人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

サッカー フットサル コラム 2023年4月14日

日立台が赤く染まった日~ある実況者のホームゲーム~(再掲載)

土屋雅史コラム by 土屋 雅史
  • Line

山崎にとって心強かったのは、控室に旧知のスカパー!スタッフが待っていてくれたことと、解説が水沼貴史だったことだ。百戦錬磨の彼なら安心して任せる所は任せられる。水沼も当然この試合の意味は十分過ぎる程わかっている。「俺は試合前にスタッフの打ち合わせで『見どころをお願いします』と言われて、『今日は実況がメインなので邪魔しないようにやります』って言ったの(笑) 彼の想いというのは熊本の人にしかわからないかもしれないし、俺たちはニュースでしか知らないので、それこそ彼が伝えたいという想いの邪魔をしないようにしながら、俺は試合のシビアな部分の話をしていって、あとはフォローする時はフォローするというようなスタンスでいたかな。ゲーム前に知っている顔の選手やコーチにたくさん話を聞いて、知らないことを少しでも自分の中で吸収してから話をしようとは思っていました」と明かした水沼。山崎も不思議と落ち着いていた。

「この一戦に対する気負いというのはなかったです。そこはずっと熊本を実況しているという所で、J2をずっと喋っていますし、水戸対熊本もだいぶ喋っているので選手のこともわかりますし、プレー追いに関してはむしろ“うまスタの7階”の放送席よりも見やすいですからね(笑)変な気負いはなかったです」。水前寺清子が熱唱した『三百六十五歩のマーチ』や、益城町出身の上村周平がユニフォームのエンブレムを掴むシーンに心を揺さぶられながら、きっちり2時間半の中継を話し切った。

「やっぱりこの臨場感の中で喋っているので、もしかしたら声のトーンもちょっと高かったかもしれないですし、ちょっとノイジーだったかなという感じはします」と反省もあるが、とにかく最高の雰囲気に包まれたスタジアムの空気を伝えることはできたのかなと思えた。「サッカーのようなスポーツには、純粋に戦えるものの中に色々な想いが入っているんだなというか、色々なものを託せるものなんだとは思いましたね。そこに色々な想いを託している人がいて、元気をもらいたいとか、逆にこちらから選手に元気を与えたいとか、そういう人たちもいらっしゃいますし、それを言葉ではなくて映像で伝える人も中継スタッフの中にいますし、色々な人たちがいて、サッカーの良さやスポーツの素晴らしさを現場で体験できたのは、これからどういう風に生かされて行くかわからないですけど、より伝える側の意味というのを再確認させられたなというのはあります」と水沼も想いを新たにした一戦。山崎も「サッカーファミリーって凄いなと思いました。今日も中継の前にスタッフが今日のゲームが起こる前にどういうことが起こっていたかというのを情報としてたくさん教えてくれて。僕にとってのサッカーファミリーは中継を通してのものなので、『ありがたいな』と思いましたし、教えていただいたことは何としても伝えたいですし、伝えなくてはいけないことだなと思ったので話をしました」とスタッフへの感謝を口にする。ロアッソにとって、そして山崎にとって1ヶ月半ぶりのホームゲームは、Jリーグ史上の中でも稀に見る温かい雰囲気の中で終演となった。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

人気ランキング(オンデマンド番組)

J SPORTSで
サッカー フットサルを応援しよう!

サッカー フットサルの放送・配信ページへ