわけないじゃないですか。しかも自分は副キャプテンという立ち位置でやらせてもらっているので、キャプテンの葉琉を支えながらも、自分が胸を張ってプレーしていれば、みんなにも『亮がやってるから、自分もやらなきゃ』と思わせられるので、自分が下を向かないようにというのは意識してやっています」
前任の9番であり、トップでもすでにゴールを決めている古屋歩夢は、もちろん意識する存在ではあるものの、必要以上に後継者という気負いのようなものは持ちあわせていないという。
「歩夢からはいろいろ教えてもらったりしたので、真似できるところは真似していますけど、歩夢と自分はまた違うプレースタイルで、自分は強引にというよりも、相手にさわられないようにシュートを打つとか、そういったところが武器なので、うまく歩夢の良さを吸収しながら、参考にしていくことは意識します」
前半戦のチームは11試合を終えて1勝3分け7敗。降格圏内の11位と苦しい時間を強いられたが、まだシーズンは半分も残っている。ここから2か月近い中断期間を迎える中で、佐々木はもう明確にこの先のチームの在り方を思い描いている。
「チームとして掲げた『3位以内』というところも全然僕は諦めていないですし、チームのみんなも意識していると思うので、ここから中断期間に入りますけど、そこで自分や葉琉から発信していきたいですし、そのためには練習が大事だと思うので、練習からしっかりみんなで団結して、その目標に向かっていければなと思っています」
勝敗の責任を担う覚悟なんて、とっくに定まっている。とにかく目指すのは、いつだって自分のゴールと、チームの勝利。仙台ユースを最前線で牽引する、背番号9の絶対的エース。この夏に一層の進化を期す佐々木亮は、より大きな自信を胸に抱き、プレミアの舞台へ帰ってくるはずだ。
文:土屋雅史
土屋 雅史
1979年生まれ。群馬県出身。群馬県立高崎高校3年時には全国総体でベスト8に入り、大会優秀選手に選出。早稲田大学法学部を卒業後、2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社し、「Foot!」ディレクターやJリーグ中継プロデューサーを歴任。2021年からフリーランスとして活動中。
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