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サッカー フットサル コラム 2023年4月14日

日立台が赤く染まった日~ある実況者のホームゲーム~(再掲載)

土屋雅史コラム by 土屋 雅史
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「その時その時の状況によって感情が揺り動かされることの繰り返しで、打ち合わせをしている時とか資料を準備している時は、普段の中継とはそこまで変わらずに作業をしているんですけど、実際にサポーターと話をしたり、選手の姿を見るとこみ上げてくるものはありましたよね」と千葉戦を振り返る山崎には忘れられない光景がある。

「1点目を取られて、ちょうどベンチの隣に巻と清武が水を飲みに来たんですけど、巻が膝に手を突いていて、『あの巻がこんなになるんだ』と。でも、隣に来た清武の腰を巻が左手でポンポンと叩いて、言葉は聞こえなかったですけど『キツいけど頑張ろうぜ』というような雰囲気があって、叩かれた清武もピッチに向かって『やろうぜ、やろうぜ』というような感じで、巻もすぐに両腕を上げてピッチに戻っていって。あのシーンというのはまさに使命を帯びた男の姿ですよね。『キツいけど、どうなるかわからないけど、やろうぜ』というのが伝わってきて、あのシーンが一番感動しました」。

避難所を回る巻やクラブハウスで寝泊まりする清武をその眼で見てきたからこそ、その一連に感情の増幅を抑えられなかった。山崎による巻のインタビューで中継は締め括られる。翌週の日曜日。ロアッソにとって1ヶ月半ぶりのホームゲームは、彼にとっても1ヶ月半ぶりに実況席へ座る日でもあった。

「今日は藏川とロメロ・フランクがJ2で150試合出場とか、薗田淳が2014年10月の富山戦以来久々の出場とか、そういうことも普段の中継として大事なことなので、プロフィールや経歴はちゃんと整理して、車の中で発声練習して、選手名を言いながら来るというのも変わらなかったです」。宿泊していた上野からレンタカーを走らせ、日立柏サッカー場へ向かう。慣れない道に想定より5分ほど遅れて到着したものの、そもそも集合の1時間前入りを目指していたため、何の問題もない。いつも通りの準備を進め、いつも通りの時間が過ぎていく。

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