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サッカー&フットサル コラム 2026年5月29日

真面目に努力を積み重ねられる絶対的守護神。帝京長岡高校・仲七璃がピッチに帰ってくる日をみんなが待っている 【NEXT TEENS FILE.】

土屋雅史コラム by 土屋 雅史
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帝京長岡高校・仲七璃

この人が最後方から出し続ける少し高めの声は、不思議とチームメイトたちに安心感を与えていく。ゴールにカギを掛ける正確なセービング。機動力を生かした広い守備範囲。ビルドアップにも積極的に加わる高い足元の技術。総合力の高さが光る、文字通りの守護神だ。

「自分は1年生の時から試合に出させてもらって、去年はずっと出させてもらった中で、特に去年はセンターバックの西馬(礼)と桑原(脩斗)の2人が、チームに対しての声掛けをやってくれている姿を一番近くで見ていたので、そういう部分を見習って、あの2人以上にコーチングをしていきたいですし、チームの勝利に貢献できたらなと思います」

帝京長岡高校の守備陣を支え続けてきた、努力できる真面目なゴールキーパー。仲七璃はいつでも自身とグループの成長にフォーカスしながら、目の前のやるべきことと真摯に向き合っている。

「去年に比べて今年はボールが回るのが特徴だと思うんですけど、去年以上にこの時期に勝てる試合が多くて、それが自分たちの中でも自信に繋がっていると思いますし、このまま継続して勝ち続けることで、勝ちグセを付けられれば、いい形でプレミアに入っていけるのかなと思います」

リーグ戦の開幕を目前に控えた3月下旬。仲はチームに対する手応えを口にする。プレミア参入3シーズン目を迎えた帝京長岡は、2年在籍していたWESTから、EASTへと“転籍”することに。新たな戦いに向けて、彼らは例年以上に早い仕上がりを見せていた。

そんなチームをピッチの一番後ろから束ねてきたのが、今季も正守護神を任された仲だ。1年生だった一昨シーズンもプレミアで8試合に出場し、貴重な経験値を積み重ねると、昨シーズンは21試合でプレーし、不動のレギュラーとして躍動。高校選手権でも全国ベスト8進出にきっちり貢献し、大会優秀選手にも選出されるなど、高体連屈指のゴールキーパーの立ち位置を確立してみせる。

もともとFC東京U-15むさしから帝京長岡に進学した仲にとって、2026年シーズンはとにかく楽しみにしていた“再会”があった。EASTに主戦場が移ったことで、かつてのチームメイトも数多くプレーしているFC東京U-18との対戦が実現することになったのだ。

「純粋に楽しみが強いですね。EASTに行くと決まった時にはメッチャ喜びましたし、3節という早い段階で試合ができるということで、そこを1つの目標として見据えてやっている感じはあります」

実は2月の『アスレカップ群馬2026』で両チームは対戦していたのだが、仲はU-17高校選抜の活動で不在だったため、3月の時点でも翌月に迫った友人たちとの“真剣勝負”を心待ちにしている様子は、言葉の端々から窺えた。

「フォワードの井部結斗とは仲が良いんですけど、アスレカップでは結斗に2点決められて負けたと聞いていますし、親同士も結構仲が良いので、親から聞いたのは『七璃から点を獲らないと意味がない』と言っていたみたいなので、アイツにだけは点を獲られたくない気持ちはありますし、中学で一緒に競争しながらやっていた新堀(恵太)にも負けたくないと強く思っています。メチャメチャ楽しみですね」

4月19日。第3節。アウェイに乗り込んだFC東京U-18戦。GKの新堀恵太はベンチスタートとなったが、仲と井部結斗はともにスタメン出場。試合は帝京長岡が1-4と敗れる形になったが、前半には井部の2本のシュートを、どちらも仲が丁寧にキャッチする一幕も。彼らにとってこの“再会”が、印象深い思い出になったであろうことは想像に難くない。

 

第9節。東京ヴェルディユースと対峙したアウェイゲーム。帝京長岡のスタメンリストのGK欄には、3年生の各務歩夢の名前が書き込まれていた。その2節前。ホームで行われた昌平高校戦の終盤に、ペナルティエリアの外まで飛び出した仲は、ボールをクリアした直後にグラウンドへ倒れ込む。

結局、試合終了まではピッチに立ち続けたものの、翌節の川崎フロンターレU-18戦からは欠場することに。どうやらケガの具合は思わしくなく、早期復帰は難しい状況だという。

東京Vユース戦の集合写真。帝京長岡の選手たちは、仲と同じく負傷離脱中の松田隼輝の写真をあしらったメッセージフラッグを掲げ、彼らの想いも背負って戦う気持ちを示していた。

3年生の5月という時期に、決して軽くはないケガを負ってしまった仲の心情は察して余りある。だが、今まで何度も話を聞いてきた時に感じた、彼のまっすぐな真面目さや、掲げた目標に向かおうとする意志の強さは、きっとこれから続く苦しいリハビリの日々を、必ずポジティブな形で支えてくれることだろう。

見慣れた光景を、強くイメージする。ピンクのユニフォームを纏って、ゴールの前で躍動する姿を。おなじみのハイトーンボイスで、仲間たちを鼓舞する姿を。帝京長岡の押しも押されもせぬ絶対的守護神。仲七璃が約束のピッチへ戻ってくる日を、みんなが待っている。

東京Vユース戦で掲げられたメッセージフラッグ。みんなが復帰を待っている!

文:土屋雅史

土屋 雅史

土屋 雅史

1979年生まれ。群馬県出身。群馬県立高崎高校3年時には全国総体でベスト8に入り、大会優秀選手に選出。早稲田大学法学部を卒業後、2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社し、「Foot!」ディレクターやJリーグ中継プロデューサーを歴任。2021年からフリーランスとして活動中。

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