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サッカー フットサル コラム 2023年4月14日

日立台が赤く染まった日~ある実況者のホームゲーム~(再掲載)

土屋雅史コラム by 土屋 雅史
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学生時代に腕を磨き、40代に差し掛かったのを機に再び本腰を入れ始めた卓球の道場で、“1回目”の揺れを経験する。「卓球のユニフォームのままで会社に行ったら大変なことになっていて、『誰か益城町に中継に行ける?』と言われたので『僕が行きます』と。会社に置いてあるスーツに着替えて、ヘルメットをかぶって益城町に入りました」。当初は比較的被害の少ない地域を通って益城町に入ったため、そこまで事態を把握できていなかったが、ひっきりなしに鳴り響く救急車や消防車のサイレン、それに夥しい数で上空を埋めるヘリコプターを見て事の重大さを思い知る。

結局、その日の夜から翌日の夕方まで、ほぼ24時間体制で中継を続け、いったん自宅に戻る。「その次の日は3時半に出社して5時に避難所から中継というスケジュールが決まっていたので、自宅に帰って夜の12時ぐらいに2時間ぐらい寝られるかと思ってソファーで寝たんです」。

ウトウトして1時間半後。「遠くのキッチンの食器棚が開いて、食器同士がぶつかるバリバリという音が聞こえてきて」目が覚める。“2回目”の揺れは“1回目”と比較にならなかった。電気も水道も止まっている中、スマホの光で必要最低限のものだけをかき集めて会社へ向かう。放送を送出するマスターがダウンしたため、自局での放送は断念したものの、東京に向けて直接現地の状況を送り届ける。「正直、ロアッソのことは頭になかったですね」と山崎。三重で生まれ育った彼にとって、第二の故郷とも言うべき熊本は未曽有の事態に陥っていた。

“2回目”の揺れから3日後。ロアッソのクラブ広報から連絡が入る。聞けば阿蘇熊本空港に程近いホテルのテニスコートで、選手たちがサッカー教室を開くという。「放送局に勤めている人間として、ロアッソを取材している人間として、他局や他系列にロアッソの最初の復興支援活動を独占で放送されてしまう訳にはいかんというのは正直ありましたね」と山崎は少し声のトーンを上げる。

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